社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2022年08月22日

私が勉強し損ねた1990年頃


 8月盆の需要期が終わり、夏休みモードに入っているので、例年の如く、気になっていた事の勉強を始めている。第一弾は、大田市場花き部入場準備~2年目頃までの時期の事である、1989年の天安門事件とベルリンの壁崩壊。1991年ソ連邦崩壊とそれ以降のアメリカ、東欧諸国、中国、ベトナムの、その間のふるまい方についてであり、二弾目はライフワークの小林秀雄についてで、これについては、考えたいことや著作を決めてある。

 第一弾に関して語る前に、卸売市場業者に知ってもらいたい事は、8月15日は、昭和天皇が国民に対し全面降伏を宣言した終戦の日という事だけでなく、大正7年に富山で起きた米騒動について、内務省が各新聞社に報道規制を行い、これ以上広がらない様に警察権力で抑え込もうとしていた日も8月のこの時期の事である。そしてその後、大正12年に中央卸売市場法が公布され、京都五条に中央卸売市場ができ、生鮮食料品の公正な取引が出来るようになった。世界で最も優れた大規模の小売業者でも、小規模小売店でも利用価値のある流通システムである卸売市場が誕生したのである。(勿論この前に原形があった)

 第一弾の勉強と言っても、8月はどうしても戦争と平和に関することに関心が行く。例えばプーチンのロシアについてだが、政治戦を徹底的に行い、他国の領土を侵略する、この出方と、ロシア流の正当性の根本が1980年代後半から90年代の初めに起きていた事を知る。プーチンは、今のサンクトペテルブルクであるレニングラードの生まれ、(ナチスドイツによって、空爆、虐殺、飢餓により、1都市で150万人の人間が犠牲になった、どこの国も経験したことのない都市である。)そして、1989年ベルリンの壁崩壊の時にKGBの一員として東ドイツに居た。まさかその後サッチャーが大反対したように、東西ドイツは統合、そんな事になるなんて、アメリカ以外賛成の国などいなかった事である。フランスもイギリスもイタリアもどこの国も反対であったが、アメリカは自由民主主義の勝利としてドイツを、西ドイツが東ドイツをM&Aの手法で統一する事に賛成した。その後ロシアは、アメリカと歩み寄りながらも、決してアメリカに負けたり、隷属した国家ではないとして存続しようとしたが、アメリカは見下しNATOの域内をロシアに接近させていった。エリツィンからプーチンに代わり、今まで暖めていた政治戦を本格化することになる。スパイ、ハッカー、マスメディアを利用したフェイクニュース、偽装の公式文書、アメリカの内部の仲違い。大統領選における有利な者へのあらゆる手段を使った応援、汚職、ハニートラップを含め汚い手を使ってでも反目を起こさせる。そして、ウクライナの様にNATOがロシア本土まで近づかせないように実行をする。この一連の事は、かなり詳しく書かれているものも多いので、皆様方も目にする機会があるだろうが、誰が言ったか出所を明確にしておかないとフェイクニュースが何回も重ねられて、特に過去の事は嘘が固まり、あたかも事実の様に何百万人の人達の記憶に押し込まれているものもある。あらゆることについて、我々はそれが事実なのか、或いはどこかの国の誰かが、意図して起こそうとしているガセネタ、いざこざ作りなのかを、現代はチェックする必要がある。

 中国はアヘン戦争、日清戦争、大東亜戦争と20世紀に入って3回の対戦で2回日本と戦ってきた。よって、中国は、日本でのスパイ活動のみならず、反日教育や、日本国民間の内部不和などを受け、我々は今の世の中で、一般の市民生活を送る上でも気を付けておかなければならない。これが先程申し上げた1980年代後半から90年代初めに集中的に起こって、結果、原子力、インターネット、宇宙、そして総合力における政治戦へと現在へ続いているのである。このような現実の日本で日常生活を送る上で、心構えとしては、それぞれの国の出方があり、戦争をしないように外交していく事はもちろんである。戦争は戦う当事者から人間性をも奪ってしまい何も得るものはない。ただ、ウクライナがそうである通り、或いは永世中立国のスイスがそうである通り、守らなければならないものがある時は、実際戦うことがある事は国民として当然であろう。

 夏はどうしても戦争について思わざるを得ない時期、また先祖について想いを馳せる時期でもある。テレビを見てもニュースショーの様な番組も大変多く、ネットの中でもそうだ。よって、軽率には生きられないという事だ。情報をいっぱい収集する必要はないと思うが、良く考え、判断し、生活して行けば良いと思う。和して同ぜず。

 


投稿者 磯村信夫 16:53