産地ウンチク探検隊 生産者が語る花に対する熱き思いをご紹介します。

2020年10月02日

vol.132 大木伸一様:群馬県 リンドウほか


みなさま、おっひしぶりでーす! (≧▽≦)!!

およそ半年ぶりに産地ウンチク探検隊が始動しました!新型コロナの影響で、いまだこんなにガラガラの新幹線に乗ってやってきたのは・・・
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上毛高原!
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そう、おなじみ「鶴舞うの群馬県!」にやってまいりました。
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鶴の形の中でも、今回やってきたのは・・・ココ!
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群馬県吾妻郡高山村!!
上毛かるたで「天下の義人茂左衛門(てんかのぎじん、もざえもん)」と読まれた江戸時代の篤農家であり義民である杉木茂左衛門のふるさとですが、ここには茂左衛門の奥之院本堂があります。
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茂左衛門は、真田信利(NHK大河ドラマ『真田丸』の主人公真田幸村の兄・真田信之の孫にあたる)の悪政を直訴して信利を改易に追い込んだものの、最後は磔の刑に処されるという不遇の最期を迎えた人。気の毒に思った村人が茂左衛門を祀るために建立されました。子供のころは「天下の義人」の意味も、茂左衛門が誰かもわからぬまま「てんかのぎじん もざえも~ん」とひらがなの羅列をリズムで呪文のように覚えていましたが、こうして地域の歴史や人物について少し見識を深め、歴史的探訪をしながら花き生産地を訪問するというのは、なかなか乙なものでございますな。

そして、同じ地域には真田昌幸(『真田丸』で草刈正雄さんが演じた真田信繁の偉大な父)の沼田城の支城である名胡桃(なぐるみ)城址が。名胡桃城は2017年「続日本百名城」に選出されました。真田氏の家紋として有名な六文銭が描かれた旗がたなびきます。
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そのような場所でリンドウをメインにご出荷されるのが大木伸一(おおき・しんいち)さん、のり子さんご夫妻。
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大木さんは個選としてご出荷されますので、数量こそ大産地に及びませんが(及ぶ必要もないのですが💦)、そのクオリティときたら大田花きのトップクラスを誇ります❢

大田市場内の仲卸さんで大木さんファンが多く、
「大木さんのリンドウ、全部チョーダイ!」
な~んていうご注文もしばしば。
それもハズレなしの確約された品質をご提供されるからこそ。
今回は、そんな大木さんの品質はどこからやってくるのか、その秘密に迫ります!

【大木伸一さん 基本情報】
生産地:群馬県吾妻郡高山村
およその栽培面積:およそ26アール(2,600平方メートル) 
ハウスが10余棟(すべて防虫ネットハウス栽培)
※防虫ネットハウスにすることで、花の蜜を求めて飛来する蜂などの小昆虫の侵入を防ぐことができます。このことで花の劣化防止もできます。
標高:600-650メートル
生産品目:主にリンドウ、そのほかに草花
リンドウ栽培歴:14年目
労働力:大木さんと奥様ののり子さんのお二人


そもそも~、大木さんのリンドウの何が違うのでしょうか(*・∀・*)??

1:頂花ふっくら
2:規格きっちり
3:日持ちたっぷり


そのほか、
4:労働力2人だからこその選択
5:新しいお取組みを始めた大木さんのネオブランドについて

ご紹介したいと思います♪

これでもだいぶ簡潔にまとめたつもりですが、やはり長くなってしまいました~。いつもながらすみません💦
何卒最後までお付き合いくださいますようお願いいたします


ではまず、1:頂花ふっくらの理由についてアプローチしていきたいと思います。

★こちらは最近近所のスーパーで撮影したリンドウ((一例です)
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大木さんのリンドウはこんなにふっくら♪
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全然違うでしょう。もちろん品種による差もあります。しかし、大木さんのリンドウはすべての品種においてふっくらふくよかです♪
それは、土壌とどこにどの角度で畝を作るかなど、大木さんの生産過程における品質へのこだわりが実現させているのです。

● 土壌と栽培環境の秘密

大木さんのこの土地は、北関東のご多分に漏れず火山灰の関東ローム層が基本。ローム層といえば、概ね赤土の粘性土で弱酸性。
「この性質がリンドウはいいんだろうと思う。水持ちも保肥性もいい」
と大木さん。

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「とはいえ、土壌だけではなく、リンドウは蒸れや朝露が花傷みの原因になる。
またツボミができるときに日差しが強すぎるとダメになってしまうので、太陽と風の流れをよく見て土地を借りたり、畝を作ったりするんだよ。耕作放棄地を借りてたりするんだけど、砂地で水はけがよすぎる土壌はNG。リンドウはある程度保肥性、保水性が重要。
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それから地球規模で温暖化が進む中、群馬でのリンドウ生産においても、夏の日差し、夕日を遮光が課題。自然の地形を利用した圃場の確保がポイントなんだ。」
例えば?
「日差しが強すぎるようなら、遮光のために花にいろいろ被せないといけないでしょ。これがまた蒸れの原因になってしまって、品質劣化のスパイラルに陥る。あるいは西日当たるようならハウスに遮光しないといけない。最初からそのような問題が発生しづらい場所に圃場を作れば、問題は少なくなる。

例えば、夕方になると早い時間に山陰に入り西日が当たらないよう場所を選ぶということが大事なんだ。

ここを選んだのは野生のリンドウが自生していたから。大丈夫かなと思ってね。そういうこともヒントになるよね」

↓こちらの写真でいうと右側の山の端が西側に当たるので、早い時間に西日を遮ってくれるのです。
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なるほど、ふっくらリンドウは土地選びからなんですね。
それでも尚、私たち自身も体感的に気づいている通り、夏の日差しは年々強烈に。そこを遮光ネットでカバーすることでふっくらと健康的なツボミの元を作ることができるのです。

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圃場を探すときは
・西日ができるだけ当たらない
・風がよく流れ通気性が確保できる
・直射日光が当たらず日陰である



このような場所を選びます。
このように最初からリンドウに適した環境を選ぶことで、夏場の厳しい環境を乗り越え、ふっくらふくよかな頂花を実現されているのです。


● ここにカニがいる理由

あ、なにコレ?
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カ、カニッ!?
大木さんの圃場内の歩道にサワガニと思しき残骸がありました。
ここにカニってナニ??

え!?これ、サワガニですよね??
なぜこのようなリンドウ畑のとなりの道にカニが??
「沢がすぐ近くにあるんんだよ」

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あー、なるほど。ありました、ありました!
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しかも、その沢からリンドウの潅水にホースで水を引いています。
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ここにカニがいるのも必然というわけですね。


次に2番目の規格きっちりの秘密について。
● 規格の選別が厳格すぎて大丈夫か心配になるけれど、それが信頼に繋がっていた?!

規格選別が厳格でかなりお客様から定評がありますが・・・
「自分で決めた規格だから、それに則って選別する。それは自分との約束だよ。できなければお客様を裏切ることになってしまう。お客様だって規格通りの商品が入っていなければがっかりしちゃうでしょ」

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~自分で決めた規格は自分で守る~これに尽きるようです。

「でも、やっていると”どうしようかな~”と悩むことってあるよね。そういう時は規格を一つ下げるんだ」

え!下げちゃうのですか??

「迷って花を見ている間に一つ下げて出荷すると決めてしまえば、気持ちもすっきりするし、仕事も先に進むでしょ。悩んでいたら仕事は先に進まないし気持ちにもやもやが残ってしまうから」
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なるほど、このあたりは大木さんの潔い人となりを表したようなルールですね。

「信用を保つのは大変なことですよ。
そもそも信用があるかどうかも自分ではわからないけど、油断したらゼロになるのは確実。選別は人には頼まない。自分で決めたルールに従い、自分で行うのが鉄則なんだ。葉でもツボミでも問題ありの個体は隠さない」

例えば50本1箱に入っていたとします。 50本のうち1-2本ちょっと品質的に気になるものがあると、人の心理として見えないよう箱の下の方に入れてしまうかもしれません。しかし、大木さんは違うのです。

「一番上に出して見てもらいます」


● 大木さんのひととなり

奥様ののり子さんに伺いました。
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大木さんの性格を一言で表現すると?

「“妥協しない”かな。それと“せっかち”(笑)」

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「土木設計はミリメートルの世界だからね。緻密だけどスピードが大切。早め早めに先回りして動くことが習慣になっているんだ。遅れるのは嫌なんだよ」

という大木さんのひととなりを表す一言です。
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「最初のうちは2人でその日のうちに処理できる能力がわからなくて、どんどん切ってしまったりして、夜が明けるまで選別出荷作業をしたりね」

大木さん曰く、
出荷はスピードとクオリティのせめぎ合い。間に合わせなくてはいけない。だけど丁寧にしないといけない。
丁寧を優先すれば、出荷が間に合わなくなる。時間を優先すれば仕事が雑になる。
どう両立するかだけど、規格を判断するときに“悩んだら一つ落とす”とルールを決めておけばいいよね」

のり子さん、
「そういうルールを言われてから、迷わずになるほどと思って作業できたわよ」

「考える時間で間に合わなくなっちゃうこともあるわけだから、迷ったらこうすると決めておけばいい」と大木さん。
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それでも「大木さんの商品は全部“丁寧”なんだよね」と大田花き営業のM田は高く評価します。出荷時刻には間に合うし、丁寧さは妥協されていないし、大木さんのルールで両立が叶っているのでした。


● ではなぜ「妥協しないせっかちさん」なのか?~大木さんのバックグラウンドに迫る~

リンドウを生産される前、大木さんは群馬県庁にお勤めでした。
どのような業務に従事されていたのですか?

「森林整備のための林道の設計をやっていたんだよ。リンドウはリンドウでも、花ではなく林業の林道

はッΣ(oдΟ;)!!
ぬぁんと、思わぬところでリンドウ繋がり!
林道から退職後は竜胆(リンドウ)へ華麗なる転身!でもどうして、花のリンドウに??

「まだ私が退職する前だけどね、女房がリンドウを村内で作っている人がいるから、私も作ってみようと思うのっていうから、
“うんうん、いいんじゃねン↑”(←群馬弁と認識 by元群馬県民)
て言っていたんだよ。だから女房が1年先にリンドウを作り始めていたことが理由かな」
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のり子さんはお友達に誘われお庭でリンドウ生産を始めました。
そこに参戦した大木さんは・・・

「思い切って10アール(1,000㎡≒1反=田んぼ1枚)くらいリンドウを定植してみたんだよ。
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お試しでちょっとだけ作ると、失敗したら引き返せばいいやと自分に逃げ道作っちゃうよね。

だから、自分でも真剣に取り組めるように10アールは作らないと、と思ってね。片手間にやるなんて真剣にやっている人に失礼だし。あまりよくないと思ったんだ」

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とご自身の逃げ道をあえて塞いで14年前にリンドウ生産を始めた大木さん。作付けした品種に対する畝面積と肥料の量をノートに記録し続けています。
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県庁の職員として林道の設計に携わっていたというバックグラウンドもあり、花き生産に対するアプローチは緻密です。
大木さんご自身は現実的でスピード重視派、仕事を丁寧に仕上げるのは奥様でバランスが取れているようです。
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「林道設計に携わっていた時のノウハウはリンドウの生産にはあまり生かされていないけど、パイプハウスを作るときの微妙な角度の設計とか、水平にものを作るとか、そういう時は役に立ったかもしれないね。 定年後に始めた農業生産のことはよくわからなかった。花き生産に関するバックグランドがなかっただけに、貪欲にいろいろ栽培研究できたよ。」
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● 今年のエース「マイフェアレディ」

こちらが大木さんの圃場で今年のイチオシ、マイフェアレディです。
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しっとりとした質感、上品な発色のピンク、なんともかわいらしくて色っぽい品種ですね。

「これは5段の規格で出荷するんだけど・・・」
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ん?あら、改めてカウントすると6段くらいあるように思いますが・・・

「片花(かたばな)はカウントしないんだよ」

このように、茎の両側に花が付いていれば1段とカウント。
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例えばこちらは写真に映っている限りでいけば4段。しかし、下の方になると茎の片方にしか花が付いていない場合があります。それを片花といい、段数には数えません。

いやでも、これ6段ありますけど?
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「6段あっても5段で出荷する」

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えええーーーー!そういうこと?∑ヾ( ̄0 ̄; )ノ
「ニーズが5段がマックス。それ以上はマーケットに大きなニーズはないんだ。それはうちのリンドウを買ってくれる東京のお客様とお話をしてわかったよ。

あるいはどこまでを頂花として1段と捉えるか。
1段目と2段目が近くて重なっている場合は、実際に2段であってもうちは1段と数えることがあるよ」
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↑程度によりますが、1段目と2段目が重なっている場合は、大木さんは1段とカウントする場合も。
こうして大木さんの厳しい規格の基準が実現されて、市場の評価に繋がっているのでした。


3つ目の秘密に迫る!日持ちたっぷり。大木さんのリンドウは日持ちの良さがスペシャル~!!

● ちょっとだけ出荷場を拝見

なんてきれいな作業場でしょう!
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壁は湿気をよく吸う建築材を使用(大木さんが指す白いボード)。保管中にリンドウに大敵な湿度を下げます。
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ん?(←まだ焦点は合っていないけど、何か見慣れぬものが視野に入り、ウン探検のセンサーが稼働中)
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なんだなんだ??
ウン探のセンサーが働いた不思議なもの?!
もうお分かりですね^^

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センサーが反応したのはコレです!
500mlのペットボトルになにやら砂が入っています。ナンダロ。甲子園の砂でしょうか??
大木さん、これは何ですか?

「水槽のシートの重石だよ。
水槽に敷いたシートが水に浮いてしまうので、浮き止めにペットボトルに砂を入れて重石にしているんだ」

なるほど★グッドアイデアです。

「これもいろいろ考えた結果でね、石だとシートに傷がついてすぐ穴が開いちゃうから。
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砂はホームセンターのカインズで調達。

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こちらのエアコン↑はアベチャンにもらったの」

ア、アベチャン?(・_・?)
そんな気前のいい方がお友達にいらっしゃるのですか?

「安倍前首相の時の給付金で」

あー、なるほど。
このように、いけ水のバクテリアのコントロールや温度管理をしっかりされているということで、大木さんはリレーフレッシュネスの認証を取得されています。
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リレーフレッシュネスの詳細はこちら。

生産から収穫後の品質管理までを花にとって良い環境を整えながら行っていることで、必然的に日持ちがよくなるというわけですね。
良い花とはなにかを考え、常に社会に必要とされる花を生産される大木さんの志の表れといえるでしょう。



それでは目次の4番目、労働力2人だからこその選択についてご紹介いたします。
● 労働力2人だからこその選択

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労働力は奥様と2人。
「2人しかいないってことは、例えば闘うのに弾薬も武器も少ないってことだよね。数量をたくさん出荷することはできないから、出荷できる数量の中で品質で勝負する」
と大木さん。

「2人でできる範囲」を「2人だからこそできる業務」という強みとして捉え、大産地との棲み分けを行います。実は、選別の良さや切り前の美しさはこのあたりにも理由があるのです。

「出荷は業務が集中するような物日を狙わず、それ以外の日常に使ってもらえるリンドウを出荷するということだよ。そうなれば、例えば品種選びも必然的に仏花以外の明るい色目を選ぶようになる。 6月から11月まで開花する品種を選び定植して品種でリレーする。あるいは意外かもしれないけど、苗を組織培養で増やしたものばかりでなく、あえて実生のものを利用する」

なるほど、組織培養(バイオ)の苗だとすべて同じように育ち、一気に咲いて業務が集中してしまいます。そこを実生苗をあえて選んで定植すると、個体差が出て多少開花がずれてバラバラに咲くことから、収穫作業の一極集中を回避できる!
「2人だからこそ」の選択です。

「2人の理想的な労働配分を考えているんだ」


● 大木さんにとってリンドウ生産の醍醐味は?

「人間は1日1日老いていくけど、花は進歩があるよね。花の手入れはやった分だけ反映されるし、施肥や潅水に関しても、毎年試行錯誤して行っているけど頂上が見えなくてね。それがまた面白い。次のことにチャレンジできるよね。
なにより何より達成感がある。考えて試してみたことが当たったりすると嬉しいし、答えがすぐ出る。一方、山の手入れというのは“山づくり100年”といって孫の代まで終わらない仕事も多い。でも花は1年、2年で結果が出るでしょ。これはやはり面白いし醍醐味だよね」
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ひとまずの結果が見えるまでに1年か100年か。
人生100年と言われる人間にとっては人生で何十回も試行錯誤できる草花生産ですから、これは同じリンドウでもモチベーションになります。


最後に、項目5番目、新しいお取組みを始めた大木さんのネオブランドについて。
● リンドウとそのほかの道

大木さんは、最近草花を生産、出荷されています。
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ワレモコウ
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フジバカマ
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ユーパトリウム(西洋フジバカマ、「チョコレート」という品種)
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モナルダ
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クガイソウ
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ヒオウギの実
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さらにはグニーユーカリ、ユーカリ銀世界など、枝物の生産もしていてて、さらには来年からアスチルベも出荷スタートの予定です。
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大田花きの営業M田曰く、
「すっごい不思議なんですけど、大木さんはリンドウ以外の草花も1年目からめちゃくちゃいいのをご出荷いただくんですよね~。
選別の精度の高さもあるんですけど、それ以上の何かがあるような気がするんです。でもそれは何かわからなくて・・・」
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そう、フジバカマの株も私たちの身長以上に大きく成長、ヒオウギの実においてはマーケット的には2個から出荷OK、15個付けば最上位品とされるところを、ぬぁんと大木さんちのヒオウギの実は、ランダムに1つ選び数えてみますと・・・1,2,3,4,5,6・・・
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えーっと、20を超えて・・・

え?!=͟͟͞͞(・∇・ ‧̣̥̇)!!=͟͟͞͞(・∇・ ‧̣̥̇) 脅威の28個!?∑(๑ºдº๑)!!そんなバカナッ!?

どんだけ~っ!!!?Σ( °o°) _”b” ??
腰を抜かしそうなほどたわわについているのです。数え間違えたかと思ったくらいです∑(ʘдʘ)!!

まさに規格外!!
ということで、ウン探は率直に大木さんに聞いてみました。なんでこんなにハイスペックのものを生産できるのですか?

「実は肥料のやりすぎなんだよ(´ヘ`;)
というか、前の肥料が残っているところに草花を植えたから、よく養分を吸ってしまったという結果なんだ。来年からはもう少し肥料を切って、スタンダードに近い規格で出荷しようと思っているよ」

そういうことでしたか・・・な~んて、伺っているところにテフテフッ、テフテフッとウン探の前に現れたのは、




アサギマダラッ!!
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美しい青が特長です。
わー、何て美しい(*´∀`*)ノ。+゜*。

「不思議とフジバカマによく来るんだよね。フジバカマの蜜が好きなのかな。アサギマダラって渡り鳥ならぬ渡り蝶なんだけど」

草花の生産に舞い降りた女神か妖精のようですね。

リンドウの生産は、一般的に納品された苗の品質による部分もあるので、リンドウ1本に絞らずほかの品目を作ることでリスクを回避できます。

「新しい品目が楽しいよ。リンドウの保険のつもりで作り始めたものだけどね。
毎年お勉強だよね。来年はもう少し長い期間にわたって出荷できるようになると思うから、ぜひみなさんに見てほしいですね」
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世の中は常に変化し留まることがありません。生産環境も消費形態もいつも変わっていきます。それに加え、さらに不安定な要素が多いときは、多様性(ダイバーシティ)が必要となってきますね。大木さんは生産において、先回りしてその多様性を実現していらっしゃるわけですね。
これからは大木さんブランドもリンドウばかりでなく、新しく取り組まれている草花にも注目です。

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● 大木さんのポリシー

県職員をやっていたころ、よく当時の群馬県知事(小寺弘之元知事)が言っていたそうです。
「本物を見なさい。本物を知ることが重要」

本物見て、聴いて、食べたりすることが重要と。
「お金がかかるからできないとかではない。例えば花なら家元の花を見ることなんだろうなと思っているよ。どう使われて、どのような草姿が必要とされているのかを学ぶ。そこに工夫を加えて自分流を作り上げていく。これが大事じゃないかと思っているよ。その話から、私はいつも失敗を恐れず60点以上を採ればいいとしています。ゴールが決まっていればその中でやる。せっかちなのはそのせい。 完璧を求めすぎないことが重要です」

でも「大木さんのリンドウはいつも100点なんすよねー」、おかしいなぁと大田花き営業M田。
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え?あ、大木さん、なんだか矛盾していますけど??
大木さんの中ではまだまだ先があって、100点ではないのでしょうね。きっとこれからも大木さんのリンドウは進化を続けるに違いありません。


● おまけ:ウン探史上初公開!リンドウの種子

大木さんがウン探にだけこっそり見せてくれました|ω・`)コソ!
つまり、当ウン探コーナーをご覧のみなさまもこっそり見ていただけます!

どぞ!
↓↓↓


めしべの膨らんだ根本にびっしりとタネが・・・! ∑(ʘдʘ)!!
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↑めしべの元で膨らんだ子房を開くと、小さくて細い繊維のような物が出てきました!
ちっさッ!

この信じられないくらい小さなつぶつぶがリンドウのタネなのです。(ここから成熟すると、色は褐色に変化、形は膨らみ大きくなります)


【大木伸一さんの格言】pen

● 選別は的確に。
グレーディングに迷ったら、一つ下げるべし!
「自分で決めた規格には厳格に従う」大木さんの姿勢に最敬礼!

● 「2人にできること」は「2人だからこそできること」
労働力2人を強みと捉え、ブランドをデザインせよ♪

労働が一時期に集中しないよう配分を考えるのがポイントね★

● 多品目栽培でリスクヘッジすべし!
リンドウ1本に生産を集約するのはリスクが高い。
草花や枝物などマーケット全体を見据えて、新しい品目にも取り組むべし。

● 本物を知り、失敗を恐れなければ、百戦危うからず
及第点は60点と心得よ。
だけど、大木さんの商品の評価はいつも100点なのよね~・・・。

● 大木さんのリンドウ生産の道は林道の仕事から続いているのであった~
“リンドウ”一筋の大木伸一さんでした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました♪


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写真・文責:ないとういくこ@大田花き花の生活研究所