サンマ88,880円と、デジタルでは代替できない価値

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 先日、湯船につかりながら情報番組を眺めていると、サンマ初競りのニュースが流れていました。温暖化や黒潮の蛇行など、様々な要因が重なり、記録的な不漁が続いているとのこと。漁師が職業として成り立つのだろうか?といった心配が膨らみました。

 競り落とされた「初物」のサンマが店頭に並ぶと、その値札はなんと「88,880円」!末広がりの8が並ぶ、いわゆるご祝儀相場とはいえ、その価格には驚かされ、「初物」が持つ特別な価値を感じました。

 さらに印象的だったのは、次に登場した男性です。「今日は妻の誕生日。いつも頑張ってくれている従業員にも美味しいサンマを振る舞いたい」。そう語りながら10数匹を購入し、ご家族や従業員の皆様と食卓を囲む様子が紹介されていました。かつては庶民の味方と呼ばれたサンマですが、今や貴重な存在になりました。2010年代中頃まで1匹100円前後だったものが、現在は300円から500円程度で推移していると言われています。その一因ともいわれる温暖化の進行も大変気になるところです。

 サンマを取り巻く環境が大きく変わっているように、私たちを取り巻く社会や経済の環境もまた、大きく変化しています。インフレや円安、人手不足、AI・デジタル化の進展などにより、業界ごとの明暗はより鮮明になってきました。各業界とも省力化や高付加価値化など、様々な工夫を凝らしながら生き残りを模索しているようです。

 そのような中、消費のあり方にも変化が見られます。日常で無駄な手間やストレスを省き、そこで生まれた時間やお金を、自分の心を満たす体験やケアに振り向ける。そんなメリハリ消費が鮮明になっています。デロイトの2026年調査では、「節約と贅沢のメリハリをつけるようになった」が価値観の変化としてトップとなり、「自分へのご褒美消費」も増加。JTB総研の調査でも、若年層を中心に時短志向が強まる一方、旅行やリフレッシュ、家族・友人との時間には積極的にお金を使う姿が見えてきました。いま重要なのは、世間一般の評価よりも「自分にどれだけフィットするか」。所有そのものより、自分の時間や気持ちがどれだけ豊かになるかが選択基準となりつつあります。デジタルで効率化しながら、最後に求めるのはリアルな人とのつながりや生の体験、自然といった、デジタルでは代替しきれない価値。そんなハイブリッドな消費が広がっているようです。

 来年開催されるGREEN×EXPO 2027も、こうした時代の価値観を映し出す機会になるのではないでしょうか。広大な会場で自然に囲まれ、贅沢な安らぎの時間に触れる事が出来ると思います。単に「花を購入していただく」という商行為から、その先にある「花を通じた彩り豊かな暮らし」へ。生・配・販で連携しながら、花き業界として推進して参りたいと思います。

Canon EOS 6D MarkⅡ/70mm F2.8 DG MACRO|Art 018/ISO3200/70mm/-1.3ev/f9/1/160s

萩原 正臣 9:00