社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2022年09月12日

DX化とロジス改革が同時に必要


 コロナのせいばかりではないが、家を少々リフォームしようとしても部品が来ないためずっと遅れてしまっている。部品が来たかと思ったら、人手がないためまた工期が延びる。このような事が日本中で起きている。ロシアのウクライナ侵略、エネルギー危機、小麦を始めとする食糧危機、天変地異、そして日本の場合は、特に少子高齢化の人手不足。そして諸物価高騰。なのに賃金の上がり方が遅い。これらが一時に来ているため、一般の人も会社もみんなが良いという事は現時点では難しい。政府はこういう状況だから、格差が出ないように、置いてきぼりにしないように、お金を使う。国自体がもたなくなってくるかもしれないので、円安になってそれがまた悪循環になっている。これが現在の日本で、花き業界を取り巻く実状だ。だから頑張れるところは一人で頑張るのではなく、頑張れるところと一緒に頑張る、それが花き業界の一員としての私企業の振舞いで、弊社大田花きであれば、産地や大田花きを利用する買参人と頑張る。といっても仲卸、地方の卸売市場仲卸で半分、花束加工業者、量販店、専門店、仕事屋=業務店、で半分、合計で100のエネルギーを使って、生き残れるように、日本中で花のある生活で幸せに過ごしていただけるよう頑張ってゆく。

 生産者が物価高、即ち経費高で、花を作っても利益がなかなか出せないでいる。小売店は売価を上げきれずにいる。どう上げたらいいか悩んでいる。これらの悩みを一緒に解決をすべく、市場はサプライチェーン全体を意識して、生産地、特に系統農協と物流改革(鮮度保持のための低温保管も含む)を2024年に向かって行っている。また、運送会社、特にトラック運転手たちの働き方改革を徹底しなければならない。そうすると運賃は今よりも高くなる。これも、どうすれば消費者に偏ってツケがまわらないようにするか、サプライチェーンの中で、産地と、或いは買い手と相談し、仕事のやり方を変えなければならない。DX化で省力化と情報のフィードバックをすることによって、関係者同士、情報の一元管理が出来れば、無駄を排除し、合理的に仕事が出来るようになる。お互いがその様にやっていけば、消費者へ欲しいものが欲しい時に欲しいだけ提供できるようになる。よって、情報の合理化は、供給のために欠かせないツールと言える。そしてこれは、マーケティング情報だけでなく、ロジスティック情報も大切である。

 繰り返すがこれも一社ではなくて、サプライチェーン上の仲間と行う。地域だったら大田市場に関係する人たちや利用する人たちと、具体的に行う、ということだ。いつの世も、問題点だらけだが、問題が何かわかったらそのまま流さずに解決に向けて努力する。これは我々、今生きている者の努めである。


投稿者 磯村信夫 14:15