社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2017年11月27日

天気予報で傘を持って行くように、変化に備える


 25日(金)、猪苗代で産地反省会に出席した。同じ会に当社の担当社員も出席しているのに、なぜ、社長として出席したかというと、もちろん、お世話になっている産地であるからだが、農業改革や産業革命4.0が起こっている現在、おおよその方向性が見えて来たので、そのことを伝えたかったのである。

 まず一つは、AIやIOTに代表されるように、仕事そのもののやり方が変わってきたこと、そして、それによって、生活者の格差は広がり、花を買って貰うには、物日中心の考えだけではジリ貧になってしまうということだ。農業改革、卸売市場改革の真っ只中だが、縦長の日本列島にあって、作るに天候、売るに天候の生鮮農産物においては、「受託拒否の禁止」、「差別的取扱いの禁止」を守る卸売市場の存在は欠かせない。これからの社会インフラである卸売市場への出荷は、まず、地域文化を共有する地域の拠点市場を取組み先として優先しつつ、大消費地の拠点市場との二方面に取り組むと良い。次に品目についてだが、猪苗代の新品目であるトルコギキョウは、今後ともますますシェアを伸ばしていく。洋風・和風どちらにも、品種によって使い分けることが出来る。どんなシーンに、どの年代層に使って貰うかを、品種と出荷シーンを選んで増産すると良い。同様に、カラーであれば、イギリスのニュージーランド種から、“良いモノ安く”の、メーカーの基本に徹したオランダ種が中心だから、用途別の品種を選定し、それを安定出荷させ、結婚式や家庭用等、需要に合わせた品種に変化させると良い。このように、競争力はマーケティング力である。以上をお話しした。

 昨日は、一日中富士山を眺めながら、御殿場でゴルフをしてきた。仲間との話題は、EUとEPAの大筋合意が出来たので、もっぱらそのことに関するものが大半だった。そういえば、私も大好きなブルゴーニュのピノ・ノワールを、セールで安く買ったなと思っていたら、関税が無くなるわけだから、実は、各社在庫を処分している最中だったのだ。たまたま私は、良く知るワイナリーのモノを安く買ってお買い得だと満足した。しかし、何も知らずに買ったのでは、在庫処分でごまかされるかもしれない。

 法案の改正や様々な変化。それがどのような影響を社会に及ぼすか。ワインの分野においても、ヨーロッパからの良いワインが安くなるので、メディアでは、国産ワインの特集をしたり、負けないよう応援する記事が目立つ。変化する社会において「何故なのか」を考え、予測に基づいて行動する意義は、日々の生活の中でとても大切だと思った次第である。

 


投稿者 磯村信夫 : 15:19