2020年03月19日
vol.131 ルージュジャパン様【後編】台湾:レナンセラ・オンシジウム・トルコギキョウ&チョットよりみち!
ルージュジャパン様の後編です。
前編はこちら。
後編は、ルージュジャパン様が日本に誇る実力・キャラともにそれぞれのナンバーワンの精鋭さんたち!逸材揃いの生産者さま5軒をご紹介いたします。
1. レナンセラの王さんは名実ともに“レナンセラ生産の王様”
2. 白いオンシジウム・サマースノーの生みの親陳さん&未来を担う超若手生産者
3. 変わりダネオンシジウムは決して“誤算”ではない!オンシジウムの“呉さん”
<ちょっとよりみち>花の名産地はシイタケの名産地でもあった!
ウン探初!台湾のシイタケの6割を生産する台湾の秘密の産地に潜入取材★
4. 才能“たくさん”!1を聞けばたくさんをあっという間に理解してしまう天才肌の“卓さん”★
トルコギキョウ生産と仲卸経営のマルチ経営で売れる花き流通を構築した名プロデューサー
5. オンシジウムを作らせれば台湾一とルージュ様が自負する名パートナー朱さん
6. 最後にルージュジャパンのルージュ社長のひとこと
それでは早速“レナンセラ生産の王様”王さんからご紹介いたします。
【基本情報】
生産者:王世杰(ワン・シージエ)さん(以下、王さん)
場所:台中市新社区
生産品目:レナンセラ(6割)、エピデンドラム(1割弱)、オンシジウム(3割)ほかラン類
生産面積:合計約1,000平方メートル
標高:約200メートル
ランの生産開始:2005年
なんだか王さんの親しみのある笑顔、初めてお会いしたような気がしません。
以前どこかでお会いしませんでしたっけ??←― ナンパ、していません。
「あ~、僕ね、7年くらい前に大田市場に行ったことあるよ」
東京ドームでの世界らん展の開催に合わせ来日され、大田市場にお越しくださったのだとか。その時にお会いしたわけではないと思いますが、なんだか王さんの笑顔には一方的に親しみを感じてしまいます。
大田市場でいろいろな花をご覧になってどう思われましたか?
「僕たちのランはいける!売れる!と思ったよ」
王さんのところは、冬場の温度は昼25℃、夜11℃、夏なら昼35℃、夜21℃で、年間を通して昼夜の気温差が10度以上あります。この寒暖差を生かして、株に栄養をしっかりと蓄え、色のりも良く、茎も締まって大変すばらしい品質でご出荷くださっています。大田市場で多くの花を見たときに、ご自身の花もマーケットでの基準を満たしていて、大丈夫だと確信したといいます。
圃場はこんな様子。
写真手前の赤がレナンセラ、奥の黄色がエピデンドラムです。
レナンセラは青みがかったピンク色。この色味は王さんだけが生産しています。王さん独占品種。
エピデンドラムの花径も使いやすい手のひらサイズ。
このようなユニークな品種も。まだまだ開発中の品種です。
こちらは放ったらかしにしているわけではなく、
あえてこのようにおいて発根させているのです。
つまりランの株作り。
◆レナンセラ王さんの格言◆
王さんの実が作るレナンセラは青味がかった透明感のあるレナンセラ!
王さんは名実ともに「キング・レナンセラ」なのでした~。
また日本にも来てくださいねー
2軒目はオンシジムのサマースノー育成者さんと生産者を訪問しました。
【基本情報】
生産者:詹茗凱(チャン・ミンカイ)さん(以下、チャンさん)。
お若いでしょう。ピチピチ★
お父様と一緒に生産をされています。こちらがお父様。お父様もお若い。
ご子息がピチピチだからピーチかと思いきや、お父様は桃ではなく梅!及びぶどうを、チャンさんご自身が花を専門に生産。
お父様の梅とブドウの圃場↓
生産品目:オンシジウム
場所: 台中市新社区
圃場面積:全部で約2,000平方メートル
標高:約550メートル
オンシジウムといえば黄色ですが、チャンさんが生産しているやや珍しい白系のオンシジウムはサマースノー。
育成者・陳敏銓さん(以下陳さん)もウン探の訪問に合わせ来てくださいました。
「サマースノーはいろいろと交配する中で偶然できたもの。黄色以外のオンシジウムを生み出したいと思って育種していたんだよ」
交配から市場デビューまで約10年。色々とレア品種が生まれる中で、サマースノーに焦点を当てたのはなぜですか?
「主に3つの条件が揃った良い品種だと思ったからだよ。
1. 草丈が充分に確保できる
2. 分枝性がいい
3. 白みがかった珍しい色目」
草丈、分枝性、色の主に3点なのですね。
白みがかっているから「サマースノー」という名前なのですね。陳さんが命名されたのですか?
「いや、私じゃない」
え??違うんですか?
と聞いた瞬間、ウン探の後方を指さすのでぱっと振り返ると、ナント先ほどのキング・レナンセラがいらっしゃるではありませんか!Σ(oдΟ;)
え??なんで??いつの間に??どんなトリック??Σ(+Θ+);
なんでもこの辺りで花を生産されているみなさんは仲良しなのだそうで、いつもこうしてお互いの圃場を行き来して密にコミュニケーションを図っていらっしゃるそうです。今回はご出荷商品を届ける途中で寄ってくださいました。
実は、育成は陳さんとキング・レナンセラとが一緒に進めてきて、命名係はキングなのだそうです。
「んまぁ、一応ね。」
「今後は、サマースノーの草丈がさらに確保できるよう改良したい」と陳さん。
ピチピチのチャンさんに伺うと、オンシジウムの生産ではヨトウムシが悪さをするのだとか。
「ヨトウムシの成虫(つまり、蛾)、とりわけメスが花芽や花を食べるので、ヨトウムシの雄のフェロモンを圃場のまわりに設置し、中に入ってこないようにします」
へー、名付けてフェロモントラップ。それがこちら。
この上部の白いところがフェロモントラップになっていて、つかまった雌たちは下の網に落ちていくしくみ。
トラップにかかった気の毒なヨトウムシたち。
うげぇ~・・・Σ(|||▽||| )お陰様で大量収穫・・・。
このようなトラップを併用し、過剰な忌避剤の使用を回避しているのです。サステイナブルな農業の実現ですね。
ん?さっきから気になる。。。なぜかチャンさんの圃場で放し飼いになっているワンちゃんたち。どうやらただのペットではないようです。
「彼らは蛇を捕まえてくれるんだ」
ぎょえ~ッ!!( ̄□ ̄;)!!
お蛇さま、いらっしゃるのですか?ウン探も気を付けよっと。
「ワンちゃんがいるから、ココは大丈夫」
これも一種のIPM(Integrated Pest Management=総合防除;害虫の天敵である生物、昆虫などを活用し、薬剤の多用を控えながら作物の品質や収量を安定させる防除体系)ですね。
◆チャンさん、陳さんの格言◆
・切花オンシジウムの育種方針は、
1. 草丈が充分に確保できる
2. 分枝性がいい
3. 珍しい色目
・育種とネーミングは、仲間との連携プレーで実践せよ!
・IPMやフェロモントラップの活用で、薬剤の使用は最小限に抑え、持続可能な農業の実現に努めよ!
台湾でもSDGsに取り組んでいるのでした!
3軒目はちょっと変わったオンシジウムの生産者の呉さん。変わりダネオンシジウムは決して“誤算”ではない!オンシジウムの“呉さん”をご紹介いたします!
【基本情報】
生産者:呉忠勲さん(以下、呉さん)
生産品目:オンシジウム(スターアップルやゴールデンアフタヌーンなどのレア品種)、バンダ、バンダの根、エピデンドラムなど
栽培面積:約1.6ha
場所:台中市北屯区
生産開始:1991年
こちらが呉さんの圃場・・・
っていうか、えーーーーーー!
呉さんの圃場はその圃場はスーパークリーン!優雅にここでカフェできそうなくらいの雰囲気です。 足元は完全コンクリート舗装、壁はエアコン代わりに施された波波(なみなみ)状のコレ。名前わからん(-ω-;)
・・・と思っていたら「パッドアンドファン」というそうです。気化熱を利用した冷房装置。
波波が冷却パッドの役割をします。そこに水滴が落ち、パッドの後ろからファンで送風すると気化熱により温度が下がるというしくみ。なるほどこのような高温対策をとっていらっしゃるのですね。年々進む温暖化にもこれがあればひとまず安心です。
確かに施設内は温かいけど・・・そりゃ台中ですし、ランを栽培しているわけですから温かいですよね。しかし!・・・暑すぎません。長時間ここで作業をする人にも問題ない気温で、むしろ快適です。
栽培はムービングベンチで100メートルの大きなベンチも、楽々移動。
すごいな~。こんなしっかりした完璧な施設で生産されているのですね。
「生産も安定して、ロスが少なく歩留まりがいいから、私のようなレアな品種を作っていても採算が取れるんだ」
台湾では、「オンシジウム1品種周年栽培」というケースが決して珍しくありませんが、そんな中、呉さんは少し珍しいオンシジウムやバンダ、エピデンドラムなど中心生産され、独自の路線を切り拓きます。
品種の異なる様々なランを生産するということは、それだけ管理も異なり、コストもかかる。必然的にロスも多くなると思いますが、“呉さん”がこのように圃場に投資して、栽培管理を効率化したことは、“誤算ではなかった”わけですね◎
「1年中品質が安定するからね」
あら?こちらのエピデンドラムにかけられた白いビニールはなんでしょうか?はて、なんだべ・・・σ(・・?)?
「湿度を維持しているから、水滴が落ちてきたりするでしょ。花弁が上を向いているから、花に水滴が付いてシミや傷の原因になるから、保護しているんだよ。色付きのエピデンドラムは丈夫だから問題ないけど、白はデリケートだからね」
こちらのオンシジウムはスターアップルという品種。呉さんのみが生産されます。主な出荷期は11月から1月。顔を近づけると・・・
いい香り~(*´∀`*)
チョコレートかバニラのような甘い香りがします。台湾政府が研究し開発したオリジナル品種です。
スターアップルは開花期が重なり一気に開花するので、出荷時期も限られ、仕事も集中してしまうのが今の悩み。少しでも平準化できるよう栽培の研究されているところです。
・・・取材が終わって圃場から出ると?
あら?
この後ろ姿は、まさかの・・・ッ??
キングッ!!またまたここでもご登場です!!
さすがはキング。まさに神出鬼没!
と思ったら、先ほどお邪魔した陳さんとチャンさんも!
「僕たちはみんな仲間なんだよ」
なるほど~。みなさま仲がいいから取材を追いかけて集まってくださったのですね!
◆呉さんの格言◆
・圃場に投資し、作業の効率化と製品率向上を実現せよ。
そーすれば、ランのレア品種にもいろいろとチャレンジできます。
・地元の生産者どうし仲良くすべし! 同じ志を持った仲間で情報交換と助け合いが重要です!
★ちょっとよりみち!★
後編でご紹介したようなキング一派が生産圃場を構えるこの地域は、実はシイタケ栽培が盛んな地域でもあります。台中市新社区に台湾のシイタケの約6割を生産する農場があり、せっかくの機会なので少しだけよりみちさせていただきました。
こちらのポスターの方は、この農場を経営する会社の社長の劉啓葦さん(以下、劉さん)。
あ、本物ご登場!!
なんでも、数量ばかりではなく、品質も良いので数々の受賞履歴があります。
生産現場はこんな感じ。
こちらでのシイタケ栽培は、意外にもペットボトル!(実際にはペットボトルではないのですが、ペットボトルのような入れ物を使っていまして、ここでは仮にペットボトルと表現させていただきます)このペットボトルに培地と菌を入れてシイタケを育てます。
ついでにポスターの横に並んでいただくと・・・そっくり!←― 当たり前。
説明してくださったのは、行政の方。台湾のシイタケ生産を支える大きな責任を背負う生産者さんだけに、行政もしっかりサポートします。
「私たちのこのペットボトル式栽培は場所も取らないし、場所効率がとてもいいんですよ。日本はまだ原木信仰があるからなかなかこのスタイルは広まっていないみたいだけど、現在ではこれがいいとされているんです。」
そうでしたか~。
日本でも北海道や徳島県などの一部の生産者がこのスタイルを取り入れているのだとか。
施設には、変わり種オンシジウムの呉さんの所で見た「パッドアンドファン」式冷却装置がありました。
波波の間に白く光るものが水滴です。
というのも、ココ台湾でも温暖化は深刻な問題。こちらは圃場内に掲示してあるここ100年の平均気温の変化。線の色は地域によって分けられていますが、全体的に気温が上昇傾向であることがわかります。農業が盛んなだけに温暖化は決して無視して通れません。
収穫したシイタケを「干しシイタケ」にするときは、こちらの「干し機械」に入れて24時間乾かします。
こちらは選別機。笠が大きいものと小さいものとに選別されるというしくみ。
ぐるぐると穴の開いた筒状の機会が回って、シイタケの笠がこの穴より小さい場合は下に落ち、大きいものだけが残ります。上位等級品を機会で選別しているのです。
デカッ!!|||||/( ̄ロ ̄;)\|||||||
あ、言葉遣いが悪く失礼いたしました。
大きいですの~ッ。干してこのサイズですから。
台湾で大変立派で効率化されたシイタケ栽培が進んでいることやどのように高温対策を取っているかを学び、ウン探は台中市新社区をあとにしたのでした。
4軒目はトルコギキョウの卓(タク)さん。
【基本情報】
生産者名:卓振福さん(以下、卓さん)
生産品目:トルコギキョウ
生産面積:8ha!!(広ッ!デカッ!“卓さん”だけに“たくさん”作っていらっしゃるのですネ~^^;)
生産場所:彰化縣北斗鎮
冬場の日照量が多い地の利を生かし、季節柄日本での国内生産が減少する冬場をメインに、日本向けのトルコギキョウと台湾国内流通用と両方を生産しています。
実は、スケジュールの関係でどうしても圃場にはお邪魔できず、台北花卉市場内にある卓さんの仲卸「福盛園芸」でお話を伺いました。実は、卓さんは生産圃場をマネジメントしつつ、仲卸も経営される花き流通のプロデューサー的存在。
生産は国内流通用と輸出用と、圃場を分けています。もちろん規格もそれぞれに異なります。こちらは日本向けの圃場。キレイに畝が作られていますね。
「圃場も分けているし、スペックも異なるよ。輸出用なら2輪3蕾、もしくは3輪2蕾をスタンダードに、国内用なら2輪2蕾に仕立てます。」
日本規格に合わせ芽かき中!
日本のトルコギキョウの標準品質を学ぶために、日本の生産者を訪問して勉強したという卓さん。
「日本と台湾のトルコギキョウは全然姿が違う。それはなぜだってずっと思っていたんだよ。台湾は花芽整理もせず、花芽が上がってきたらそれもすべて残して自然に咲いた形で出荷していたんだ。
そこで具体的にどのようにしたら日本のようなトルコギキョウができるのかということを日本の生産者さんに聞いて、台湾で取り入れたんだよ」
では、日本流の生産を取り入れるために、日本へは何回か行ったのですか?
「1回だけだよ」
では、何日かステイされていたということですか?
と伺うと、手のひらを広げて「5」を意味するジェスチャーをされる卓さん。
あー、なるほど、5カ月とかですか?もしくは、5日間とか滞在されていたということですね?
「5分だよ」
5分???(◎-◎;)!!
「何時間もかけて日本に行って、日本国内も車で何時間も移動して、5-10分くらいお話を聞いて、すぐに失礼したよ。それでわかってしまったんだ」
えーーー、卓さん!たくさん聞かなくても1を聞いて10を理解してしまうのですね。5分で日本流トルコギキョウ生産をマスターしたチョーツワモノ!
「開花輪の高さを合わせる、不要なツボミを整理するなど、日本のマーケットが求める品質に近づくようにしていったお陰で、台湾のトルコギキョウ生産全体の底上げにも繋がったと思っているよ」
こちらは卓さんの仲卸「福盛園芸」で販売されているトルコギキョウですが、花の頭の高さが良く揃っていますね。
これまたさすがの人気で、フローリストさんたちが次々と購入していきました。
◆トルコギキョウのプロデューサー卓さんの格言◆
日本流トルコギキョウの生産とスペックをマスターして、台湾の花き生産の底上げを図るべし!
後編5軒目めにして、ルージュさまのウンチク探検隊「大トリ」を飾るのは、ルージュ様をして台湾で最も太陽の子を作るのが上手で品質が高いと言わしめるオンシジウムの朱さんです。
【基本情報】
生産者:朱傳裕さん(以下、朱さん)
生産品目:オンシジウム 太陽の子など
栽培面積:約1ha
場所:台中市石岡区
労働力:ご家族3人とパートさん5-6人
標高:約300メートル
ラン栽培開始:2005年
以前は桃の実を作っていましたが、お知り合いの勧めでラン栽培に転換。
へ~、花き生産が良いのはどのような点と感じますか?
「果実は季節指数が高く、労働が一時期に集中してしまうんだ。それに、もしその収穫の時期に自然災害などが起こったりすると、損失が大きいでしょ。リスクが高いんだよ。
一方、花は周年収穫できるので、忙しいけどリスクを分散できることや収益がいいのが魅力だと思っているよ」
と朱さん。
「でもね、花は果物に比べて生産技術が数段難しいんだ」
どのようなところが?「(ーヘー)・・・
「株の成長ステージによって肥料管理が異なるし、同じ圃場の中でも日当たりが少し異なるだけで成長具合も変わってしまう」
なるほど、そうした気づきときめ細やかな管理を実行されている朱さん。
肥料管理よく、茎はこんなに太く、ボールペンにも近い太さで丈夫にできてしまうだけに、業務需要に持ってこいのクオリティです。ルージュの劉さんは「太陽の子を最も上手に生産する敏腕生産者」とイチオシです★★★
とはいえ、朱さんのところで生産しているのは太陽の子だけではありません。オンシジウムのトップ3品種ハニーエンジェル、太陽の子、メイフェアートリニティ全てを生産しています。これらのオンシジウム、見分けがつきますか?朱さんの手のひらを見たら、一目瞭然です。
ウィングの大きさや他花弁とのバランスが大きな違いです。
ここでウン探は珍しい体験をします。
ルージュ様と一緒に台湾の生産者さまを取材して、朱さんが9軒目。朱さんにいろいろ伺っていますと、9軒目にして初めてのことを経験しました。
ウン探は、生産者さんをお邪魔したときに質問してお話を伺ってばかりでしたが、朱さんには初めて質問される立場になったのです(*¨*)テへ。慣れていなくて・・・
「台湾の花はどうですか?」
「私たちの品質はほかの生産者と比べてどうですか?」
「どこの生産者が一番いいと思いましたか?」
・・・など。全ての質問に、ウン探なりに誠心誠意回答させていただきました(つもりです)。
そしてウン探が感じたことは、朱さんをはじめ、このように皆様がご自身の商品について常にどこよりも良い品質を出荷しようと懸命研究し、力を尽くして投資もして、たゆまぬ努力をし、マーケットの情報にもアンテナを立て、高い向上心を持って生産されているということです。
◆オンシジウム 朱さんの格言◆
・自分の品質の立ち位置を常に意識し、マーケットが認める「良い品質」とは何かを追求せよ。
う~ん、レベル高ッ!!w(゚ー゚;)wワオッ!!
・ウン探に質問されるばかりでなく、逆に質問してしまえ~!
ウン探は質問攻めにはめっきり弱いのですが、つまりは頂点を目指す生産者さまの意識の表れとウン探は分析しております、はいm(_ _)m
・季節指数が高く、労働が集中することを課題に感じているなら、花生産がオススメでーす♪
さて、ルージュジャパンさまには、前編と併せ台湾で花き生産をされる9軒の生産者さまをご紹介いただきました。最後に、ルージュジャパンの社長ルージュ・ヤンさんに伺ってみました。
ルージュ社長、輸入商社として生産者さんとマーケットの間に立ち、意識して生産者さんにお伝えしていることはなんですか?
「大きくは4つあります。
1. 消費トレンド
2. 現在のルージュの実力やマーケットでの立ち位置
3. ライバルの状況
4. 世界の状況と台湾の状況
これらを柱として、台湾の強みと競合、脅威、また私たち取り巻く環境などについてよくお話しするんですよ」
つまりSWOT分析のようなフレームを使って状況をお話されているわけですね。
台湾にいながら、日本のマーケットトレンドや経済情勢について情報を収集するのは、難しいように思うのですが、どのようにするのですか?
「もちろんひとつは自ら足を運ぶこと。あるいは日本からお客様をお招きしたり、国際的なイベントでお会いしたときにいろいろと情報交換してお話しを伺うんです。それに、私はもともとフラワーデザイナーから花業界に入ったの。だから花がどのように使われるかとか、マーケットでどの商材が売れるかはだいたい見当がつくんです」
そうなんです。ルージュ社長は、フラワーデザイナーを原点として花き業界での歩みをスタートしました。それからというもの、結婚式会場イベント会場の装飾や教室の運営、生花店経営、仲卸経営、輸出商社、台北花市場の取締役を歴任。すごいところは、現在でも尚これらのお仕事を兼任しています。ですから、流通がメインながらも消費現場の感覚が薄れることなく、限りなく消費に近い事情から市場流通のことまでよくご存知でいらっしゃるのです。
何がマーケットで求められているかわかる目利きのセンスを生かして、切り花に向く品種があれば、海外からでも持ってきてお取引をする生産者に作ってもらったりします。つまりルージュ社長はヒットメーカーでもあります。レナンセラピンクやオンシジウムのサマースノーなど、ルージュ社長が可能性を言いだし生産拡大をお願いしたのだとか。どのように使うかも生産者に伝えながら生産をお願いするところが、デザイナー目線を持つルージュ社長の強みです。
そして、現在でもデザイナーとしてご活躍されるルージュ社長。
たとえばこちら。東京ドームで開催された世界らん展でメイクアップアーティストのIKKOさんのブースの装飾を昨年、今年とご担当されました。
すごい。どんだけ~( ゚д゚)__♭” ?!
らん展のステージでIKKOさん(左)とトークを繰り広げるルージュ社長(中央)と通訳として登壇されたルージュジャパンの劉さん(右)。劉さんは今回のウンチク探検隊の水先案内人です。(ルージュジャパン様【前編】冒頭にてご紹介)
写真提供(IKKOさん、及びIKKOさんのブース写真):ルージュジャパン株式会社 使用については許諾をいただいております。
◆ルージュジャパン ルージュ社長の格言◆
・マーケットの情報にアンテナを立て、生産者さんにフィードバックせよ。
ポイントは先述の4つ!
・デザイナーとしてのキャリアを生かし、ポテンシャルの高い商材は増産せよ!
・IKKOさんのらん展のブースを装飾するように、いつまでも現場目線を忘れないということも大事です!
ルージュジャパン株式会社さまのホームページはこちら
【編集後記】~台湾の取材を終えて~(こちらをクリック)
写真(一部、ルージュジャパン株式会社)・文責:ないとういくこ@大田花き花の生活研究所