社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2017年05月08日

母の日ギフトの花贈りはやっぱり花屋さん


 本年のGWは、二日有休を使えば九連休の所もあり、母の日のカタログ販売では前年を大きく下回った所もあると聞いている。また、アルバイトがノルマの自爆営業をツイートし話題になった影響で、昨年までは目標達成の為にあったコンビニ販売のノルマが減ったのだろうか、コンビニの花のギフト販売が少し減っているところもあるようだ。

 本日は久しぶりにセリ数が1万2千口を超え、セリ場は活況である。暖かいというよりも暑いので、専門店の皆様は、花持ちの良いものから母の日向け商品を仕入れようとしている。また、「母の日参り」も着実に消費者に浸透してきたようで、15日月中の仏花需要もふまえて、菊類のセリの流れも良い。専門店では、母の日当日までギフト需要を受け付けている。しかし、配達となると、本年で言えば、10日(水)までで配達を締め切るか、12日(金)まで伸ばすかだろう。一方、店頭で買って母のいる実家に花を持って行くのであれば、14日当日でも間に合う。このように、カタログやインターネットの花ギフトは早い時期から活動しているが、専門店は間際までギフトを受けつけている。ここ数年、この専門店が花ギフトのお買い場として再認識、注目されている。

 ここで問題にしたいのが、地方の専門店の数が少なくなって、困っていることである。直近では、この母の日だ。母の日ギフトに対応出来る専門店をもっと増やす必要がある。そして、「フラワービズ・生産性が上がります、オフィスに花を」、「フラワーフライデー・家庭が和やかになります、お子様が良い子に育ちます、家庭に花を」。このような、素材としてだけでなく花文化そのものを一番届けて欲しい専門店の数が、これ以上少なくなってはいけない。

 街を見ると、調剤薬局やデイケアの店舗は頑張っている。美容室は店舗の多さから、閉店する店も多い。ネイルに代わってどうにかやっている店も青息吐息だ。一方、花屋さんはどうだろう。友人からよく、「自分が通勤する時間帯に花屋が営業していない」、「周りに花屋が無い」といった声を聞く。そういえば、専門店が生協の配達システムの様に定期的に花を配達するサービスがあるが、これはよく売れているそうだ。しかし、こういったサービスだけでなく、どうにか、商店街や駅ナカ、駅周辺、あるいは、量販店のテナントとして、専門店が街にあって欲しい。

 母の日でつくづく思う事は、業界をあげて、花屋さんがある商店街、あるいは、ショッピングモールを育て、そこでお買い物をしてもらいたいということだ。母の日では、コンビニはじめ、大手通販会社も花を、また、花との取り合わせで自社の商品を売ることで、結果的に花き業界のパイは広がった。本当に有難いことである。しかし昨年から、母の日に花を贈ることがブームと言うよりも、皆が歳をとったせいか、お母さんに感謝をする大切な“行事”として、母の日が捉えられるようになってきた。プレゼントでは、切花も鉢物もカーネーションが主役であったが、アジサイやバラも多くなってきた。母の日が進化するにつけ、プレゼントの花を、プロの花屋さんがカタログギフトや百貨店、ネット販売にも責任を持って関わり、プロの目で商品を提案してもらいたい。そして、地元の花屋さんで買って貰えたら、その人にとってお母さんに花をプレゼントした行為そのものが、一生の思い出になる。貰って嬉しい。贈って嬉しい。Say it with flowers.こうやって幸せを売る花屋さんの存在を消費者に認めてもらいたい。我々業界人は、この花屋さんへの応援を一義とすることが、業界の発展に繋がるということを理解してもらいたい。

 母の日はいよいよ今週だ。種苗から中間流通のサプライチェーン参加者は、小売店を応援してもらいたい。
 


投稿者 磯村信夫 : 12:03