社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2024年05月06日

これから続く人手不足をどう補うか


 この連休中、花き業界は母の日に向けて忙しい日々を送っている。農家の方々も田植え等の農作業で、連休を忙しく過ごしていらっしゃることと思う。私も、関係会社の数社で決算資料が出来上がり、株主総会に向けての日程調整や総会での質疑応答、また、総会後の取締役会での議題等を検討している。

 4日(土)、関係する会社へ監査及び総会の段取り等に訪問した。帰りの車の中で、税理士先生と関係会社の経営課題や人事について、また人員確保、そして取締役の退職慰労金等について話し合った。取引先も含めてコロナのゼロゼロ融資返済をしており、経営について難題が多い。かなり突っ込んだ話し合いになったが、先生との話し合いで経営の立て直しの結論を得て、経営上の課題解決がスッキリした。

 物流2024年問題では、自動運転は欠かせない技術だ。私はつい最近、SUBARUの半自動運転アイサイトを搭載した車に変えた。その車は車線維持や全車速追従機能等もついている。2030年、団塊世代が75歳以上になる。そして2040年には、団塊世代に続く方々も75歳以上が多くなり、亡くなる方が増えていく。その結果、人口減で労働力がますます足りなくなっていく。半自動運転の車の話をしたが、まさに今後、あらゆるところで機械化、自動化をしていかなければならない。そしてその一方で、働き手の確保も急務だ。日本で、女性が(パート・アルバイトも含めて)働いている比率は約7割強。女性の社会進出の改革は今後も進んでいくと思われる。次に年配の方だ。定年を迎えた後も、小さな仕事でもいいから続けてやってもらうことが、労働力不足の日本において必要だ。最後に、リクルートワークス研究所が「ワーキッシュアクト」と名付けたそうだが、本業以外の仕事が、労働力不足を補う重要なファクターとなる。分かりやすいのはボランティアだ。必要とされるところに助けに行く。機械化・自動化を含めてこの4つが、人手不足の中でとても大切なことだと言われている。

 この4つ以外に、さらに地産地消の概念もこれから大切な要素になる。非暴力を訴えたマハトマ・ガンジーは、他にも「隣人の原理」を説いた。近くにいる人との支え合いを重視し、出来るだけ地元で生産・消費し経済を回す。そこから始めようということだ。人手不足の課題解決、そしてQOL(Quality of life=クオリティ オブ ライフ)の維持、地域文化の維持のためには、先述した4つの方針以外に、各地域で地産地消を奨励したり、会社や工場が地域に設立されたりしながら、ドイツのように100万都市を作らないような街づくりを進めたり、デンマークのように社会主義と資本主義を混ぜて、税金は高いが子育てや教育、そして老後も困らないようにし、経済を成長させる等、こういった国づくりをどう目指すべきか、方向づける必要があるのではないだろうか。


 投稿者 磯村信夫 14:56