市場の対流

花き業界
 先日、業界を代表する関西の花市場を訪問し、近況報告や意見交換を行う機会をいただきました。営業面において競争関係にありますが、「生活者に花のある暮らしを届ける」という大きな目的は共通です。今回お伺いした市場の皆さまに共通していたのは、地域の流通を支える公共インフラとしての使命を強く認識していることでした。生産者、生花店、物流事業者など多くの関係者に対し、地域特性に応じた利便性を提供しようという明確なビジョンを持ち、その実現に向けて積極的な投資を進められていました。

 近年は気温上昇への対応や、いわゆる「2024年問題」に代表される物流環境の変化への対応が不可欠となっています。関西の市場では定温施設の整備などを進め、コールドチェーンを意識した鮮度保持と効率的な物流、さらには働きやすい環境づくりに取り組んでいました。当社でも低温区画や差圧予冷設備を活用しながら、お取引先の皆さまのお困りごとに対応し、結果的に生活者へ花のある暮らしがより活性化するように努めております。

 また、関西圏ではコロナ禍を契機にイブニングクロック(夜間のセリ)を導入し、働き方の改善につなげた事例もあります。一方、大田花きは現時点では、「最後まで現物セリにこだわりたい」と考えています。人手不足への対応、物流の効率化という面では、画像セリに優位性があることも認識していますが、建値市場として、日々変化する花の品質と価値が適正に価格へ反映される環境を守り続ける方針でおります。勿論、将来、情報だけで現物の状態が手に取るように分かる時代が来れば、方針変更を検討していくかもしれません。

 例えば、生産者が箱詰めの段階で写真を撮ることで、輪数やステムの硬さ、ボリューム、花の付き方、色味、枝分かれ、花径、日持ち、切り前などが、ぱっと見で認識出来るようになれば時代が到来したと認識しても良いかもしれません。現物が届く前に取引する以上、事前の情報と実際の商品との差をいかに小さくするかは重要です。ここが十分でないと、商品と価格のズレも少しずつ大きくなってしまうのではないかと感じています。

 今回改めて感じたのは、営業面では大いに競い合う一方、物流やシステム、需要喚起などはもっと連携できるということです。各社が似ているけれど少しずつ違う仕組みをそれぞれ作るよりも、共通化できるところは共通化し、コストを抑えていく方が良いのではないかと思います。また、地域によって求められる花の長さや規格も異なります。そうした違いをうまく組み合わせることができれば、生産者の歩留まり改善にもつながります。

 連携企業が増え、本音で意見交換できるようになれば、もっと効率的に業界の活性化に繋がる未来が待っていると理解しております。今回の関西訪問を通じて、改めて他市場や関係企業と顔を合わせ、率直に意見交換することの大切さを感じました。

Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO4000/52mm/-1.7ev/f8/1/125s

萩原 正臣 9:00