ちなみに、2026年の台風1号は既に1月26日に発生しており、「ノケーン(つばめ)」とラオスが提案した名称でした。例年よりやや早い動きとなっており、これから迎える8月~9月にかけては、やはり気の抜けないシーズンになりそうです。
さて、今回は少し肩の力を抜いた話題をお伝えしたいと思います。
最近は立て込んでおりましたが、先日時間が取れましたので、少々早いと承知の上で「蛍」の撮影にチャレンジしてきました。蛍は比較的水のきれいな場所で幼虫期を過ごします。主食はカワニナ(巻貝)で、これが育つための適度な石やコケがあり、流れのある川が生息環境としてはピッタリです。幼虫は5月頃に陸へ上がり、湿った場所で過ごしたのち、やがて成虫となります。
成虫となった蛍は、幻想的な光を放ちながら飛翔し、初夏の夜に趣を添えてくれます。いわば桜前線ならぬ“蛍前線”とも言えるように、その飛翔時期は地域によって異なり、九州では5月中旬頃から、関東では6月上旬、東北では6月下旬から7月にかけて見られます。蛍の活動は、花と同様に積算気温の影響を受けるため、気候によって前後します。
また、蛍が飛ぶための条件もなかなか繊細です。気温は20℃前後、湿度が高く、風のない穏やかな夜が最適とされ、前日に雨が降っていると特に好条件になります。風が強い日には飛び回ることができず、葉に止まったまま発光する様子も見られます。大変デリケートな方々ですので、フラッシュを焚いたり、車のヘッドライトが当たったりすると驚いて飛ばなくなります。
蛍の発光は求愛行動であり、雄が光で雌を探し、雌がそれに応答することで成り立っています。私たちはその営みを初夏の風情として楽しませてもらっている立場でもありますので、触れたり捕まえたりせず、強い光を当てない、そして何より彼らの生息環境を守る配慮が大切だと感じます。
今回は、その蛍の光跡を写真に収めるべく、長秒露光(長い時間シャッターを開く撮影)で複数の画像を重ねて明るい部分を残す「比較明合成」という手法を用いて一枚に仕上げました。文末の写真は、10秒間の撮影を約40枚重ねたもので、ゆったりとした光の軌跡から、おそらく源氏蛍ではないかと思われます。これまで何度か挑戦してきましたが、ようやく少し納得のいく形に近づいてきたように感じています。
自然の営みは、ほんのひと時の条件が重なって初めてその美しさを見せてくれます。これから迎える季節の移ろいの中で、皆様にもそうした小さな出会いが訪れ、新たな活力の元となることを願っております。
Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO10000/57mm/-1.3ev/f10/1/160s
Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO200/24mm/0ev/f2.8/10s
萩原 正臣 9:00
