社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2022年12月12日

2022年 松市


 東京都内の中央卸売市場では、昨日の日曜日が年に一回の松市であった。昨年が若松、門松などの筋物が高値で取引された事に加えて、今年も3、4年前の松の種が不足したことから出荷量が少ない事を見込んで、予約相対(注文取引)と相対のセリ前取引が各市場とも多かった。セリ前取引までは去年の相場を受けての取引価格。セリ取引は正に今年の相場。では今年の都内の中央卸売市場の松市はどうだったか。去年よりも安かった。2019年のコロナ前の相場に近づいた。これが東京の松相場であった。

 花の商売は三気商売とよばれる。天気、景気、やる気で構成されている。これからのコロナ禍は人の動きは制限されることはないと思うが感染者は増えている。インフルエンザの人もいる。景気が良くない、財布の紐が固い、と小売店は感じている。その雰囲気が東京都内の松市に大きく影響した。東京よりも前に松市を行った各地の市場は、何れも去年の東京の相場に影響を受けたので高値で売り抜いたところが多い。しかし来年は東京のせり相場を参考に値付けを図る必要がある。  




投稿者 磯村信夫 14:10