各地で卒業式が行われ、ハレの日を彩る花々が活躍しています。さらに春彼岸も目前に迫り、人事異動や離任式がその後に続きます。筆者にとってこの一年は多くの出会いと経験に恵まれた時間でしたが、皆さんはいかがだったでしょうか。年度末にはやや早いですが、心に余裕を持って立ち止まり、一年の軌跡を確かめる良い時期かもしれません。
さて本日は、「プロ」と「アマチュア」の違いについてです。題材として、筆者の趣味である写真を取り上げながら考えてみたいと思います。
まず、両者の違いは何があげられるでしょうか?・・・うんうん、その通り!「お金をいただくかどうか」です。プロカメラマンは依頼を受け、報酬を得て撮影します。一方、自己満足で好きなように撮影し、自分で楽しむ方をアマチュアカメラマンと規定する事が出来そうです。ネット販売や個展開催、友人の依頼で報酬を得るようになれば、それはセミプロ、あるいはプロと呼んでも差し支えないでしょう。
筆者は隔月刊の風景写真雑誌を購読していますが、プロ・アマ問わず驚くほど美しく、物語を感じさせる作品が多くあります。美しいかどうか、魅力的かどうか、好きか嫌いか――これらはプロとアマを区別する材料にはなりません。判断の最低条件は、やはり「報酬の有無」だと感じています。
筆者は自然風景が好きで、このコラムにも勝手ながら一枚写真を掲載しています。ただ、決してお金をいただけるクォリティーではありません。公共の場をお借りして何とも申し訳ない限りではありますが、「大田花きの社長はどんな被写体に興味を持ち、どんな気持ちでシャッターを切っているのか」と思いを馳せていただければ幸いです。少しでもご迷惑をおかけしないよう、引き続き精進いたします。
写真といってもジャンルはさまざまです。筆者のように自然風景に惹かれる人もいれば、動物が好きな方も、近代建築が好きな方も、人を撮ることが好きな方もいらっしゃるでしょう。どのジャンルであっても、プロやセミプロの方々は技術力があり、ご自身の得意分野以外でも幅広く撮影できるでしょう。しかし最後にものを言うのは「好きかどうか」。心が弾む対象かどうかが、作品に大きく影響するように感じています。例えば動物が苦手な方が、動物写真を生業にしているとは思えません。好きでもなく、生態も知らず、興味もないのに撮り続けることは想像しにくいものです。
筆者は水面から上がる朝もやの中、昇り始めた太陽の逆光を利用し、木々のシルエットと流れる水を幻想的に撮影するなど、都会の喧騒を離れた自然の恵みを切り取る事にワクワク感を覚えるタイプです。自分が納得できる色味や構図、見た目に近い静止画が撮れた時、何とも言い難い感動や満足感を感じます。まさに“好きこそ物の上手なれ”だと思っています。
では、皆さんのお仕事はどうでしょうか。収益を生み対価を得ている以上、立派な「プロ」です。業務に関わる事象を理解し、知識や対応力を備えることは欠かせません。様々な職種がありますが、今の仕事に誇りとやりがいを持ち、改善を通じてより良いものにしていこう!と意気込む姿勢こそ、最も幸せな状態ではないでしょうか。
プロカメラマンに話を戻しますが、依頼者に感動を届け、期待値を少し、あるいは大きく上回る作品を提供することがプロカメラマンの真骨頂です。これは写真に限らず、あらゆる仕事に通じる姿勢だと思います。言われたとおりに作業をこなせば、確かに求められたミッションは達成できるかもしれません。しかし、もう一度選んでいただくためには、相手の期待を超える価値を生み出す必要があるでしょう。そうした体験を積み重ねることで、そのお客様はロイヤルカスタマーとして信頼関係で繋がるのではないでしょうか。
そのためには、目的の核心だけでなく、その周辺にある背景や状況まで含めて理解すること、そして相手の期待の“その先”にあるものを想像する姿勢が欠かせません。最終的な到達点に向けて歩みやすくなるようサポートすることも重要です。そうした努力を続ける覚悟があれば、成果は生まれ、支持され、感謝され、必要とされる――繁盛店の店主になる事が出来るのではないでしょうか。組織であっても、最小単位は一人ひとりの“個人商店”です。自分磨きを怠らず、できることを増やし、より難度の高いやりがいある取り組みに挑戦できるようになることは、どの分野においても大きな喜びにつながる筈です。
Canon EOS 6D MarkⅡ/70mm F2.8 DG MACRO|Art 018/ISO100/70mm/-0.3ev/f2.8/1/2000s
萩原 正臣 9:00
