九州の流通実態についてお話を伺うと、花き業界と同様、青果業界でも生産量減少や2024年・2030年問題による物流環境の変化が大きな課題となっているとのことでした。一方で、ドライバーの運行管理が厳格化されたことで遠隔地輸送が難しくなり、九州域内から福岡への集荷が高まった結果、取扱高は過去最高を更新したそうです。嬉しい反面、遠隔地からの集荷は難しくなり始めているも、何とか賄えている様子でした。
花き業界でも物流環境の悪化は現実のものとなり始めています。実際、四国向けの水曜販売分では、物量減少や輸送コストの上昇などから供給継続が難しくなる事例も出てきました。今後は青果物と花きを併作する産地も多いことから、混載による集配送など、新たな工夫が必要になるでしょう。業界は異なりますが、物流面での連携や合理化は、今後のエリア戦略を考えるうえで参考になると感じました。
その後、九州大田花きの納品先が主催する業界関係者の交流会に参加いたしました。葬儀、ブライダル、小売、卸売、輸送業者、さらには造花やフェイクグリーンによるランドスケープ事業者など、多様な業種の方々と意見交換を行う機会となりました。
その中で印象に残ったのは、「フェイク」の存在でありました。生の植物を扱う我々にとって、造花やフェイクグリーンへの想いは複雑です。一方で、耐久性やデザイン性は大きく進化しており、消費者・生活者にとって選択肢が広がっているのも事実です。我々が自分たちの都合だけで価値を決めつければ、異業種にマーケットを奪われかねません。花が他の消費に完全に代替されるくらいであれば、まずフェイクで花や緑を身近に感じていただき、その先で生花の良さを知っていただく考え方もあると思います。
フェイクを使ったランドスケープを手掛ける方のお話では、生の花と組み合わせることで相乗効果を図りながら、天井などの高所やメンテナンスが難しい場所、広い面積を埋める必要がある場所などにフェイクを活用しているとのことでした。実需者のコストを抑えつつ、空間の中に花や緑を取り入れる支援をされている点も印象的でありました。
花き市場を営む以上、生の花を推進する責務があります。しかし、消費者の声を無視した運営も好ましくありません。避けたいのは、合理性や効率性だけが優先され、花や緑が利用されなくなり、生活から癒しや潤いが失われてしまうことです。心に少しでも余裕を持てる生活を支えることも、花き業界の大切な役割であると思います。
個人でも企業でも、自然と花に目が向く環境を、これからも関係者と連携しながら実現して参りたいと思います。
Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO500/70mm/-1.7ev/f4.5/1/125s
萩原 正臣 9:00
