豪雨災害から一年ほどしかたっておらず、平成28年熊本地震からも10年足らずです。短い期間に災害が繰り返される現実を前に、言葉を失うばかりです。復興が一日でも早く進むよう、当社として何ができるのかを考え、取り組んでまいります。
さて先週、日頃よりお世話になっているJAハイナントルコギキョウ部会の役員の皆様にご来社いただき、今シーズンの反省会を開催しました。JAハイナン管内では、昨年9月の台風15号に伴う竜巻により、住宅、ハウス、作業場、お茶畑などに大きな被害が出ました。その影響で、3名の生産者が今期の生産・出荷を断念され、部会全体の出荷量も前年を下回りました。改めてお見舞い申し上げます。
こうした厳しい状況のなかでも、同部会は「品質向上」に真正面から向き合ってこられました。従来から共選規格に満たない商品は個選で出荷されていましたが、「より高い品質の商品を産地として安定供給したい」という強い思いのもと、共選規格を満たす商品の生産に向けて栽培管理を徹底した結果、今期の共選比率は前年より14ポイント上昇しました。生産量の約4分の3を占めるまでになり、厳格な基準を満たした商品として市場から高い評価を得ています。
筆者がトルコギキョウを担当していた頃は「量こそ力」ともいわれる時代で、出荷量が産地の存在感に直結していました。当時のハイナンと言えば、生産者数と出荷量の多さが大きな強みでした。しかし、現在は市場環境が大きく変化しています。国内需要が縮小するなか、量だけではなく、「なぜこの商品が選ばれるのか」が問われています。JAハイナンでは、品質を高め、その価値を商品として伝える努力を続けており、その成果が着実に芽吹き始めていると感じています。
会議に先立ち、品目担当者から託されたコメントをそのままお伝えしました。
「上位等級だけでなく、下位等級にも固定客がついている。等階級や価格に対して、それ以上の価値を感じていただき、指名買いが続いている」
これは、一時的な販売実績ではありません。品質向上を積み重ねてきたことで、お客様との信頼が生まれ、産地ブランドが育っている証しだと思います。
一方で、正副部会長をはじめ部会員の皆様は実にストイックです。
「温かい言葉はありがたいが、それ以上に改善点を厳しく指摘してほしい。産地を訪問していただき、我々が目指すべき方向を示してほしい」と。
現状に満足しない姿勢は、以前と変わりません。これこそが、長年評価されてきた産地の強さだと感じました。
年内の本格出荷についても、品質が十分に安定する時期まで出荷を見送り、産地ブランドを守りたいという考えをお持ちです。一方、生花店からは11月から安定した供給を期待する声もあります。可能・不可能は次の話で、出来るようにするためにはどのように取り組むか?を前向きに検討して頂きたい。できない理由を考えることなく、実現するために何が必要かを一緒に考える。その姿勢で取り組んでまいりましょうと、筆者からもお伝えしました。
終始和やかな雰囲気で会議は進みましたが、お互いが乗り越えるべき課題を率直に共有し、その先にある未来を語り合う時間だったと思います。同じ山を見上げ、同じ頂上を目指しているからこそ、立場を超えて本音で語り合える。そのような時間に大きな価値を感じました。
心地よい話だけではありませんでした。耳の痛い話もありましたが、前向きに成長するための意見交換は実に楽しく、希望を抱く事が出来ました。
届けたいのは、花そのものだけではありません。花を通じて生まれる喜びや会話、笑顔、心豊かな時間です。生産者の皆様が丹精込めて育てた花が、多くの方の暮らしを彩り、大切な場面に寄り添っていく。そのためのお手伝いを、これからも産地の皆様と一緒に続けていきたいと思います。
Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO100/46mm/-2.3ev/f2.8/1/1250s
萩原 正臣 9:00
