花を飾るきっかけの秋

大田花き
 9月を迎えました。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、今年もまだしばらく暑い日が続きそうです。一方で、被災された地域の状況や、各地の天候不順、水不足が産地に与える影響も気になります。また、そうした中でも、9月は9日の重陽の節句、21日の敬老の日、20日から26日の秋彼岸、そして25日の中秋の名月と、花を手にしていただく機会が続きます。秋彼岸明けからはブライダルシーズンも始まりますので、各産地の立ち上がりに影響がないことを祈るばかりです。

 さて、最近はグループ会社となった東日本板橋花きを出来る限り訪れ、従業員の皆さんと少人数で意見交換を行っています。仕事のやりがいや課題、これから挑戦したいことなど幅広い話題について率直に語り合う中で、世代や立場による考え方の違いはあっても、誰もが前向きに日々努力していることを心強く感じています。会社の成り立ちや企業文化の違いはありますが、共に学び合い、業界の発展と、笑顔あふれる活気ある大田グループの実現に努めてまいります。

 一方で、花そのものには人の心を癒し、暮らしに彩りを添える大きな力があるにもかかわらず、生活者の皆様にその魅力を届け、実際に手に取っていただくための「きっかけ」は、まだ十分とは言えないように思います。

冒頭に申し上げた通り、9月は花にまつわるイベントが控えています。花き業界に携わるものとしては馴染み深いものばかりですが、生活者の認知度合いは如何でしょう?出来る事なら花のヘビーユーザーだけでなく、普段あまり花を買わない方にも、花を贈ったり飾ったりするきっかけを届けていきたいところです。

 例えば、9月9日の重陽の節句とは何ぞや?桃の節句や端午の節句ほど知られてはいませんが、長寿や無病息災を願う五節句の一つです。縁起の良い数字とされる「9」が重なる日に、邪気を払うとされる菊を飾る風習が古くから受け継がれてきました。

今だからこそ、こうした伝統や文化の良さや文化の継承がカッコ良いのではないか?と改めて感じますね。

秋の夜長に読書を楽しみながら、お花屋さんで気になった一輪を買って花瓶に挿し、お団子を食べながら月を眺める。そんな静かで清らかな時間が、日々の暮らしに心の余裕を与えてくれるように思います。

 産地、市場、生花店、それぞれの立場から、花を贈ったり飾ったりする「きっかけ」を一つでも多く届けていく。そんな9月にしていきたいと思います。

Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO250/40mm/0.3ev/f14/1/160s

萩原 正臣 9:00