社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2019年02月11日

団塊ジュニアが日本を国際人とする


 中央アルプスで中高年の滑落事故があった。冬山をやるぐらいだから、まだまだ元気なアクティブシニアが多いのだが、チャレンジは良いが注意して自然を楽しみたい。学校時代の友人たちと話をしていると、今はリタイアしているが、頼まれて週3回の仕事やボランティア活動をしている人が多い。また、この年代の男性諸氏で海外勤務の経験のある人たちは、バレンタインに男性が女性へ花贈りすることが当たり前で、日本もそういう習慣がでてきたので、喜んでいる。ヨーロッパ、アメリカでも特に広まったのは1995年以降のことだ。1980年代は、イギリス、アメリカ東部を中心にフラワーバレンタインが展開されていた。この時期、日本やドイツからの輸出攻勢で、自動車、弱電機器などが、負け戦となり景気は後退しつつあった。社会全体が重苦しいムードだったが、男性から女性へ花を贈ろうとする人たちが多くなった。

 日本は、1991年からの失われた20年30年でドラスティックな変化はいずれも、台湾、韓国、中国やアメリカ、EUから来たが、日本国内ではバブル経済の80年代に人気だった商品や風習などをより深める形で、ここ20年進化してきた。しかし、リーマンショック後の2010年代、社会を運営していく主体が団塊の世代から団塊ジュニアの世代にしっかり変わったところで、日本国内では、あらゆるものが変化した。世界中に中産階級の人たちが圧倒的に多くなってきて、インバウンド需要も見込めるようになった。グローバリゼーションとローカライゼーション、そして国内においては人手不足と女性や高齢者の活躍、また、AI化やロボット化やIoT化などこれらを使いもっと生活を豊かに、社会を良くしようとしている。

 先週から今週にかけての花の需要だが、中華圏の旧正月需要が終わったので、輸出、日本国内ともにバレンタインに向けての集荷販売が卸売市場にとって大切な仕事になっている。バラは先週から高くなり相場がでてきて、ラナンキュラス、チューリップも上がってきている。去年のクリスマス、中国政府は、宗教に絡むものとして、クリスマス行事やクリスマスセールなどを都市によって禁じたところもあった。しかし、バレンタインは、キリスト教行事と認定しておらず、今までどおり、人民の生活文化として黙認するようである。日本は、都市部を中心に盛り上がり、先にも記したとおり、海外勤務の経験のあるおじさん達も、70歳代60歳代でも、男性から女性へ花を贈ろうとする格好良さがでてきた。もちろん団塊ジュニアがその主体であることは変わりないが、それよりも若い30代20代の層も店頭で見かける。世界で一番花を贈る日バレンタインデーが、まさに日本でも定着しようとしている。
 
 
 
 
投稿者 磯村信夫 16:38