最近の出来事では、福岡花市場様がセリ時間を夜間へと運用変更されました。業務の効率化を突き詰め、本来注力すべき業務へ「選択と集中」を行うという大きな決断です。引き続きお話を伺いながら、我々自身の在り方についても深く思考していきたいと思います。
昨年の3月から一年が経とうとしております。3月は桃の節句、ミモザの日(国際女性デー)、ホワイトデー、春彼岸、卒業式、離任式などが重なり、生活者にとっても花き業界にとっても極めて重要な月であります。しかし昨年は生育遅延や外的影響を大きく受け、大変厳しい年度末商戦となりました。コスト高は生活者の購買心理に影響を及ぼし、その影響は生花店のみならず、とりわけ生産者に強く及んでおります。生産量減少に歯止めを掛け微減で踏みとどまれるのか、それとも拍車が掛かり大幅減少へと向かうのか。2026年の春彼岸は、業界にとって極めて重要な局面を迎えます。
業界の共通目標は「世界を花で笑顔にすること」「生活者に幸せな暮らしを届けること」です。そのためには業界全体が協力し、活気ある取引をつくることが欠かせません。サプライチェーン全体を意識し、パートナーと連携しながら、持続的に発展する取引を進めていきます。
さて本日は、多様性の時代において、どのような接点を持ち、いかにコミュニケーションを図り、マネジメントを通じて従業員やお取引関係者の成長とお役立ちを支援すべきかという、個人的テーマに基づき記したいと思います。
今回、冒頭の九州大田花き取締役会は、参集範囲を広げて実施しました。取締役が議論すべき事案は別途協議しましたが、部課長クラスまで対象を広げ、執行部が何に着目し、どこへ向かい、そのために何が必要かをオブザーバーとして体感してもらうことを目的に集中審議を行いました。
九州大田花きは、農協市場が多く存在する九州圏で事業を開始し、当初は需給調整機能を発揮しながら、消費より生産の色濃い地域の活性化に貢献してきました。紆余曲折を経て現在がありますが、引き継がれている価値観は大きく二点です。第一に「九州大田花きが提供できる、期待されるサービスは何か」。第二に「相手は何に困っており、我々は何を提供できるのか」というソリューション志向です。この二点を軸に日々の業務に尽力しています。
その上で注意すべきはマイクロマネジメントです。言わな過ぎれば放任主義、言い過ぎれば過干渉。過度な指示は指示待ち症候群を生み、自ら考え動けない社員を増やしかねません。この塩梅こそが難しくもあり、同時にやりがいを強く感じる部分でもあります。
現代はデジタル化やAIの進展が目覚ましく、若手は生まれた時からスマホやAIを手元に持ち、質問すれば即座に回答が得られる時代です。しかし、現場での体感や適切なキャリア形成の価値は不変です。中堅や上層部は哲学を持ち、変化の激しい時代を見据えた仕組みづくりを進めることが求められます。
さらに、マネジメントにおいては、相手の実情を見据えて対応することも大切です。入社当初より、会長の磯村から学んだ「やる気×スキル」という考え方があります。それぞれを5段階で捉えると、やる気5×スキル5で最大の25の成果となり、やる気1×スキル1であれば結果は1にとどまります。たとえスキルが5あっても、やる気が4に下がれば成果は20となり、わずかな意欲の差が結果を大きく左右します。環境は日常的に変化しますが、マネジメント側は意欲や能力の高低に応じて対応を変えることが大切です。
(やる気)=意欲 が低い人・高い人
(スキル)=能力や経験 が低い人・高い人 と区分すると、
・意欲もスキルも低い → 指示を出しながら支援する
・意欲は高いがスキルが低い → やり方を示して途中は任せる
・意欲は低いがスキルは高い → 対話で動機付けし成果を引き出す
・意欲もスキルも高い → ゴールを伝えたら任せる
つまり、状況に応じて①教える(ディレクティブ)、②引き出す(コーチング)、③支える(サポート)、④任せる(デリゲーション)を使い分けることが重要です。
今回の拡大取締役会でも、人により理解の深さや表現方法に差があること、共通ルールの曖昧さを感じました。阿吽の呼吸に頼るのではなく、言語化・数値化できる部分は明確にし、ファジーな部分も対話を重ねて、誤解や錯覚のないレベルまで感覚を揃えることが必要だと考えます。
中期ビジョンの数値目標についても、なぜ取扱高や利益、シェアを増やすのか、その理由まで共有できれば、行動や提案の精度が高まり、やりがいを持って成果に近づけます。ここで言うところの成果とは、勿論株式会社としての経営なので、利益という事になるのですが、それ以上にプロセスが重要です。適切な手順を踏み、経験を積み、成長して引き出しを増やすことが将来の可能性につながります。社員には、関係者の考えを理解し、仮説を立てる力を磨きながら、成長を実感しつつ目標の数値を着実に達成してほしいと考えています。
その実現のために、上司自身も日々自問自答し、どうあるべきかを考えることが求められます。
Canon EOS 6D MarkⅡ/24-70mm F2.8 DG OS HSM|Art017/ISO800/70mm/-1ev/f4.5/1/125s
萩原 正臣 9:00
