社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2023年04月10日

今後、花の輸出入で心掛けていくこと。


 昨日9日は、イースターだった。輸出をしている仲卸をみていて、先週、アメリカ向けやら韓国向けの輸出が多かったのは、イースターのためである。韓国はキリスト教徒が4割いるので、宗教感は日本と大違い。宗教感だけでなく、価値観や達成すべき優先順位にしても、日本でもこれだけ考え方に幅があるから、よく知ったつもりでいる隣国でも考え方や価値観は違う。共通の価値観、民主主義で、アメリカ中国のデカップリングが明確になり、現韓国大統領は右派で日本と近い関係にあり、日本もそれを多いに受け入れ、今までの問題を前進させようとしている。文化の交流もますます盛んになってきたので、イースター以外でも日本からの花の輸出が増えているということだ。韓国では来年、統一地方選挙が行われ、右派の大統領に対し、左派の国会議員が圧倒的に多い現状を、覆そうと大統領は考えているのだろう。来年は、反日を利用されないようにしながら、右派が絶対多数を取っていくつもりで、今年度、日本との関係改善を集中して取り組んでいく方針とみている。 金額はまだ小さいが、そうなると、花の輸出や韓国花き業界との交流は、特に今年から再スタートの形で、交流を深めていくチャンスだ。

 海外のことを言ったのも、日本は、経済で世界第三位の大国であるのに、あまりにも内向きな話題が多すぎる。インバウンドも内向きのことで、国内の話だ。今後は、G20だけでなく、その後ろから追いかけてくる途上国との付き合いを多くしていかなくてはならない。政治的にもだが、経済的にも特に必要になる。そのとき日本は、アメリカvs.ソ連の冷戦時代の構造で国が経済成長してきたから、その経験をもとに、海外との政治経済的な付き合いをしてしまいそうになる。 中国との難しい付き合い方もそうだが、独立戦争を一緒に戦ったあるいは、お手伝いをしたインドやインドネシアでさえも、かつての冷戦時代のような分け方で、日本と外交し貿易するわけではない。ここを頭にいれながら、お互いの価値観を広い枠内で認め、花の輸入や輸出を、切花・盆栽などの根つきものだけでなく、肥料から、関連資材まで交易をしていく必要がある。

 日本は先進国だが、それぞれの国のさらなる発展と、その国民の物心ともの豊さをお手伝いし、日本の花き産業は、その国を発展させていく必要がある。G20の代表国インドに代表されるように、世界は、コロナ後新しい枠組みとなっている。      




投稿者 磯村信夫  15:39