vol.150 JA中野市花卉部会様(長野県)シャクヤク ~前編:「超効率化の部会長」の巻~

訪問したのは長野県中野市!

中野市は長野県の北東部に位置しており、JR長野駅から北東に20kmくらいのところにあります。長野県に到着した瞬間、あちこちリンゴだらけ・・・って、まだリンゴの果実には季節が早くて、ちょうどリンゴの花が満開です。

 

実際にはリンゴマークだらけという意味。まさに長野県を象徴する光景です。

マンホールカバーやガードレールなど、あちこちでリンゴモチーフが採用されています。

 

 

美しい春色の里山を走り抜け、中野市に到着すると、深呼吸したくなる清らかなマウンテンエアに包まれました。

空気が気持ち良すぎて、きっと次回は目隠しして中野市に来たとしても、この清らかな空気を吸い込んだ瞬間に中野市とわかるでしょう!

 

 

さて、そんな中野市には、花き業界の日本一があります。

花き業界の人はきっと常識レベルでご存知のはず。でも今回を機に、ぜひ一般の方にも知っていただきたい中野市の日本一こそ・・・・・

 

シャクヤク!

 

ウンチク探検隊は、20年くらい前からずっと中野市におじゃまさせていただきたいと願っておりました。このたび念願叶って、ついに初訪問。

ウン探、おめでとう!・・・ていうか、JA中野市さん、ありがとうございます。

 

さてここでおさらいです。JA中野市のシャクヤクの出荷量を見てみますと、2016年からずっと伸びているではありませんか!(大田花き)

 

回帰直線を引くと概ね出荷量が伸びていることがわかります。

このグラフを見て「えー、なんで??」と思わなかったみなさまへ、ここで少しおさらいしましょう。

 

国内の切り花生産は、1997年をピークに数量ベースで減少傾向の一途を辿っています。

最新データの2024年の国内生産は本数にして1996年の約49%にまで減少。

1年に一億本強のペースで国産切り花の出荷量は減少しているのです。

このような状況において、出荷量を維持するだけでも実質増加といってもいいくらいなのに、JA中野市のシャクヤクは生産量を増やしつつ、全国第1位をキープしているのです。

 

その数、市場占有率にしておよそ44%(2025年度大田花き)。ランチェスター戦略を引用すれば、トップとしての安定地目標のシェア率を超え、非常に強力なポジションを築いているといえます。

そのためかどうかはさておき、出荷時期が違う輸入のシャクヤクでさえも、ここ数年ですっかり減ってしまい、JA中野市が国内流通では他の追随を許さないほど圧倒的な存在となっています。

 

きっと誰もがこのお手本産地の謎を知りたいと思うでしょう。そんなわけで、JA中野市のシャクヤクの生産の秘密を探りにやってまいりました。

ちなみに、中野市はシャクヤクのほかに、リンゴ、ブドウ(シャインマスカット)、エノキダケの生産が有名で、“美しくておいしい農産物”の名産地なのです。

 

 

★基本情報★JA中野市 花卉部会様

・部会数 約130名

・主な生産品目 シャクヤク、そのほか草花(スターチス、トルコギキョウ、セダムなど)

・標高 340メートルほど

高社山(こうしゃさん、標高1,351メートル)、鴨ヶ嶽(かもがたけ)、箱山(はこやま)、北信五岳(ほくしんごがく)などの山々に囲まれた場所です。残雪も見られます。

・この地域で切花のシャクヤクが商業生産されるようになったのは昭和47年頃

 

今回の水先案内人は、JA中野市営農部園芸課の山田庸平(やまだ・ようへい)さん。

 

そして、ウンチク探検隊を圃場で出迎えてくださったのは、JA中野市花卉部会部会長の小林健一(こばやし・けんいち)さんと、副部会長の江原宏晃(えばら・ひろあき)さんです。

写真右側:小林さん(前編にてご紹介)

 

写真右側:江原さん(後編にてご紹介いたします)

 

 

★部会長の小林健一さん

今年の3月に花卉研究会とシャクヤク部会とが一体となって「花卉部会」が発足。その初代会長さんです。

「一つにまとまって効率よくプロモーションやセールスをすることを重視しての統合なんだ。中野市の花を一丸となって販売していくことに主眼を置いているんだよ」

なるほど、シャクヤクとそのほかトルコギキョウなどの草花を別々にプロモーションするとなれば、例えば市場訪問するにも2回、ポスターを作るのも2種類・・・と2回あったわけですが、それを1回で効率よく行うことができるというわけですね。

 

では、いよいよ本題です。

★徹底した超効率主義!

【小林さんの生産基本情報】

栽培面積:シャクヤクは露地とハウスで合計二反くらい(約2,000㎡、600坪)

生産割合シャクヤク3分の1,トルコギキョウ3分の2弱、コギクその他・・・なのですが、ぬぁんと栽培品種数は・・・

シャクヤク1品種

トルコギキョウ1品種

コギク1品種

 

1品目1品種という徹底ぶり。なぜ1品種に絞っているのでしょうか。

「ひとつは芽かきをはじめとした生産管理が大変になるからだよ」

小林さんは比較的芽かきの手間が少ない1品種を選んで生産しています。しかも、それはほかの人が作っていないオリジナルの品種。全国でも小林さんしか生産していません。

その1品種とは・・・?

 

「ミルキーホワイトだよ」

花姿はこちら↓

ミルキーホワイトは小林さんのお父様が育成された品種で、全国でも小林さんしか生産していない貴重な品種なのです。

ちなみに、トルコギキョウはセレブリッチホワイトの1品種、コギクはアカウオ(赤魚)の1品種を生産。

 

それほどまでに「1品種」にこだわって品種を絞るメリットは何ですか?

「その方がパートさんたちが仕事しやすいでしょ。人材もそんなに簡単には集まらなくなってきているし、業務が複雑化して、AさんにはカンタンにきるけどBさんにとってはちょっと難しいみたいなことになると非効率。同じ品種でみんなが同じように仕事を覚えて実行できれば引継ぎも容易だし、品質管理もしやすくなる。1つのハウスの中で温度帯も違ったりするから、何品種も作っては複雑を極めてしまう」

 

パートさんを雇う上で、品種によって栽培管理や仕立て方が変わるので、業務が多岐にわたり管理しづらくなってしまいます。

この超効率化こそ、小林さんの経営方針なのです。お会いして1分で小林さんのポリシーが伝わってきました。

 

小林さんがシャクヤクを作っていて、一番大変に感じることは何ですか。

 

「ないですね」

 

即答、且つ簡潔!小林さんの頭の回転の速さに圧倒されてウン探。

ていうか、大変なコトない!?本当にないのですか??(。゚ω゚) ッ!

 

「草(雑草)が生えてくることくらいかなww」

一般的に雑草は農業生産の大敵ですが、シャクヤクの場合は雑草が生えていても生産や品質自体に大きな問題はありません。

それに除草作業自体は「一銭にもならないでしょ」と、除草にはそれほど時間を割かないといいます。

 

しかし、ご覧ください!この美しすぎる圃場。まさにお手本です。

 

 

雑草駆除に時間を割かないとおっしゃりながらも、圃場には全く雑草がなーい!

そしてシャクヤク圃場の向こうには、中野市を囲む山々。こんな素晴らしい景色に包まれてシャクヤクが生産されているとは今日の今日まで存じませんでした。

地元のみなさんにとっては、日常の景色になって、もはや当たり前の美しさになっているかもしれませんが、コンクリートジャングルから赴いたウン探にとっては、東京駅から3時間ほどで到着した清らかな景色に感動しっぱなしです。

 

「この圃場はまだ株が5年くらいで、やっと出荷ができるようになった1年生のツボミ。だからサイズが小さめなんだよ。本当はこのくらいまで大きくなるよ」

 

定植から5年目でやっと出荷できるようになるのですか。草本性であるシャクヤクは、何年も株を使えるものなのでしょうか。

「株を充実させて“大人の株”といえるのは10年くらいからかな。長いものだと40年とか50年近く使えるよ」

草本性の植物で40-50年持つとは、シャクヤクは非常に長寿の植物といっていいでしょう。40-50年生きるシャクヤクは、大切に、かつ適切に管理されてた証ともいえるかもしれません。 

 

 

★シャクヤクの切り前

シャクヤクほどそのコンパクトなツボミからは想像できないほど華麗な花姿を見せ、ドラスティックに展開する花も他にないかもしれません。

なにせこのようなツボミの状態で出荷されて、

(写真は小林さん提供:ミルキーホワイト)

 

生活者の皆さんのおうちでは、こんな風に開花するわけですから。

 

せっかくこちらの写真も小林さんにご提供いただいたので、ご紹介させていただいちゃいます⇓

ミルキーホワイトの大輪ぶりと小林さんのミルキーホワイト愛が伝わる素晴らしいショットですね。

 

私たちにとって「開花するツボミ」は当たり前でも、きちんと開花するタイミングを見極めて収穫するのは、生産者さんの技術とノウハウがギュギュギューーーッと詰まっています。この収穫のタイミングを「切り前」といいます。どのように切り前を判断するのでしょうか。

 

「花首(茎)が柔らかいか、固いかです」

これも小林さんのお答えは常に明確・明解。

 

「首が固ければ出荷OKだよ。歯ブラシの柄のようにパキッとするまで」

花首の堅さなんですね。つぼみの大きさでもなく。

となると、見た目だけではわかりません。触らせていただきますと、ツボミは十分大きく見えても、確かに首は柔らかい。この状態で切ると出荷フライングとなってしまいます。

 

「首が柔らかいというのは、赤ちゃんでいえば首が座っていない状態。その状態で出荷しても、流通途中で首がおじぎしてしまうベントネック状態を起こしてしまうし、消費者のところで花が咲かないんだよ」

確かに言われてみれば、市場で拝見するシャクヤクの首は歯ブラシの絵のごとく茎が固いですね。

 

★小林さん、事件です!~シャクヤク首もぎ事件勃発?!~

小林さん、大変です!だれかが大切な出荷前のシャクヤクの首をもいでしまった形跡が!?

 

 

無残にもツボミがむしられた跡・・・

これはちょっと事件に近いですよね。

 

「あ、それはね、僕が切り取ったの」

 

あ、え??小林さんが??事件でなく?

「そう、こうやってツボミを取っちゃうの」

 

おもむろにポキポキと躊躇なくシャクヤクのツボミを手で摘んでしまっているではありませんか!

 

ご出荷直前にそんなにツボミを取ってしまうなんて、どういうことでしょうか。

「来年のために摘芯しているんだよ。すべてのツボミを出荷用に大きくしてしまうと、株自体のエネルギーをかなり消耗することになる。すると、株が弱ってしまうので、出荷するもの以外のツボミは切り取ってしまうんだよ。株づくりの一環で、長く株に活躍してもらうためのコツなんだ」

 

若い株は“まだ早い!”とこんなふうに全摘芯ですよ。ツボミがいっこもなーい!

 

「花が咲く前にツボミを取って株を養生するんだ。成熟した株であれば、出荷用に8本残せばあとはツボミを取って大丈夫。翌年には16本花芽が立つんだよ。いいことづくめでしょ」

 

重要なことは“今日の出荷より、来年の株づくり”。株づくりファーストですね。今と未来を同時に考えたサステナブル目線です。

このように、小林さんはどのツボミを取ってどれを残すかをコンマ何秒で判断しながら、その株の中でバランスよく花が立つように摘芯していくのです。まさに職人技!

 

こんな風にどれも揃いのきれいな姿で株が並ぶのも、匠のなせる技!

 

この畝に20年選手の株が並び、いずれもたくさんのツボミを付けています。しかし、これらすべてが出荷されるわけではありません。見渡す限りのシャクヤクのうち、実際に出荷されるのは3分の1くらい。

 

「そのように株を作っていかないと、株自体が疲れて早く寿命が来てしまうんだよ。株が疲れると、花立ちも悪くなってくるしね」

 

花を収穫しながらも、実際に育てているのは株。良い株を育てることで40-50年株を使えることになるわけですね。

「花も出荷したいけど、ぐっと我慢して、光合成を優先してエネルギーを溜めて、株を丈夫にしていくことに注力するんだよ。毎年“元気?今年もいける?”と株の顔色をうかがいながら、栽培するんだよ。

手を入れたからといって必ずその分反応があるわけでもないし、かなりわがままなんですよ。手入れをしなければしないでふてくされるし、手入れをしたからといって答えてくれるわけでもないしね。

今年は息が合ったかなと思うと、突然雹(ひょう)が降ったりね。なかなか思う通りにならないよ」

シャクヤクを子どものように見て、対話しながら栽培する小林さん。作っている人にしかわからない非言語コミュニケーションで、小林さんとシャクヤクは理解し合っているのかもしれません。

 

と、取材をさせていただいた直後に、中野市で雹が降ったとの報道がありました。

ニュースではブドウ畑の被害が取り上げられていましたが、シャクヤクの圃場でも、茎が折れ、葉が裂け、出荷を目前に控えたつぼみに傷がつくなど、深刻な影響が出ました。
まるで取材で伺ったご苦労を、そのまま現実として突きつけられたかのような出来事。生産の現場は、常にこうした自然のリスクと隣り合わせにあります。品質に関しましても、そのような背景に思いを寄せてご理解いただければ幸いです。

 

 

凶暴な雹がシャクヤクの葉をびりびりに裂いた様子。

 

ちょっと目を疑いますが、これは冬の残雪ではなく、5月1日の降雹の様子です。

 

 

ぐへ~_(꒪ཀ꒪」∠ 雹の直径1cmから3cm近くあるものもあるじゃないですか~。凶暴すぎる物体だー💦

 

 

 

★ツボミは赤く、花は白い

「このツボミ、赤く見えますが咲くと白いんです」

こちらは、小林さんのオリジナル品種ミルキーホワイト。

紹介2周目ですが、ツボミは赤いのに開花するとこんな感じに白くほわっほわになります⇓

 

ツボミの時はこんなに赤くて、“きっと赤いシャクヤクが咲くだろう”と思わせるのに、開花してみると本当に本当に飴玉の「ミルキー」のような色をしています。

不思議な感じもしますが、これには理由があります。ツボミの段階では、花弁を紫外線を防ぐために赤い色素「アントシアニン」が多分に含まれています。開花して白っぽくなるのは、そのアントシアニンが開花とともに分解・減少するからのようです。

 

シャクヤクのツボミには蜜が分泌されて、よくツボミの上に水滴のように大きな蜜が付いていることがありますが、これは主にアリやテントウムシなどの昆虫を呼び寄せて、ほかの害虫からの食害を防ぐ防衛反応といわれます。

 

ミルキーホワイトのツボミが赤いのも紫外線から守るためのアントシアニンとすれば、シャクヤクは自己防衛能力が高いと言えるでしょうか。

 

そして、今年から染めのシャクヤクもJA中野市さんから出荷されますので是非ご注目ください!

世が世なら、その発見に懸賞金が賭けられそうなほど青く美しいシャクヤクですね。

 

 

★JA中野市のシャクヤクの秘密

この章でもう少し明かしましょう、中野市のシャクヤク生産の秘密を。

こちらは小林さんの別の圃場。

 

先ほどの20年選手のミルキーホワイトとは異なり、昨年植えたばかりのサラベルナール(以下サラベル)の株“養成”圃場です。

サラベルの1年株。サラベルは、中野市で最も多く生産されていて、日本で最も多く流通している絶対的エース。こちらの圃場ではまだ株が大人になっていないので、収穫して出荷することはありません。小林さんはここでサラベルの“株を養成”しているのです。

 

なぜサラベルがシャクヤクの中で長年不動の一位なのか。それは、その花姿が美しいだけでなく、病気に強く生産しやすいということ、また、多くの人が生産しているだけに生産ノウハウが確立され、共有しやすいということがその背景にあります。

 

「サラベルのノウハウが部会の中で共有されて、すぐに出荷できる株があれば、新規就農の人も即シャクヤク生産をスタートできるでしょ。サラベルの成功例・失敗例が積みあがって行けば、高齢化で部会が代替わりした時も、まずはサラベルから生産を広げていける。どの品種か迷ったり、リスクを取って冒険しなくても、まずはサラベルを安定的に作っていけるというメリットがあるんだ。

ほかの品目からの転作の場合でも、誰かサラベルを作りたいと手を挙げる人がいれば、すぐに株をあげられるでしょ」

 

生産者さんの世代交代の時でも出荷量を維持していけるよう、小林さんは出荷用のミルキーホワイトとは別にサラベルの生産ノウハウを確認しながら株を養成しているのです。

なるほど、これこそ中野市がシャクヤクのトップランナーであり続ける理由の一つ。

 

突然小林さんからありがたいオファーが。

「ウン探さん、シャクヤクの根、見る?」

え??いいんですか。

実はウンチク探検隊はシャクヤクの根をリアルで見たことはありません。でもシャクヤクの根は生薬になるとされ、古代ローマのプリニウスが『博物誌』を執筆していた1世紀ころには、既にヨーロッパでもシャクヤクは薬草として知られていたのです。日本でも奈良平安時代に中国から伝わり、薬用目的で栽培されていました。

・・・なのに、ウン探検はシャクヤクの地上部しか見たことがなーーーーいッ!

これは千載一遇のチャーンス!2000年も前から薬用に使われていたシャクヤクの根の姿を知らないなんて、中野まで来てこのまま帰るわけにはいきませぬ。

 

するとおもむろに、小林さんは1年株を掘り返して見せてくれました。

(´。✪ω✪。.。`) )♡

夢叶えてくれた小林さん、神~★

シャクヤクの球根はこちら! じゃじゃん!

 

 

「この子達が次のシャクヤクの芽になるんです」

 

 

もちろん拝見した後はもう一度定植。ありがとうございます!

 

そんな一連の作業の時に気づきました。1歳のシャクヤクの赤ちゃんを包み込む土がまるでふかふかベッド。

 

★ふかふかベッド

小林さんが1年株を掘り起こす様子を見て思いました。このベイビー株を包む土壌はなぜこんなにふかふかなのですか。

「この地域はエノキダケの生産が盛んで、エノキダケの生産の時に出るおがくずをこの土壌に漉き込んでいるんだよ」

遠くから見えたおがくずの集積場。

 

なるほど~。エノキダケといえばシャクヤクと並ぶ中野市の名産品の一つですね。

中野市のシャクヤク生産者さんのうち8割くらいのみなさんがエノキダケの生産で使うおがくずを再利用しています。

 

「エノキダケを出荷した後のおがくずは産業廃棄物になってしまうんだよ。それをシャクヤク生産で再利用しているってわけ。おがくずを入れると土がサラッサラになるというメリットがあるんだ」

 

こちらをご覧ください⇓


昔あったシャンプーのモデルさんのサラサラヘアを彷彿とさせるようなサラサラっぷりです。

これがいいのですか?

「これがいいの。腐葉土のような働きをしてくれるんだよ。保水性や通気性がよくなる」

通常おがくずを入れようと思ったら、買わないといけませんし、またおがくずを捨てようと思ったら産業廃棄物として処理にお金がかかるわけです。

それをエノキダケからシャクヤク生産に再利用できれば、一石二鳥にも三鳥にもなりますね。

 

まとめますと、おがくずを入れると以下のような効果期待できます。

  • 土壌改良剤の役割(通気性、保水性、保肥性の改善)
  • 微生物の活性化(土壌内の微生物のエサとなり、土を健康な状態に保つ)

そして、おがくずを処理するエノキダケ生産者さんにとっても、土壌改良材として利用するシャクヤク生産者さんにとってもコスト削減になりイイコトづくめ。

究極のSDGsではありませんか。

 

「粘土質の土がふかふかになれば、土が軽くなるので根が成長するのにストレスが減って、根が張りやすくなるんだよ」

なるほど、ここにも中野のシャクヤク日本一の秘密が隠されていました!中野のシャクヤクを育てているのは中野のエノキダケでもあった。

地域農業の共存共栄ですな。

 

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

 

後編へ続く。

副会長の江原さんとJA中野市花卉部会様の格言は後編にて!

 

 

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写真・文責:内藤育子@大田花き花の生活研究所

ミルキーホワイトなど一部の写真は小林健一さんにご提供いただきました。