産地ウンチク探検隊 生産者が語る花に対する熱き思いをご紹介します。

2021年08月30日

vol.134 クラシック×マーギンパー様:アフリカのサマーフラワー


今回は人類誕生の地、初めてのアフリカ!

ケニアなどに生産拠点を置くオランダの企業マーギンパー(Marginpar)様に行ってまいりました~!

・・・ではなく、オンライン取材を敢行いたしました!取材をコーディネートしてくださったのは、マーギンパー様と国内マーケットでは独占契約を結ぶ国内最大の花き輸入商社クラシック様。
マーギンパー様はオランダに本社を置く会社ですが、ケニア、エチオピア、タンザニア、ジンバブエで17もの超巨大農園で草花を生産出荷されているグローバルな花き生産企業です。
マーギンパー様の自社農場と提携農場は本拠地ケニアと、アフリカ大陸4か国にまたがります↓
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う~ん、アフリカ大陸の地図がうんちく探検隊に載るなんて、うんちく探検隊の17年の有史以来、初めてのことだ~!

アフリカと言えばなんとなくぼんやりとイメージはバラ・・・しかし、マーギンパー様ではバラは生産しておらず、草花を中心に20-30品目を生産。アフリカの草花って例えば何?
とアフリカで花生産ということも、さらには草花生産ということも想像すらできないかもしれませんが、このウンチクをご覧になったみなさまは、今日を境にそのイメージが一新することでしょう!

■マーギンパー様基本情報■
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主な生産品目
エリンジウム・ソリダコ(日本には現在出荷はありません)・アストランティア・ヒペリカム ・クレマチスなど20-30品目
通称「サマーフラワー」と呼ばれる草花類

生産地
ケニア、エチオピア、タンザニアに自社農場、ジンバブエなどに提携農場、アフリカ大陸で合計4か国にまたがる17の農場にて生産

ケニアの生産圃場の航空写真↓
Nanyuki air photo

生産面積
合計約400ha (cf.日本国内のバラ総生産面積約250ha)

従業員数
自社農場で合計約4,000人(提携農場を入れると5,000人)

標高
農場によって1,600-2,700メートル

出荷本数
年間約3億本(日本国内のバラ出荷本数約2.5億本)

特徴
草花を中心としたほかの農場にはないユニークな商品構成、サマーフラワー生産企業としては世界最大!

URL https://www.marginpar.com/


う~ん、ちょいとお待ちください。冒頭からすでに疑問浮上。
サマーフラワーって??「(゚ペ)あっ?えッ?? 実はあまり聞いたことないな・・・「夏の花」ってことですか?

教えてくださったのは、この度の取材コーディネーター、クラシックの難波さん。

(リモート取材中のショット!)
NM10

ウン探へのご出演は2012年以来、実に10年ぶり!?
「サマーフラワーという言葉は、日本の流通の中ではなかなか馴染みのない言葉ですが、キク、バラ、カーネーション、ユリ、トルコギキョウなどの大品目を“除く”、草花生産物のことをサマーフラワーと総称しているようです。
eryngium sirius field 1

Marginpar Tanzania clematis amazing star river 2

特にここからここまでというサマーフラワーという確固とした定義はないみたいですよ。季節限定の花を指すわけでもないのですが、彼らがそう呼ぶので私たちもそう呼んでいます」

なるほど~!サマーフラワー(Summer Flower)とは夏の花でもなく、ましてやファーストサマーナントカっていうかわいいタレントちゃんとも関係ないのですね(❛ᴗ˂ )⌒♡.。
つまり、サマーフラワーとは、草花系を中心に「様(さま~)になるフラワー」ということでご理解いただければと思います。わかりやすいでしょう!!

難波さん「具体的には、彼らからの出荷物として、エリンジウム、ヒペリカム、クレマチス、ソリダコ、スカビオサ、カンパニュラ、ブプレリウムなど。ヒペリカムは枝物だけど“様~になる”からサマーフラワーとしているんだよ。そのほか私たちが見たこともないような珍しい草花系植物などもあるよ」

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Marginpar Kenya - astrantia billion star 1

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そういわれますと確かに様~になる草花を中心とした商品と伝わるような気がしませんか?
しますよね??(≧▽≦)!!
ここはひとつ、「伝わる!」ということで先に進みます。 

マーギンパー様では、そのようなサマーフラワーを年間合計で2億6千万本ほど生産・出荷しています。生産国はアフリカ大陸のケニア、エチオピア、タンザニア、ジンバブエの4か国にまたがり、自社農場と提携農場とで合計17農場に及びます。


★マーギンパー社長のキキさん
取材にお答えいただいたのは、マーギンパーの社長、ケニア生まれの英国人リチャード・フェルナンデスさん。 
Richard Fernandes CEO Marginpar Group2
通称キキ(Kiki)さん日本にも何度もいらしたことがあります。
キキさん、それにしてもなぜ、草花系に目をつけられたのですか? なんだかバラやカーネーションを作るよりも、う~ん、何と言いますか、ちょっと意外というか、これまたリスクもハードルも高そうな印象ですが。草花は地産地消のイメージが強くあり、国際商品になりにくいといいますか・・・。

「私は90年代に野菜を作って英国に出荷していたんだよ。でも徐々に過当競争で利益が出なくなってしまった。バラは需要が大きいことはわかる。だけど他社と競合しないことをコンセプトに生産品目を選ぶこと、そして何かもっと価格競争に巻き込まれない人が作らないものを探していたんだ。 

Something different(なにか人と違うもの) 
Something unique(なにかとてもユニークなもの) 
Something in scale(何か大量生産できるもの) 
Something special(何か特別なもの) 


この4つの観点から探していてね。そしてもちろんアフリカで生産できるものという条件は付くんだけど、そんな時に従兄弟の結婚式でジンバブエに行ったら、今の副社長とそのお父さんに出会ってね。
今の副社長の農園ではサマーフラワーを生産していたんだ。その農園と、もともとマーケティング会社だったマーギンパー様とで組んでオランダに販売できるものということで、サマーフラワーの生産に力を入れて拡大したというわけなんだ。」   

うぉ~、なるほど、従兄弟の結婚式で今の副社長と出会って、草花を生産するようになったというわけですね。結婚式が結び付けたビジネスのご縁。赤い糸を感じますな~。
でもキキさん、2002年ころの、日本でも大輪ブーム到来の予兆があったときに、世界でも大品目が注目されていたと思います。草花を作るのって勇気あるご決断だったと思うのですが。   

「世界の花き生産で大品目に集約されるのは、絶対に反対なんだ。花束はアートでしょ。いろんな品目があった方がよいアートが完成するのは必然でしょう」 
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なるほど、これが一つキキさんの哲学といえるかもしれませんね。 

★キキさん、もう一つ大きな疑問があります。なぜ広大なアフリカ大陸で4か国もまたいで生産されるのですか?? 
物流とかそれだけコストかかりそうだし、キキさんが日常的にあちこち見て回るのすら大変そうじゃないですか? 

みなさん、どうぞ冷静にお考えください(笑)
エチオピアの首都アディスアベバからケニアの首都ナイロビまでは直線距離で約1,200km、タンザニア最大の都市ダルエスサラームまでは600kmあり、いずれも国境はケニアに接しているとはいえ、自動車でちょっくら移動できる距離とはいえません。道路事情だって日本とは大きく異なるでしょう。さらにはナイロビからジンバブエの首都ハラレまでは直線で2,000km(!)もうなんだか日本国内をあちこち飛行機で回るのとは「0」が一つ違う距離です。
どうぞもう一度ラフなMAPをご覧くださいませ↓
mapzoom

こんなに離れていたらめっちゃくちゃ大変じゃないですか!
キキさん、こんなにあちこちに生産圃場がしかも17農場もあって、管理やマネジメントが大変ではありませんか? 

キキさん「生産をいくつかの国に分けて、農場も自社農場と提携と複数にわけて生産しているのは意味があるんだ。例えば、同じアフリカ大陸であってもタンザニアとケニアでは標高が1000メートル以上違う。タンザニアの農場の標高が1300メートルくらいでエチオピアが2700メートル、ケニアがその間くらい。 これだけ標高が違えば気候条件も違うよね。標高や生産環境を分散させることで、その標高にあった幅広い品目生産することができる」

elevation

「また同じ標高の中でも農場を分けておくことで、災害などによる損失を最小限に抑えて、出荷先に迷惑がかからないようにしているんだ。
例えば、雨が多くてA農場では出荷ができなかったとしても、B農場は大丈夫だったということはよくあること。
物流のリスクの分散にもなる。例えばエチオピアからの花を空輸する場合、成田への直行便はコロナ前は週5便あったのに、今は一時的に週3便に減便されている。こうやってエアラインによって状況も変わるから、生産国を散らして、また物流のネットワークも世界各地に持つということが重要なんだよ。
それから政治的なリスクも分散できることも大きい。政治が不安定になって、出荷ができなくなることも想定しておく必要もあるんだよ。」

生産の適正とリスクの分散の点からあえて生産場所を分けているのですね。

●気候条件に合った幅広い品目の展開
elevationmap

●リスクの分散
・生産(天候不順によるリスク、政治不安によるリスク)
・物流(エアラインの稼働状況によるリスク)

標高と地域を分散させることで、長所を伸ばしつつも、リスクは分散!プラス要素をさらにプラスに、マイナス要素を限りなく減らしていくことができるんですね。
出荷先は主にオランダ。オランダを経由して北米、カナダ、中国などに出荷されています。日本には独占的契約を結んでいるクラシックさんを経由して出荷されています。

アフリカでも最大級の生産農場で、おそらくサマーフラワーという分野においても花き生産という大きなくくりにおいても、最大級といっていいのではないかと思います。 マーギンパー様の生産の歴史は、キキさんが社長として就任した2002年が今の会社の原点とすると、約20年。2003年からクラシック様との取引を開始しました。

★生産現場拝見!
さて、ここで生産現場について伺ってみました。マーギンパー様の特徴は、日本のトヨタ流カイゼン方式を経営に取り入れていること。
astrantia ethiopie

eryngium magnetar field 1

キキさん、カイゼン方式にどこで出合ったのでしょうか。 

すでにここまで取材させていただいた時点で、とてもキキさんは勤勉で勉強家の印象を受けましたので、いろいろなところでトヨタのカイゼン方式に出合う機会があったかもしれませんが・・・
「ケニアの友人AさんがUngaという大きい製粉会社を経営していてね。そのAさんにカイゼンを紹介してもらってから、おもしろそうだなーと興味を持ったんだ。」

調べてみますと、Ungaという製粉会社、途方もなく大きい会社や~ん *゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)エエェ
しかも創業 1908年ですよ!今年で113年を迎える老舗企業です。こんなに古くからの会社で繁栄していると伺えば、経営の秘密を聞いて、じゃあやってみようとなるものかもしれません。

ちなみに小麦粉のことは英語でflour、花はflower。スペルは若干異なりますが、発音は両方同じでカナカナであえて表記すると「フラワー」ですね。実はこの2つの単語の語源、同じなんです。Flourという単語はflowerから生まれたと言われます。ご興味のある方はこちらをご覧ください。
food_flour hanaya

そう考えると、言葉のみならずアフリカでflourとflowerの企業が繋がっていると思うと、これまた面白いものですね。

話を戻しますと、その製粉会社のお友達Aさんに教えてもらって、トヨタ流カイゼン方式を推進するコンサルティング会社にコンタクトを取って、自分の経営でもカイゼン方式を取り入れ始めたといいます。何か経営していて大きく変わったことはありますか?
「う~ん、そうだな~、すごくいっぱいある (*゚∀゚)*
kk9

すごくいっぱいあるんだけど、例えば初期の段階ですぐに効果が出たのは、在庫の圧縮ということかな。生産や物流に必要な肥料や資材などの在庫が60日分あったのが1週間分になった」   

在庫が圧縮できるってすごいことですね。しかも60日分が7日くらいになっちゃったって!
在庫が減るということは、棚卸作業も減りますし、利益増にもつながり、ROA(総資産利益率)も上がります。つまりは収益性が高まるということですから、経営上とても大切なことですよね。

では、英語でimprovementといったときと、日本語であえて「カイゼン」といったときは、社内の意識や捉え方が異なりますか? 
カイゼンはimprovementを継続して、繰り返し行うこと。  そしてチーム全体でimprovementを行っていくということが大きな違い。 
また業務の部分ではなくて、各工程、全工程において組織的にimprovementを取り入れていくことがカイゼンなんだ
」   
kk8
社内に掲示してあるカイゼンnotice board↓
中央に「MUDA(ムダ)」表記、その上にスラッシュが入り、「無駄をなくそう」と呼びかけています。
kaizenmuda

improvementはスポット的に業務を改善していくイメージ。それを組織と時間とで立体的に取り組んでいくことがカイゼンなんですね。

「なによりカイゼンによる人の成長が大きいんだよ」

カイゼンによる人の成長??  (。´・ω・)ん?
We grow our people, our people grow flowers.
社内に掲示してある標語↓
peoplegrowflowers

人が育てば花も育つ。人を育てなければ、良い花を育てることはできない。


これがわたしたちのモットーだよ。
Marginpar Kenya

スタッフが成長すれば、良い花を作れるようになる。私たちはあえて経験のない人を採用して、先入観や前例に縛られず、マーギンパー流のやり方で仕事をしてもらえるようしているんだ」

あえて未経験者を採用して、先入観のないまっさらな状態からマーギンパー流を会得してもらうのですね。
Marginpar Kenya - hypericum 3

Marginpar Eryngium sirius questar harvest

マーギンパー様の自社従業員は約4,000人、提携農場を入れると雇用は合計で約5,000人にも上ります。

「うちでは従業員さんたちをworkerやlabourなどと呼ばずに、value adderと呼んでいるんだ
Value adder・・・つまり「価値を付ける人」。 
どうしてこのように呼ばれるのですか (*・ω・*)ン?

「そのままなんだけど、彼らは労働者ではなく、生産物、出荷物に価値をつけてくれる人たちだからね。収穫して、梱包して、選別して、出荷してくれる。私がやるわけじゃない。彼らがやってくれるんだ。だからpeople of Gemba(現場)の人たちにリスペクトを込めてvalue adderと呼んでいるんだよ。

なるほど~。 夢の国ディズニーランドの従業員をスタッフなどと呼ばずに出演者の意味のキャストと呼ぶのに似ていますね。 いやちょっと違うかな? (・_・)..ン?

こちらをご覧ください。圃場内にある看板。なんと書いてあるか見えますか?
dontworkhard

Don’t work hard.ですよ、コレ。
「一生懸命働くな」てコレ。えー、どうしろってこと??こんな看板を立てている会社、見たことありません!んじゃあどうしたらいいかって、続きがあって、
Work intelligent!

ここまで聞けば納得ですね。がむしゃらに、あるいは盲目的に仕事をするのではなく、頭を使って効率的に仕事を進めていきましょうということですね。そんなふうに従業員さんの幸せと会社の効率と両立できるよう考えて立てられた看板なのですね。

だからこそ、こちらのvalue addersの皆様の笑顔です☆↓

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前回のエクアドルのフローレキッサさんの時もそうでしたが、経営者の皆さんが従業員さんを尊重して、大切にされるところが両企業に共通していますね。  


★SDGs、サステイナビリティへの取り組み
マーギンパー様はグローバルカンパニーですから、SDGsの点からも様々なアプローチをしています。
ESG(Environmental Social Governance)部署を設置して組織的に取り組んでいるよ。政府から要請がある前にガイドラインに従って自ら積極的に取り組んでいるんだ。 例えば、出荷できなかった規格外品や数量的な端数があるよね。私たちはleft overと呼んでいるんだけど、そのleft overをオランダの市場で販売して、マーギンパー財団に少しずつプールしていくんだ。その基金をもって、生産農場近隣の社会福祉に生かすんだよ。 学校を作るとか、道路を整備するとか、水道設備を整備したりとかね。最近ではこのファンデーションに参加希望のパートナーも現れて、活動は徐々に拡大しているんだ。」
Marginpar Ethiopia - marginpar foundation - ESG

Marginpar Ethiopia - SEG - making water

生産用のコンポストも自社で作ります。
Marginpar ESG making own compost

そのほか、マーギンパー様は太陽光エネルギーを活用したり、
Marginpar Kenya - solar panels 1

MPSなど環境に配慮しつつ持続可能な生産活動を行う企業に与えられる認証を取得され、SDGsを起点とした取り組みを行っています。

キキさん曰く、「人の存在価値を認め合って、世の中のためになるような形で人や仲間をリスペクトして進めるっていいよね。これは私の考えだけど、資本主義の中で株主の利益追求だけでなく、社員のため、地域のためと思って会社を経営することが大事。利益追求だけの資本主義を求めているわけでもない。社員と地域の人々に幸せになってもらうからこそ、会社を経営している意味があるってものだと私は思っているんだよ」

Marginpar Kenya - propagation 2

キキさんのこのようなお考えが源流にあって、今のような会社の繁栄があるのですね。


★日本のパートナーとの関係構築
キキさん、クラシック様は日本への唯一の窓口ですが、マーギンパー様にとってどのような存在ですか?
「当社のポリシーのひとつに“ブリーダーや出荷先と戦略的にパートナーシップを組んで、お互いの利益になるようビジネスを継続的に行っていく”というものがあるんだ。クラシックさんはそれに則ってビジネスを構築するかけがえのない、そして素晴らしいパートナーだよ」
Marginpar Kenya Kiki 1

難波さん、クラシック様にとってマーギンパー様はどんな存在ですか?
「私たちにとっても長年にわたる戦略的パートナーとして大変重要なサプライヤーです。彼らは世界的に見ても切り花生産者としてはトップクラスの規模を持つ企業ですが、コロナ禍以前は少なくともアフリカ、オランダ、日本にて年3回は両社の役員、担当者が現場で情報交換をしながら顔の見える関係を作ってきました。
常にユニークで安定した品質の商品を計画的に生産していく彼らの姿勢を私たちもリスペクトしています。また、最近は弊社から日本市場での人気品目の試作を依頼する機会も徐々に増えています。そんな依頼に対しても、まずはチャレンジしてみようという姿勢で臨んでくれています」
NM10

キキさん、5-6回来日されているということでしたが、日本はキキさんの目にどのように映りましたか?
「とても印象的な国だね~。景色もきれいだし、交通や移動システムを含め社会のインフラがとても効率的に整えられているね。素晴らしい国だと思ったよ」 

うんちく探検隊がインフラを整えたわけではありませんが、自国をほめていただくのはうれしいことですね。  ここでやはり「最も印象的なところはインフラだ」とおっしゃるところが、企業の経営者さんという感じがします。


★キキさんより日本のみなさまへメッセージ
現在2.6億本を生産出荷しています。今年は3億本目標、5年後には3.6億本の出荷を目標としています。
これから、日本とアフリカの関係がさらに良くなり、日本のみなさんにアフリカの花を買ってもらえると嬉しいです。アフリカで花き生産は一大産業なので、現地の多くの人の生活を支援をすることになります。
ケニアほか、アフリカで生産された花をご利用いただくこと自体がSDGsに繋がるんです。そういう視点からぜひ私たちの花を見つめてほしいと思います。これからもれからも新しいユニークな花を出荷しますので、ぜひ私たちの花きにご注目ください」
Richard Fernandes

インタビューさせていただきましたウン探の勝手な印象としては、キキさんはとても真摯で、紳士的で、勤勉で誠実なお方。人を大事にし、従業員ファーストでの企業様でした。クールな論理的思考と人を尊重するウォームハートの両方をお持ちで、とても経営者然としたお方でいらっしゃるということが、遠くケニアとのリモートインタビューで日本まで伝わってきましたよ。

ちなみにキキさんはケニアフラワーカウンシル(ケニア花き振興協会)の会長さんもお勤めでいらっしゃいます。アフリカの花き生産推進協会で、アフリカの花のプロモーションを行っています。 自社農園ばかりではなく、アフリカの花き生産全体の底上げを図るために協会のお仕事にも従事されているのですね。

ホームページを拝見しますと・・・

あ、ほんとだ。キキさん、いらした!
クレマチスを手にされて、素敵なお写真ですね。

さらにはもう一つ、キキさんはフローラホランド生産組合の理事もされています。

なるほど、キキさんは世界の花き生産と取引を牽引するキーパーソンであった~!
さらにさらに!キキさんは自家用セスナ機をお持ちなんです!
はい、こちら↓
Cessna
ご自身のセスナの前で写真を撮るキキさん(左)。真ん中はクラシックでバラをご担当されている松原さん。
「4か国にまたがった圃場を巡回するときは自社セスナで移動するんだよ」

Ohhh!(*○*)!!
ケニア国内の同社の各農園には滑走路があり、国内移動では頻繁に自分で操縦して出かけていらっしゃるのだそうです。なるほど、広大なケニア国内ですから、道路を行くより効率良く圃場を回れますね。
キキさんの経営者としての視座の高さ、勤勉さ、誠実さを垣間見ることができました。

こんなふうに世界でも成長を遂げる随一の草花生産企業とパートナーシップを組んで、クラシックさまが日本にサマーフラワーを輸入してくださるので、代表選手のエリンジウムやアストランチアはこんなに流通量を増やしているんです。(植物防疫所、10年間の推移)

★エリンジウム輸入量
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2018年を直近のピークとすると、2011年の5倍近くに!(490%)点線は回帰直線。

★アストランチア 出荷量ここ10年で増えたグラフ(輸入と国産別)
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2020年はコロナの影響もあり、少し減少していますが、2019年は2011年の4倍近く(380%)に増えています。点線は回帰直線。

植物防疫所の数字のすべてがマーギンパー様のご出荷物ではありませんが、増加はマーギンパー様からのご出荷が増えたところが大きいといえるでしょう。

【格言】
☆ 花き生産ゲンバにはトヨタ流カイゼンを取り入れよ。
組織で継続的にimprovementを行っていくことがカイゼンなり。

☆ 他社との競合を回避し、価格競争に巻き込まれるべからず。サマーフラワーで世界一の生産企業となるべし。

 ※「サマーフラワー」とは、「ファーストサマーウイカ」ちゃんとちゃうで~。間違えんといて!

☆ 花束はアート。より素晴らしいアートを制作してもらうために、品目豊かな素材を生産すべし。これキキさんの哲学なり。

☆ アフリカ大陸の中でも国をまたぎ、標高差のある生産地を確保せよ!
気象、物流、政治的なリスクを回避するとともに、それぞれの標高に適ったバラエティ豊かなサマーフラワーを生産すべし!

マーギンパー様のサマーフラワーを輸入されるクラシックさま
URL https://www.classicjapan.co.jp/
Facebook https://www.facebook.com/cj9649/
Instagram https://www.instagram.com/classic.japan_1977/


<おまけ>
最後にキキさんにどうしてもお伺いしたかったことがありました。
なぜ「Kikiさん」と呼ばれているのですか? まさか魔女の宅急便が好きすぎて?なんてことはないと思いますが・・・あのキキちゃんもホウキで空飛ぶし、キキさんも飛行機で空飛ぶし・・・?

「私の本当の名前はリチャードっていうんだ。
子供の頃、母が『ジャングルブック』(ラドヤード・キップリング著)の中から「リッキ・ティッキ・タヴィ(Rikki-Tikki-Tavi)」という世界一強いマングースの短編を読んでくれてね。わたしの弟が、わたしの名前リチャードとその本のタイトルをかけて、わたしをRikki-Tikkiと言い始めて、Rikki-Tikki→Rikitiki→Kikiとなったんだよ。呼びやすい名前だと思わないかい?」
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ほんとに(*ˊᗜˋ*)♡!呼びやすいし覚えやすい☆とても良いニックネームだと思います!
そして、リモート取材終盤でやっとキキさんの笑顔に遭遇できました♪素敵な笑顔をありがとうございます!

リモート取材で初めてお会いする方から笑顔を引き出すって難しいことでしたが、キキさんには最後まで真剣にご対応いただき、また、素敵な笑顔も見せてくださいました。とても有意義な取材でした。コーディネートをしてくださったクラシック様にも心から感謝申し上げます。

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文責:ないとういくこ@大田花き花の生活研究所
きれいな写真や動画はマーギンパー様やクラシック様にご提供いただきました。
ご協力ありがとうございました。