一方で、世界に目を向けると、こちらも負けないほど熱い議論が繰り広げられています。それが「AI」です。
最近では、「Claude(クロード)」というAIを開発するアンソロピック社が、自社AIの軍事利用を巡り米国政府と対立したことが話題となりました。AIはもはや単なる便利なツールではなく、国家安全保障や国際競争力にも大きな影響を与える存在になりつつあります。
平穏無事に暮らしている我々からすると、幼少期に見た映画『ターミネーター』の世界が現実になりつつあるのか?と感じる一方、まだ実感が湧かないというのが正直なところです。しかし、少し前まで「未来の技術」だったAIが、今や政府や企業を巻き込みながら社会の在り方そのものを変えようとしていることは間違いなさそうです。
もっとも、筆者自身はAIの活用方法を理解したとは言えない状態です。何かあればCopilotに問いかけ、慣れるところから始めております。非常に便利ではありますが、「これこそ最適な活用法だ」と言い切れる段階には至っておりません。AIを使える環境は整ったものの、どう活用するのが最も効果的なのかを模索している方も多いのではないでしょうか。
では、花き業界ではAIをどのように活用すべきなのでしょうか。筆者は「人の代わり」ではなく、「人が考える時間を増やす」ために使うことが重要だと考えています。
例えば、需要や出荷量の予測、価格動向の分析、物流計画、商談準備、議事録作成、情報整理などは、AIとの相性が良さそうな業務です。AIに示してもらい、最後は人が現場の経験を加えて判断する。現実的には、そのような役割分担が広がっていくと思います。
一方で、生産者や生花店との信頼関係構築、新たな需要創造、人材育成、組織文化の醸成など、人間だからこそ携われる仕事が沢山存在しております。
さらに、花は喜びや安らぎをもたらし、人の心を豊かにする存在です。贈る人の想い、受け取る人の笑顔、生産者のやりがい、生花店のこだわり。こうした感情や価値をAIが完全に理解することは難しいでしょう。AIに仕事を奪われると考えるのではなく、AIに任せられる仕事は任せ、人は人にしかできない仕事に集中することが大切です。
また、重要な事はAIを導入すること自体ではなく、「AIを使って何を実現したいのか」を考え、明確にすることではないでしょうか。 花き業界で言えば、生産者所得を向上させたい。物流問題を解決したい。生花店の収益を改善したい。生活者に花のある暮らしを広げたい。その目的を実現するための手段としてAIを使うことが重要だと思います。「導入すること」が目的になってしまうと、期待した成果にはつながりません。
花き業界は人手不足、物流問題、生産量減少、需要縮小など、多くの課題を抱えています。しかし見方を変えれば、そうした課題に向き合うための新しい道具が現れたとも言えます。 無料で利用できるAIも増えています。今年の夏、大切で忙しい需要期を迎えますが、まだAIを本格的に使ったことがない方はもちろん、使いながら活用方法を模索している方も、改めて時間を作って向き合ってみてはいかがでしょうか。
正解はまだ誰にも分かりませんし、進化し続けることでしょう。 だからこそ今は、触ってみること、使ってみること、考えてみることに価値があると思っております。 そしてその先に、花き業界ならではのAI活用方法が見えてくるのではないかと考えております。
Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO100/62mm/0ev/f5.6/6.0s
萩原 正臣 9:00
