社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2024年03月11日

開拓者精神で、とにかく新しいことをやる!


 3月8日、帰宅してみると、業界の後輩たちから私の妻へ、ミモザの花を中心にした素晴らしい花束が届いていました。皆様は「国際女性デー」にミモザ等の黄色い花を贈られたでしょうか。今、「国際女性デー」に生花店へ買いに来られる人が増えたようですが、まだまだ「女性に花を贈る日」として認知されていないようで、「ミモザを楽しむ日」といった感じになっています。1月31日「愛妻の日」、2月14日「フラワーバレンタイン」、3月8日の「国際女性デー」、そして3月14日「ホワイトデー」と、大切な人へ、もしくは頑張っている自分へ花を贈る。そんな習慣が根付いて欲しいものです※。何かプレゼントするとなった時に、まず花を思い浮かべてもらいたい。花贈りは欠かせない文化的なことだと思うのです。

 さて、3月は花の需要期ですが、昨年に比べて家庭需要(個人需要)が1割ほど減っているようです。しかし、大きな枝物や丈の長い花等は、昨年に比べたら本当に多く流通し、またよく売れています。イベントが活発になっているのですね。また、ディスプレイ等、法人が使うようなところには確実に花が飾られるようになっています。旅行やイベントは復活しましたが、個人の懐具合はまだ寂しい。従って個人需要は控えめ。しかし、今年は卒業生にお花をプレゼントすることや、謝恩会等も復活しているようです。ガーベラやカスミソウ、バラやカーネーションが堅調なのもそんなところから見てとれます。去年に比べて小菊や一輪菊の単価が少し下がっているのは、仏花そのものの内容が変わってきたこともありますが、それ以外に社会を動かしている団塊ジュニアの方々が、8月のお盆の時よりもお墓参りなどに行かなくなってきているからではないでしょうか。このように、社会の状況が端的に花の相場に表れていると思います。どんなことが起きていてどの花が売れているか。日本農業新聞の市況欄でもご確認いただきたいと思います。

 さて、本日お伝えしたいことは、「新しい需要を開拓していきましょう」ということです。品目でも品種でも新しいものを、とにかく消費者に見てもらって消費を刺激しましょう。社内でも話していることですが、今、睡眠マーケットが拡大しています。マットレス、枕、あるいは、パジャマ、そしてヨーグルトまで、様々な業界が睡眠マーケットに参入しています。そのような中で花き業界は参入したでしょうか。リラックス出来る花の香り、あるいは寝る前に見ると安定する花の色等、音楽がそうである通り、様々な安眠効果が花にはある筈です。私たちが消費するものは、時代ごとにポイント、焦点があります。今の睡眠マーケットも良い例です。従って、新しいものを世に投入しましょう。そして新しい花のマーケットを作っていきましょう。または、今注目されているマーケットに花も参入しましょう。この努力が必要です。人々を幸せにするために存在している花き産業。我々全体が新しいこと、サービスや目標に向かって進んでいく。そうすれば、もう一度、20世紀末に到達した花き取り扱い規模6,000億円を達成し、さらに飛躍していくのではないでしょうか。それぞれ景気や天候不順など様々なことがあるとは思いますが、目標に向かって邁進していきましょう。社会に打って出ましょう。



※大田花きも加盟する(一社)花の国日本協議会では、様々な花贈りを推進するPRを行っています。
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 投稿者 磯村信夫 14:27