社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2018年02月19日

時に流されない


 机の上に、読みたい本が五冊も溜まっている。そして、ちっとも進まない。この週末は、東京ドームで開催されている「世界らん展日本大賞2018」へ、また、コレド室町で開催中の「FLOWERS by NAKED 2018 輪舞曲」へ足を運んだ。残りの空いた時間は、平昌オリンピックに釘付だ。

 ウィンタースポーツは、一つ間違えると怪我をしてしまうし、ほんのちょっとしたミスで、名アスリートと言われる方々が次々と散っていく。メダリストたちの、我々のレベルとあまりにも違い過ぎるその姿は、まさに「神業」だ。私もスキーをするので、昨日のマルセル・ヒルシャーの二つ目の金メダルには驚きを隠せない。

 特にスピード競技では、低い重心、抜群の体幹に加え、肉体だけでなく、精神も整っていないと、あのパフォーマンスはありえない。あまりにも自分とかけ離れているので、理想とするが、手本とする訳にはいかない。少しでも名選手たちの努力を真似られるようにするだけだ。しかし、私生活においても、仕事においても、レイジーな自分を叱咤させてくれ、「やらなければ」という気持ちにさせてくれている。

 花き消費の新しいパイを作りだそうと努力している、(一社)花の国日本協議会の会長、㈱パーク・コーポレーション(青山フラワーマーケット)の井上社長は、「今年は新しいことをやろう」と呼びかけている。以前、「どのようなスケジュール管理を行っているか?」と各店舗へ問いかけたところ、手帳や携帯でスケジュール管理を行っていない社員が多数いることが分かった。スケジュールを管理しなくて良いということは、毎回同じ仕事をしてしまっているということだ。スケジュール管理を行い、決まりきったことでなく、新しいことに挑戦していくのが、今期の青山フラワーマーケットの命題だとお話しされていた。私も今冬、御殿場で開催している大田花きの社内研修(大田花きには、経営理念と、大田花き社員としてやらなければならないこと等が記載された、大田花きの“バイブル”とも言える小冊子があり、それを学ぶ研修を行っている)にて聞いてみたところ、手帳を持たないで仕事をしている若い人が多いのに大変驚いた。理想に向けて自分を変えていかず、作っていかず、毎回の繰り返しで何気なく生活をしているということだ。

 私たちの中で平等な資源は「時間」しかない。自分の持っている能力を、どのような形で出して、結果を積み上げていけるか。これしかないのだ。その為には、オリンピックに出場出来るようなアスリートでなくても、時間管理をきちんと行うことだ。日本の「花と緑の文化」は世界一と評価されている。従って、それを支える花き産業は、世界一でなければならない筈だ。私たちは花き産業ではプロである筈で、少なくてもその分野で、世界一になろうと思わなければならない。その第一歩が、目標に向けて時間管理を行い、努力を積み重ねることだ。マンネリ化しない。一度しかない人生を漫然と送らない。そのことを、今年に入ってから強く、自戒を含めて感じている。


投稿者 磯村信夫 16:20