2020年03月13日
vol.131 ルージュジャパン様【前編】台湾:バンダ・パフィオ・アンスリウム・オンシジウム
vol.131はもう1回台湾の素晴らしい生産者さまたちをご紹介いたします。
↓ココからレポート!
今回ご紹介するのは輸入商社のルージュジャパンさまと生産者さまです。後編と前編の2回に分けてお届けします。
この度の水先案内人は、ルージュジャパンの劉洋さん(リュウさん)。
前編はこちらの4軒!
1. 何でも究めるナンバーワン!バンダの道はイマ何合目?黄万金さん~お嬢様はなにわのワーキングレディ★~
2. パフィオで台湾花き産業の未来を作る林さん
3. 普通に見える人ほど普通ではなかったことがわかったハンパないアンスリウムの黄さん
4. 一世一代の大勝負!オンシジウムの全面施設栽培にかけた明暗は?オンシジウムの陳さん
いずれも大変ユニークでそれぞれのナンバーワンを行く興味深い生産者さまばかりです!一度読み始めたら止まらなくて夜眠れないくらいかもしれませんよ~。でもぜひ読んでください。
1軒目は高雄市に来ましたー。
数々のお花畑の間を通り抜けながら、
おっと、こちらの写真はお花畑ではなく、お花畑を模した台湾花布。最初にお邪魔した高雄市美濃区は、多民族の台湾において客家(ハッカ)人が定住した地。台湾に行けば必ず目にする華やかな花柄は「客家花柄」と呼ばれ、客家の伝統工芸として有名な番傘作りにも使われています。その番傘作りのお店も垣間見つつ・・・
訪れたのはバンダを生産されている黄万金(ホァン・ワンジン)さん。
黄さ~ん、黄万金さんなんてすんごいお金持ちそうな縁起の良いお名前ですなぁ~(´▽`*)・・・
そして、この門構え。お名前から推測するウン探の予感はまあまあ当たっているように思えてきました!
んで、実際この後ウン探は黄さんのすごいものを垣間見ることになるのです!
【基本情報】
生産者名:黄万金さん(以下「黄さん」)
場所:高雄市美濃区
生産品目:主にバンダ
生産品種数:多数
生産面積:約1ha
バンダ生産年数 約30年(うち、切り花バンダはここ10年)
こちらが黄さんの圃場です!でで~ん。
黄さんはオランダの施設栽培に倣い、5年ほど前に台湾で完全な施設栽培でランを生産された第一人者。10年ほど前から切花用のバンダ生産をスタートしました。(その前はバンダの鉢のみ)
その時は大半の生産者がそうであるように遮光だけの簡易的な施設でした。
気候も整っているこの地で完全な施設栽培された理由は何でしょうか。
「気候変動に対応するためだよ。」
やはりここでも近年の気候変動は深刻な問題。
「最近は雨がとりわけ多かったり、日照が強すぎたりと自然任せでは良いものができない気候が続いている。だから少しでもランに良い環境をコントロールするために完全温室栽培にしたんだ」
この綺麗な圃場をご覧ください!
まるで黄さんの完璧主義な性格を物語っています。
・・・ウン探は思いました。
“アタシ、ここで横になって昼寝できる”
ちょっと不謹慎ですみませんが、そのくらい清潔でキレイだということです。そのようなキレイなところに一歩足を入れさせていただいただけでも、ウン探は光栄でございます。
着生植物のバンダに培地は不要。このように括り付けて根だけに水が行くように腰の高さに灌水パイプを設置。
足元は親指の先ほどの石を厚さ10cmほど敷き詰め、その上に黒いマルチングシートを敷いています。
「石を敷くのは、水はけをよくして足元に水気がたまらないようにするため。マルチングシートは雑草が生えないようにするためだよ」
こちらは黄さんの育成品種レッドダイヤモンド。通常のバンダより日持ちがよいのが特徴です。
黄さんのバンダの特徴は・・・
その1:輪サイズがそろっている
その2:使いやすい十分なステムの長さを確保している
その3:花が重ならず縦に綺麗に並ぶ⇒結果、花の房が(丸くならず)縦長に形成される
その4:そして何より茎がまっすぐである!
「その1~3」の主な理由は灌水と肥料管理にあります。
そして「その4」の理由はこちらです。じゃじゃーん!ご覧ください。
このようにすべてのステムに支柱を立てて、クリップで留め、茎の成長をまっすぐに誘導しているのです。
それだけの作業があってこの広さですから、大変な労働力だと思いますが。黄さん、きちんと睡眠の時間は確保できているのでしょうか?
「対、対!(トゥエトゥエ)=(中国語で)yes, yes!
もちろん充分寝ているよ。(圃場でではなく、きちんとベッドで!)」
従業員は黄色さんを含め4名。
よッ、4人ONLYですか??
黄さんと奥さまとご子息とパートさん1名のみ。
1本ずつに支柱を立てたり、これだけの面積を管理するのに思いきやそんなに少なくて大丈夫なのでしょうか。
「全部自動だから大丈夫。支柱挿しはパートさんにやってもらっているんだ。」
どれどれ?o(・_・= ・_・)oどれが自動ですか?
例えばこちらのセンサー。
右から、風・湿度(雨)・照度の3つをこのセンサーで計測しています。
「ハウス内の環境コントロールについては、スマホでチェックしているんだ。」
さすが~、ICT駆使派!
このようにスマート農業を実践されるお金持ちそうなお名前の黄万金さんですが、ウン探に言わせれば黄さんは“Mr.Perfect”。
お会いして一瞬にして見抜いてしまいましたよ~ん( ’∇^*)b
黄さんは何に対しても究めてしまうタイプ。
例えばコーヒー。この度、コーヒーでウン探の訪問を温かく迎えてくださったのですが、その淹れ方がバリスタ並みなのです。
それから写真。
こちらは伝統工芸の番傘(及び、ほぼ中央に奥様)や台湾の橋を撮影したものです。いずれも黄色さんがフィルムカメラで撮影したもの。黄さんは完璧を追い求めるタイプなのですね。
高額なランの苗は寿命が来る前であっても、ちょっと元気がなくなると即廃棄。こちらが廃棄の株の山。
葉が少し黄色くなってきたり、葉の枚数が少なくなったり、葉に異常が認められた場合には速やかに廃棄&選手交代。この苗の山は、黄さんの穏やかな笑顔の奥に潜むラン生産へ熱い情熱と完璧性を物語っています。
もともとランが好きで学生時代から農業を学んでいたという黄さん。生産圃場もご自身でゼロからスタート。
しばらく地元のみで販売していまいたが、5年ほど前からルージュさまを通して日本へのご出荷もスタートされました。
Mr.Perfectの黄さん、今、バンダ生産の道を究める何合目まで到達していますか?
「8合目くらいかな」
あとの2割はどのようなところに課題があると考えていらっしゃるのでしょうか。
「毒素病というウィルスが発生することがあるんだけど、その発症を防ぐ手段を模索中なんだ。毒素病というのはもともとその株が持っているもので、一定のところを超えると発症してしまうもの。その発症を食い止める方法がまだよくわかっていないんだ。1本1本切るたびにハサミを変えるとかすればいいのかもしれないけど、コストや時間の面からまだそれが実現できていないんだ」
これまで黄さんがハマったものの中で最も難しいというバンダ。Mr.Perfectとしての黄さんの挑戦はまだまだ続きます。
それからサブタイトルにある「~お嬢様はなにわのワーキングレディ★~」の説明を失念しておりましたが、文面通りそのままです。大阪の企業でご活躍中なのだそうで、もうそのまま台湾には戻らずに日本でご結婚されるのではないかとおっしゃっていました。
◆バンダの黄さんの格言!◆
・ハウス内は横になって昼寝できるくらいクリーンに管理せよ!
・ハウス内の管理はIoTを駆使して自動管理!生産コストの高いバンダで人件費の節約も貢献しまっせ~。
・Mr.Perfectの黄さんは何でも究めるタイプ。バンダの生産は今8合目。 黄さんのバンダの旅はまだまだ続きます!
次にお邪魔したのはパフィオの林(リン)さん。ウンチク15年の有史のうち、パフィオを取り上げたのはゼロとはいわないまでも、かなりレアな品目です。Don’ miss it!でございますよ~。
パフィオの育種にはまり、台湾のパフィオ生産を担う若者、林宗栄さん。
【基本情報】
生産者名:林宗栄さん(以下、「林さん」)
屋号:妙華蘭園
場所:彰化縣秀水郷
生産品目:主にパフィオ
業務内容:パフィオの育種・生産、パフィオ苗とフラスコ苗の輸出
お父様の代からパフィオの収集と生産を始めて2代目の林さん。こちらはパフィオの育種圃場で200-300種のパフィオがあります。
こちらは育種圃場。
どのように集めたのですか?
「父が主に東南アジアから珍しいパフィオやラン類を集めてきたんだよ。」
リンさんはそれを交配して、切り花や鉢物それぞれの出荷にあった品種を生み出しています。多くは輸出用です。
圃場を拝見しているとわくわくするほどユニークな品種が広がっています。
中にはこのようなキッチンカーテンのようなパフィオも。
昭和のころ、キッチンの入り口にこんなすだれ、あったような・・・?
林さん、海外のマーケット狙いとして育種の方向性はなんですか?
「まずは色味重視。一輪が多色であること、あるいは一色なら発色がはっきりしているもの。そして、切り花用に出荷するなら、茎が長いもの。
花の輪が大きいものなどが重要だよ」
へー、でもパフィオの交配ってどうやるのですか?
「まずリップ(唇弁)を取り除いて花粉塊にアプローチ!(花粉を取り上げる)
その花粉を交配したいパフィオの顔の両脇に付けて受粉するんだ」
リップがあると花粉塊を取り出しにくいので、リップを取り外します。花粉塊を取りだしたら、交配したいもう一つのパフィオの“顔の両脇に付ける”わけですが、雄しべに相当する葯室(やくしつ;花粉塊がある場所)が左右二つに枝分かれているので、両脇に付けると説明してくださったわけです。写真ではなかなか撮れないような奥にあるのですが。
あ、ほんとだ。リップが取り除かれたパフィオがずらり・・・
実はこれらを拝見したときに奇形なのか新品種なのかな~くらいに思っていたのですが(笑)、交配後のものということなのですね。
「受粉するとこんな風に種子の鞘(さや)ができるのです」
このさやの中に500粒ほど小さな×小さなパフィオのタネが入っていて、それを実生から育てて育種に活用しているのです。
林さんのパフィオは数量はまだまだたくさん出荷できるステージにはなく、ルージュさまからの週に1-2回ほどのご出荷です。とはいえ、そのバラエティの多さやユニークさは天下逸品!数量としては今後さらに伸びしろがありますのでこれからのルージュさまのパフィオに注目したいと思います。
個性高めの生産者さまを擁するルージュさまの3軒目は、アンスリウムの黄(コウ)さんです。
台湾でアンスリウムの出荷量ナンバーワンを誇る黄さん。ところが数量勝負ばかりでないのがすごいところ。
こう見えて、全くふつーのおじさんじゃなかった想定外の生産者さまをご紹介いたしましょう。
【基本情報】
生産者様:黄清德さん(以下、「黄さん」)
品目:アンスリウム
品種数:4品種に集約
場所:南投縣埔里(プーリー)鎮
生産面積:合計2ha
標高:約450m
台湾のほぼ中央部に位置するプーリーというこの地は、何を隠そう台湾でも最も水がきれいな地域の一つ。ホテルの飲料水にも使われるほど。ふと台湾で手にしたミネラルウォーターの表示を見ればぬぁんと「プーリー産」と書いてあるではありませんか。この地域には台湾でも有名なワイナリーがあるほど。
このきれいな水が有利に働き、アンスリウムのほかにこの地域でもう一つ名産があります。何だと思われますか?
★ヒント★↓こちらがその名産品の栽培圃場です。
夜になると電照が点いてこんな雰囲気に。
正解は・・・
「マコモダケ」です!
マコモダケとはイネ科マコモ属の植物で、その茎の膨らんだ部分がシャキシャキしておいしいと、よく中華料理に用いられます。病気が入りやすく、水がきれいな所で生産するのが良いとされます。ですからこのプーリーでの生産は最適!24時間365日、今年に至っては366日、標高の高い山から水を引いて生産しているのです。
このあたりの農家さんはきれいな水を無償で農業用水に使うことができるのです。
うらやまし~(´・∀・`*)ィィな~♪灌漑のしくみには政府もかなり力を入れたのだそう。
このプーリーでアンスリウムの生産一筋30年、台湾で生産量ナンバーワンの黄さんを訪問しました。
輸出用を前提として生産し、規格外品を国内流通にするというのが基本スタイル。
「結果8割ほどを輸出しています。」
もともとはご友人にアンスリウムに詳しい博士がいて、その方に誘われ一緒にアンスリウム生産を始めましたが、博士は先に事業を止めてしまい、黄さんが今でも頑張っていらっしゃるのだとか。ウン探の中では意外とアルアル話です(‘-’*)(,_,*)゚.+:。 ウンウン
黄さんはプランター式で病気の蔓延を防ぎつつ、土壌にはモミ柄を使っています。
気候は標高450メートルという地の利を生かし、その寒暖差でアンスリウムのワックス感が良く出るようになります。
水はもちろんプーリーのキレイな水を使用。
特筆すべきは、黄さんの出荷場です。
一見何でもないように見えるこの出荷場には秘密がいっぱい!((o(^-^)o))!!
一つめはこちら。
真空充填機!(しんくーじゅーてんきぃ!)←ドラえもん風
アンスリウムの茎下につけるピックに水を充填する機械です。「名前はまだない」とのことで、ウン探が勝手に名付けました^^;
台湾一のアンスリウム出荷量を誇る黄さんにとって、水をいかに効率良く充填するかは事業の明暗を分けるポイントでもあります。その効率を考え抜いて黄さんが手作りしたもの。
ん?てッ、手作り??(*゚ロ゚)ハッ!!
「そうだよ。自分で作ったんだ。
圧力をかけると、キャップの空気が自動的に抜ける。圧力を元に戻したときに自動的にキャップの中に水が充填されるというしくみだよ」
ぬぁんと一度に3,500個のピックに水を充填できる優れものです。
二つめはこちら。
瞬間自動組み立て機!(しゅんかんジドーくみたてきぃ!)←またドラえもん風にどうぞ。
アンスリウムの出荷箱を組み立てる機械なのですが、こちらもなんと黄さんの手作り。平面2Dの段ボールをこの機械であっという間に立体3Dに仕上げることができるのです。仕事も早く、力もいらず、ワーカー思いな機械なのです。
足場も黄さん仕様のサイズできちんと作ってあります。
ホチキスは日本製。
「もう600万個のホチキスを使ったよ」と黄さん。
日本経済への多大なる貢献、誠にありがとうございますm(_ _)m・・・いや、それをまた日本で買っているわけですから、お互いさまか(-“-;) ?
ん?これは?足元になにやらボトルのようなものががっしりとテープで留められています。特に何の液体が入っているわけでもなさそうですが・・・
「消音機だよ。」
組み立ての際に空気を送るのですが、そのときにかなり大きな音が出るので、作業場全体のために消音機を付けたという心配り。すごい。この機械を使うワーカーさんばかりでなく、その周りで仕事をする人たちへの細やかな気配りを細部に見ることができますね。黄さんはこのように必要なマシーンは何でもご自身で作ってしまうのです。
「10代のときに機械をいじるのが好きだったんだよ」
“三つ子の魂百まで”ではありませんが、いつまでもどの場面でも黄さんの得意技が生かされているというわけですね。
そして三つめは、意外にもこちらのバケツ。
ただのバケツだとお思いでしょう?!ところがこの赤いバケツ一つにも黄さんのカガクが潜んでいるのです。
それは・・・
赤色が教えてくれる水位!←ドラえもん風・・・に言う必要なかった^ ^;最後だから許して~!
なにしろ「赤」に意味があるのです。赤色だからこそ、水位がどのくらいかが外から一目でわかるのです!
ほら、この通り↓
でもどうして赤??
「あらゆる色で試してみたけど、赤色が最もわかりやすかったんだ」
と黄さん。赤色バケツの購入を決めたときはすでにこの形のバケツは生産終了だったところを、特別注文で赤色を作ってもらったのだとか。
なるほど、バケツの色ひとつのこだわりもさすがです。神は細部に宿る。台湾の花生産の神は黄さんの出荷場に宿る!それもきっと黄さんが招いた神なのでしょうね。
↑集荷場内にある神棚。アンスリウムが供えられています。
このようにして黄さんは作業を効率化しながら事業を拡大されてきたのです。
◆台湾一の出荷量を誇るプーリーの黄さんの格言!◆
・プーリーの地の利(キレイな水と標高の高さ)を生かしてワックスの乗ったピカピカのアンスリウムを出荷しちゃおう!
・必要な機械は手作りで業務の効率化を図るべし。
機械化で生産量に対応せよ。
その機械を手作りできてしまうところが只者ではないんだなぁ~、黄さん!
・外から水位を目視できるようバケツの色ひとつにもこだわりを持つべし。
神は細部に宿るのじゃ。
ルージュジャパン様の前編のアンカーはオンシジウムの陳さん。台湾で最初にオンシジウムの完全施設栽培を導入した生産者さまです。
【基本情報】
生産者:陳建裕さん(以下、陳さん)
生産品目:オンシジウム、タニワタリ
面積:0.68ha(オンシジウム)
場所: 彰化縣永靖郷
お父様はバラを生産されていたそうですが、なぜ陳さんご自身はオンシジウムに切り替えようと思われたのでしょうか。
「バラは手間がかかることと、毎日採花しないといけない、毎日出荷しないといけないなどの制約があるからね。それに、バラの切前の問題もあるし、“今日しか採花のタイミングがない!”ということもあったりして、限られた労働力の中では限界があると思ったんだ」
そこでご友人よりオンシジウムを勧められ、25歳の就農当時からオンシジウムを生産されて16年。5年前に一大決心で全面施設栽培に切り替えました。オンシジウム生産で多いケースは遮光ネットを張った簡易タイプの施設ですが、陳さんはこのように台湾において初めて全面施設栽培を導入したのです。
「そのメリットは年間を通して安定した品質が保てるということと、特に雨季のダメージが大幅に減少するということだよ」
この広さですとかなりの投資だったと思うのですが、ご決断は難しくありませんでしたか?
「そう。その前の10年間にオンシジウムで稼いだお金をすべて施設につぎ込んだよ!(笑)」
↑歯並び、キレイ~
うひょー!10年間の貯蓄を叩いて!その後の経営状況はいかがですか?
「投資したこともあるし、生産品種をハニーエンジェルにしてから経営状態がよくなったよ。良い品種を選んだことが功を奏した思う」
ハニーエンジェルは1年間に取引されるオンシジウムのうち、本数にして実に84%を占める絶対的エース(2019年、大田花き)。形のバランスが取れていて、スポットレスな(茶色の模様が入っていない)美しい品種の代表選手であるハニーエンジェルがオンシジウムの歴史を変えたといっても過言ではありません。その品種に生産を全面切り替えしてからというもの、投資を回収できるようになったといいます。
培地はバークと竹炭。
「石より少しコストが高くつくけど、重くないから作業効率がいい。」
んで、見つけました。タピオカストロー。
陳さんご本人はタピオカを飲む(食べる?タピる?)ことはあまりありませんが、タピオカストローの消費量は若い人に負けていません。しかし、すべての花芽に挿しているわけではなく、葉に押されて茎が曲がってしまいそうなときに救世主としてこのようにストローを挿していくのです。
◆オンシジウム陳さんの格言◆
・オンシジウムは全面完全施設栽培に切り替えよ!
年間を通して安定品質、雨季の品質ダメージの減少というメリットを享受しよう!
・ただし、大規模投資回収のためには、栽培品種を吟味しようね!
・タピオカ消費量は限りなくゼロに近いけどタピオカストローの消費量はタピラー級!?でも必要以上には使いませんよ~。
ルージュジャパン様の後編に続きます。
写真・文責:ないとういくこ@大田花き花の生活研究所