少し気が早いですが、梅雨明けは昨年で6月28日頃、平年は7月19日頃。これから約1ヶ月、梅雨前線とにらめっこの日々が続きそうですね。とはいえ、梅雨は梅雨なりに楽しみを見つけたいものです。雨と紫陽花、そしてカタツムリ。幼少期のお絵描きで定番の光景が思い出されます。塞ぎがちな空の下でも、花が一輪あるだけで室内の景色はぐっと華やぐのではないでしょうか。屋外のアクティビティが難しくなるこの時期こそ、屋内で力を発揮する「花のある暮らし」を、もう一歩前に進めていきたいところです。
さて、最近の社会・経済のトピックに目を向けますと、プラスチック製品の供給不安、食料品の値上げ、AI関連銘柄の高騰、日経平均株価の高値更新、熊の出没情報や闇バイトの残念ニュース、回転寿司チェーンでの迷惑動画など、実に多岐にわたります。
そんな中で明るいニュースを探してみると、67の国と地域から1,727人の学生が参加し、アメリカで開催された世界最大級の科学技術コンテストにおいて、日本の高校生、栗林輝さん(17)が見事世界一に輝きました。研究テーマは「マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いたリンク機構に関する研究」とのこと。「ハイハイ、あれね!」と頷かれた方も多くいらっしゃるでしょうが(笑)、一部の動きが全体に連鎖する性質を応用するものだそうで、建築や宇宙工学にも広く活用されている考え方だそうです。若い世代が世界の舞台で成果を上げていることは本当に頼もしく、心よりお祝い申し上げます。
一方で、経済環境については、まだまだ楽観できる状況ではありません。ようやく値上げラッシュが落ち着いてきたかに見えましたが、ホルムズ海峡をめぐる問題などを背景に、原油・ナフサを起点としたコスト上昇懸念が再燃し始めています。従来は個別商品の値上げが中心でしたが、今回は原油を起点とするものであり、ほぼすべての産業に影響が及ぶ点が特徴です。「高いかどうか」ではなく、「そもそも安定的に入手できるのか」が大きな課題となっており、影響を受けない分野はほぼ存在しない状況と言えます。とりわけ農業・食品分野については、数ヶ月から1年程度遅れて影響が顕在化する傾向があり、真の物価上昇はこれから本格化すると見ておくべきでしょう。
価格転嫁が難しい業界は徐々に体力を削られ、綻びが生まれる可能性を否定できません。生活者もまた、これまで以上に厳しい目で商品やサービスを選ぶようになるでしょう。川上の厳しさはもちろんのこと、同時に、生活者のマインドを想定しながら事業を運営していくことがますます重要になります。
我々は長らくデフレ環境に身を置いてきましたが、もはや世界はインフレを前提とした局面へ移行したのだ!という認識を持つことが必要でしょう。いつか落ち着く日まで一時的に利益を削って耐えるのではなく、新しい前提で事業の姿を組み替えることが重要です。高品質・高付加価値路線や、標準品質の商品を大量安定供給してコスト低減する路線など、それぞれの需給バランスを整えながら、マーケットリサーチや販売店との密なるコミュニケーションが尚一層欠かせなくなってくると思います。そして得られた利益を次の投資へと着実につなげ、生活者の期待に応えていくべきです。
花き業界も正念場を迎えております。生産資材や輸送環境の制約に加え、消費地では購買意欲の低下も見られ、これまで以上の工夫が必要です。
一方で、春彼岸や年度末、母の日需要は好調であり、ハレの日に花が欠かせない存在であることが改めて確認されました。ここからはもう一段工夫して、生花店の皆様を中心に、日常の中で花を楽しんでいただく仕掛けづくりが重要になります。市場としても全力でサポートさせていただきます。インフレの時代において、花の日常使いをどう確立していくのか?を突き詰めてまいりましょう。
厳しい環境ではありますが、だからこそ知恵と工夫の見せどころです。丈を短くした手に取りやすい価格帯の商品の標準化や、希少性を活かした限定販売の提案など、コンセプトごとに進め方は様々です。
チャレンジングで熱い夏にしてまいりましょう。
Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO8000/43mm/-2ev/f9/1/125s
萩原 正臣 9:00
