産地ウンチク探検隊 生産者が語る花に対する熱き思いをご紹介します。

2018年10月25日

vol.124 中村花組合様:群馬県 露地ギクほか


ひっっっさしぶりのウンチク探検隊は、「鶴舞う形の群馬けーん!」(by 上毛かるた)・・・
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の北西部、高崎駅から北西へおよそ50kmのところにある吾妻郡中之条(あがつまぐん・なかのじょう)にやってまいりました!

行ったのココ!↓
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「世の塵洗う 四万(しま)温泉」(by 上毛かるた)
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と謳われる四万温泉のおひざ元。中之条は新潟県と長野県境に位置する「湯と花の町」として有名な美しい町です。

四万温泉の名の由来は、四万の病気を癒すから四万温泉。
また、お隣の草津温泉は硫黄成分が強いことで有名ですが、硫黄成分の強い草津の湯での後に四万温泉に入って、お肌を癒しましょうというくらい、癒され成分の湯がわき出る四万温泉。その中之条にやってまいりました!
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中之条の花き生産者さまといえば、なんといっても!

「中村花組合」さまです!

「中村花組合」とは、大家族・堀口さんと華舞(かぶき)のみなさまの集合名。
※出荷名は「堀口正尚(大家族)」と「華舞」に分かれていますです。


このような出荷箱、見たことありませんか?
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大家族・堀口さんは1家族ですが、家族の人数が多く本当に大家族なので「大家族」と名付けました。
大家族って一体何人?と思われみなさま。お目目が飛び出ますよ。


なんと、このご時世で9人1世帯のリアル大家族なのです!
こちらが、その大家族の堀口正尚(ほりぐち・まさなお)さん。
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家族構成は正尚さんから見て、ご祖父母、ご両親、奥様、お子様3人(←しかもご長女19歳。あら、余計なコト言っちゃってごめんなさい)
そしてこの大家族の堀口さん一家と華舞として出荷される4軒のみなさまを合わせて、合計5軒の生産者さまを、中村花組合といいます。
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黄色が大家族、ピンクが華舞。

華舞の4軒は以下の通り。
組合長の唐沢修一さん:キク・枝物
後藤富子さん:キク・枝物・ストック
堀口浩三さん・将史さん親子:キク・ストック・枝物
林佳宏さん (ご出荷名はお父様の林勝年さん):キク・枝物・ストック

そうですか~って、えッ??

ん?
中村さんは?
なぜ故に突然「中村」花組合??(*´-ω・)ン?

“中村さん”の人、手を挙げてくださいますか?

シーーーーン・・・(- -) (- -) (- -) (- -) シーーーン

「中村というのは、この地域の小字名なんだよ」

なるほど。式にすると以下の通り。
中村(地域名)花組合 = 堀口さま一家 + 華舞 4軒

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といっても、中村花組合のみなさまはこう見えて、″およそ親戚“。
正尚さんは浩三さんの甥っ子に当たり、また正尚さんのお祖母さまは林さんちからお嫁にきた。
おまけに後藤さんも正尚さんの叔母さまに当たり△●☆И¨ф・・・・・・うーん、もうわからなくなってきてしまいましたが、みなさま仲良しだ!ということです。これでどうぞご理解くださいますようお願いいたします。

【基本情報】
栽培面積 合計4.5-5ha
生産品目 枝物(サンゴミズキ・黄金ミズキ・アカメヤナギ・レンギョウ・モモ・桜)、ストックなど
現役生産者年齢  33歳~92歳ヽ(゚Д゚;)ノ!!キュッ、キュージューニサイ!!!
標高   400-450m

中之条には早くもオドロキがたくさん。
圃場にはどのような驚きが隠されているのか、いざ潜入です!


【露地でキク生産】
キクを生産している現場にお邪魔しましたら、
な、な、な、なんと、露地栽培ではありませんか!
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ウンチク探検隊は露地栽培のキクを初めて拝見いたしました!
ここでいろいろ教えてくださったのは、「大家族のおとーちゃん」こと、正尚さんのお父様、堀口保利(やすとし)さん。

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「露地栽培のメリットは、太陽光を多く浴びる分、葉の色が濃く美しくなるということや、茎がしっかりとできること。
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でも今年はアザミウマやらハダニが多い年でね。異常な暑さと湿度のせいだと思うけど、苦労したよ。
これを見て」
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ありゃーーー(╯•﹏•╰)
下の方の葉が黄色や赤に変色してしまっています。

「これはアザミウマの被害。
今度は葉の裏を見てみて。」
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「ほら、これ。この点々。
ハダニが葉を刺したあとは、このように黒くなってくるんだ。葉からキクの汁を吸っているんだ」

オイヤー!!ハダニめ、悪い奴だ!(ŎдŎ;)

「黒い点々だったのが、だんだん葉がやられて、黄色くなって、赤くなって、ダメになる。ほんと、ハダニは世の中にいなくてもいいと思うんだけどね」
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これはもう、日々ハダニの被害と闘う保利さんの本音でしょう。
このハダニ対策、どうされているんですか?

「消毒で抑える。4-5日に1回は消毒するんだ」
キク栽培は虫や病気との闘いが最も大変であり、品質を維持するキーになるのです。
どのように消毒をするのか、それがまたユニークなのです!

こちらをご覧ください!
今度は堀口浩三さんがエンジンをかけて始動してくれたこちらは、大きなアームを持った消毒マシン。

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15メートル先までアームがギュイーーーーンと伸びて、圃場の上から消毒をかけることができます。

「アームが上下に動くので、キクの生長に合わせてアームの高さも調整できるんだよ」
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伸びる伸びる~!どこまでも~
まるでアニメの怪物くんかワンピースのルフィかっていうくらい伸びていきます^ ^;
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圃場もこのアームの長さに合わせて作ってあるので、、消毒の際はこの消毒マシンで圃場の脇を1往復すれば消毒完了。憎きハダニもラクラクバイバイなのです。


【土の秘密】

「灌水はしない」という中之条の露地ギク。

えー、全くしないのですか?
「全くしないよ」
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そんなこと言っても、晴天続きだったりしたら、さすがに水やりするのでは?

「しないんだよ。必要ないんだ」
水遣り不要の花生産なんて、どこかに秘密があるように思います。土でしょうか。土のこだわりがあれば教えてください。

「ここは去年までこんにゃく畑だったんだよ」

こ、こ、こんにゃく畑??∑o(*’o’*)o

さすが群馬県。コンニャクイモ生産は全国シェア90%以上でほぼ寡占状態。
よくみれば、コンキャクがあちこちに生えているではありませんか!
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まだこんにゃく畑からの転作1年目のため、掘り返しきれなかったコンニャクイモからちょいちょい芽を出すのです。

「コンニャクイモは”肥料ではなく地力で作れ”と言われるほど。」
それくらい充分に土のパワーが残っているということですね。
「それから特徴は乾燥しにくい土ということ。
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水持ちもよく、下からも水が上がってくるんだよ」

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土の表面をちょっと削るだけですぐに湿った土が出てきます。

「一見表面が乾いているように見えるけど、実は中の方は湿っているんだよ。
特にキクを栽培している畝にはマルチングをしているから、マルチングの内側にたまった水分が下に落ちて、地中の水分が完全になくなることはないんだよ。だから灌水不要。


これを見て、土の粒子がとても細かいんだ」 土を触ってみるとサラッサラですッ!
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チョットこすっただけで指紋の間に入っていく~!
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まるでお化粧のファンデーションのように粒子が細かく、さらさらしています。

「そう、だからこうやって指のしわの間に入って取れなくなっちゃうんだ。
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そしてこの辺りは火山灰土が混じっているのが特徴。水はけが良くて、しかも乾燥に強いんだ。」

なるほど言われてみると、確かに少し黒いですね。
白根山が至近にあり、また浅間山などの火山灰も飛んでくる距離です。
このような自然が中之条の土壌を作っていたのですね。


ん?

ありゃ?
この穴はもしかして?

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「タヌキか何かが掘ったんだよ。」
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キツネもクマもイノシシもハクビシンも。
↓中村花組合のみなさまが仕事中に遭遇した野生の動物たち。
キツネの親子
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ハクビシン
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木登り中のツキノワグマ。なんだかチョット怖い。
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「サファリパークか!と突っ込みたくなるくらい、いろいろいるんだよ」


【マゾヒズム的自家増殖】
中村花組合の露地ギク生産は、挿し芽で苗木生産をするところから始まります。

キクの出荷が終わるのが10月。
終わったら10-11月のうちに、畑を耕しつつ、収穫が終わったらキクの株を掘り起こす。

掘り起こした株を株床に伏せる(地中に深く挿す)。

親株の地下茎から出てきた新芽(これを冬至芽-とうじめ-といいます)を摘み取り(親株から切り離し)、挿し穂にする(3-4月ころ)。

その挿し穂を育苗トレーに挿して育苗する。

発根したら圃場に定植する。(4-5月)

って、ええええーーーッ!∑(ёロё)!!

そんなに段階を経るのですか?

「ハウス栽培なら、圃場に直に挿し芽できるんだけど、露地だと外的環境に左右されてそれができないから、苗床である程度大きくなってから、圃場に定植するんだ」
と正尚さん。
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うんわー。生産て、大変・・・としみじみ。
でも、このように最初から最後まで自分たちでやってしまうところが中之条のたくましいところ。

「でしょー。露地ギク栽培はマゾイんだよ~

確かに。

このように倒れてしまったのは、台風一過のため。
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今年はどちらの産地でも程度の差こそあれ、台風や大雨の被害があり、大変な年でございました。もう、これ以上は被害がないよう祈るばかりです。


【アカメヤナギ】

さて、今度は中村花組合の組合長・唐沢修一さんのアカメヤナギの圃場にやってまいりました!
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産地ウンチク探検隊13年史、恐らくは史上初公開のアカメヤナギの生産現場です。

何とも美しい緑の葉に覆われ手いるではありませんか!
・・・ん?あら?(・_・?)

なんだかアカメヤナギに見えませんケド?
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そうか、まだ季節的に青々とした葉が付いているわけですね。
市場で見るアカメヤナギには付いていないと思いますが、もしかしてこれらの葉は手で取り除いて出荷されているのですか?

「そうだよ。アカメヤナギは霜が当たってやっと葉が落ちるんだ。それまでは手で葉を取り除くんだよ」
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ほんとだ。葉を取り除くといつものアカメヤナギらしくなってきました!

「以前はちょうど10月10日頃までには霜が2回下りて葉が落ちたんだけど、最近は温暖化で11月上旬ころまで霜が降りないため、手でその葉を取り除く期間が1か月ほど長くなったんだよ・・・」

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これまた大変な作業です。

中之条で霜が降りるのは11月頃。でも出荷は9月からありますので、霜が降りるまでは、全量、手作業で葉を取り除き出荷しているのです。

ところで、みなさま、お気づきでしょうか。
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華舞のアカメヤナギの赤芽はそーとーデカイ!!

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3色ボールペンのペン先ほどの大きさ。

唐沢さんのアカメヤナギは、芽が大きくて、芽と芽の間が狭く、密に詰まっているのが特徴です。
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しかも唐沢さんは、、そのような特徴を追い求めているうちに、ご自身のオリジナル品種を生み出してしまったほど。でも、それを作りこなせるのも唐沢さんだけなのだとか・・・^ ^;
どうやったら、このような品質のものができるのですか?

「秘密です。
強いて言えばハンドパワーです」
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ギョエーΣ(  ̄◇ ̄*)ッ!
いきなりそんな?
どれどれ、見せてください。
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う~ん、お手を拝見しても全くヒントとなるようなコトは分からず。
コツは組合秘密。というか組合の人もあまりご存じないようですが、唐沢さんの内なるハンドパワーによるということで、皆様には唐沢さんのスペシャルなアカメヤナギをお楽しみいただきたいと思います。

「ちょっとコツを言えば、ひとつは面積効率をアップするために、挿し木の際に3本1カ所に植えること。
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それから風が吹かない場所に定植することかな。
風が吹くと、枝やアカメがこすれ合って、傷になっちゃうので」

なるほど。
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くどくてすみませんが、大きなアカメヤナギをご注文の際は、出荷名「華舞(かぶき)」でご用命ください。


【ストック】

さて、品目紹介の最後にストックの圃場を拝見しましょう。

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こちらは、堀口浩三さんのストックの圃場。10品種ほどハウスで生産しています。
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現在は摘芯作業のシーズン。
スプレーに仕立てるために摘芯(ピンチ)をします。
コツは上から数えて葉が2段目のところで摘芯を行うこと。これを一芯二葉(いっしんによう)といいます。
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とはいえ、すべてをこのルールでピンチするわけではなく、美しいスプレー姿に仕立てるために、ストックの生長具合、伸び加減を見ながら、それぞれの苗に適した位置でピンチしていきます。

★ストック栽培に隠された意図??

華舞のみなさんがストック栽培をするのには、ある意図が隠されていました。
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「ストックは直根性。主根がまっすぐ下に伸びるでしょ」


ストックは大根と同じアブラナ科。
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大根の姿をイメージしていただくと(ストックの根はさすがに大根ほどはふくよかではありませんが、)土の中でどのような様子か想像できると思います。

んーー、でも、ストック栽培の選択と直根とにどのような関係が?

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「この直根が地中の養分を吸ってくれるんだ。
ハウスの中は雨が降らない分、肥料が滞留する。
肥料が滞留したまま同じキクを作り続けるとよくないので、1年のうちキクとストックを交互に生産するんだよ」

6月にキクを出荷したら7月にストックを播種。年末にはすべてのストックを出荷して、また1月からキク栽培。一つのハウスの中で前半と後半とで栽培品目を変えているのです。
これも連作障害を回避するため。
「前半も後半もキクをハウスで栽培していたときは、後半戦のキクが何をやってもうまくいかなかったんだけど、ストックを導入してから、前半も後半もうまくいくようになったよ」
と浩三さん。
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「消毒の回数もキクよりは少ないから作業も軽減する。土壌消毒も年1回で済む!」
と、同じくハウスでキクとストックを栽培される後藤さんもこの方法を支持します。
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良いことがたくさんの二毛作なのでした。



【ついぞ重鎮現る!~露地ギク栽培のルーツ~】

集荷場で皆さんのお話を伺っていると・・・遠くからいらして席に座られる男性が・・・。
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圃場から戻っていらしたある一人の男性が会話の輪の中に座られました。この方は?
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こちらにおわす御方をどなたと心得る!!!?
恐れ多くも、花き生産出荷一筋65年!業界の生きる伝説、堀口昭(ほりぐち・あきら)さん、御年91歳にあらせられるぞ!
ウン探の頭が高い!ひかえおろう!
なーんていうセリフが頭の中でグルグルと回ってしまったこの方は、堀口正尚さんのお祖父さまで、ココ中之条で花き生産を始められた第1人者。
中之条に昭さんあり。中村花組合さんの原点は昭さんにあります。
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アタシにとっちゃぁ、もう90歳を過ぎている時点で神の域。その上、現役で花生産をされているとは、何とご立派な方なのでしょう。

中之条での花き生産事始めについてお話を伺えば、なんともクリアな大きい声で教えてくださいます。

昭さんは昭和2年生まれ。
19歳のときに特攻隊で四国の小豆島に。
終戦を向かえ、中之条に帰ってきたとき、食料難だったため、お兄様が農業で食糧を確保し、昭さんが工業で現金収入を確保すれば、家族は安泰であろうと、織機8台を導入し、機織りを始めたのだそうです。

「当時、農家といえば夏は養蚕と水稲、冬は炭焼きをやっていたんだよ。
炭焼きは所有する山から木を伐り出していたので、ある程度は利益を確保できたんだ」

ところがある日、昭さんのお兄様は言いました。
「アキラ、こりゃ困ったぞ。このままいったら、山の原木がなくなってしまう。つまり冬の仕事がなくなるということだぞ」

ちょうどそんな不安が頭をもたげたとき、絹織物を納めに日常的に高崎に出かけていた昭さんたちは、“秋ギクが売れる”という情報を耳に入れました。そこで、既にキクの生産を始めていた長野県佐久市を訪れ、それをきっかけにキクの生産を始めたというわけ。昭さんが26歳のとき。

最初は、機織りをする傍らキク生産を始めました。

その後、別の工場で織機のベルトが人を巻き込んでしまう事故が起ったことがきっかけで、危険を回避するために機織りも辞めて、キク生産に絞っていきます。

「その2年後には、女性は着物を着なくなり、地元の機織りは次々と倒産してね。
だけど私たちは既に転職していたために、倒産することなくキク生産に自然にシフトしていくことができたというわけ。

人は素直にいろいろ受け入れていれば、運は自然に付いてくるってことがわかった出来事だったよ」
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なるほど、有難い教訓をいただいたような重みのあるお言葉です。

「兵隊に行って、色々な人との出会いがあったんだ。
私はもともとは引っ込み思案のおとなしいタイプだったけど、兵隊にいって様々な経験を通して世の中を怖がらずに出られるようになった。

特攻隊と言い渡されて、中には精神的に参ってしまって、一晩中大声を出している人もいれば、逃げ出してしまった人もいた。
その時は自分の運命を悟った瞬間だったね。
運命に逆らわずに、その時に一番良いと思ったことをすればいい。
あまり悶えずに、その道を一生懸命研究することが大事


それでキク栽培を一生懸命続けてきたという昭さんの言葉には説得力があります。
でも、終戦を迎え、食料は不足気味だったはず。
それなのに食料ではなく、あえて花を作ったのはなぜでしょうか。

「食べ物はみんなが作ればいずれ足りる。
んじゃ、花を作ろうかとなったんだ。

今になって思えば、素直に自然に身を任せていれば道が拓けるということかなと思う」

戦争体験を通して、まだ新旧入れ替わる産業を見送りながら、それは事実として受け入れ、目の前のことを一生懸命やっていく。
“どんなことがあっても、あまり悶えず、悲観せずにやっていたら、どうにかなるものだ”
と運命を悟ったといいます。
そのような精神でキクを導入したことが、結局はうまくいったというわけ。
「その判断ができたために、破産をせずに農業で生活していけたと思っているよ。」



【中之条町のシンボル”中之条ガーデンズ”】

″花と湯の町中之条“には、全国に誇る広大な“中之条ガーデンズ”があります。
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本年7月にオープンしたばかりのローズガーデン擁する広大な憩いの庭園です。(入場無料)

園内はバラが最盛期を迎えていていました。
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「日本で最も美しい村」連合に加盟している中之条町では、失ったら二度と取り戻せない日本の農山村を守る活動に参加しています。
中之条町には、数々の温泉郷や野反湖、チャツボミゴケ公園、芳ヶ平湿地群、大仙の滝など、様々な観光スポットがありますが、一つ一つのスポットばかりでなく、村の景観や文化そのものを継承していこうという取り組みです。
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継承していこうとするからこそ、中之条の景観は常に美しく生まれ変わり、中之条ガーデンズのような素晴らしいスポットはこれからも進化を続けていきます。



【リンゴ畑でジャズライブ】

訪問したその日はちょうど「リンゴ畑でジャズライブ」開催の日。
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中之条ガーデンズのすぐお隣のリンゴ畑で、ライブイベントが行われました。
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ライトアップされたリンゴ園
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リンゴの異なる品種の食べ比べやもぎ採り体験をした後、ジブリ音楽のライブ鑑賞ができるという、この地ならではのスペシャルイベントなのです。
しかもライブに出演するアーティストさんには、地元の農産物や自家製のジュースや味噌など、物々交換にて報酬が支払われます。その報酬の一つに中村花組合さんの花も。
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自分の持っているものの”物々交換ライブ”であることから、「わらしべライブ」と呼ばれます。

爽やかな中之条の風を感じ、赤く色づいたおいしそうなリンゴを眺めながら、本物のリンゴ畑でジブリの心地良い音楽を聴くというのは、本当に贅沢な企画。胸のつかえがスーーーッと流れていくような、安らかな気持ちになりました。
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詳細はこちら(クリック)


【中村花組合さまの格言】

・中之条の火山灰土が露地栽培にちょーどいい!この水はけが良いのに灌水不要!

・キクの施設栽培は、ストックとの二毛作で連作障害を回避すべし!
 土壌消毒も少なくてすむよー。

・天敵は虫と病気。効率の良い消毒で駆除徹底せよ!

・人は素直に人生を受け入れていれば、自然と道は拓ける!・・・先達の有難いお言葉に感涙!

・湯と花の町中之条はみどろこがたくさん!
 遊びに行ったら楽しいですよ!

明るく、本当に仲の良い中之条のみなさんなのでした!


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写真・文責:ikuko naito@大田花き花の生活研究所