「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざは、江戸時代後期の文献にも見られ、長きにわたり我々の暮らしに溶け込み、親しまれてきたフレーズである。春分・秋分の日は昼夜の長さがほぼ等しくなる節目であり、本年では9月23日以降、夜が徐々に長くなるとされている。このことわざに従えば、季節は次第に秋めき、過ごしやすい気候へと向かっていくはずである。しかしながら、地球温暖化が進み、国連でも「地球沸騰化」に置き換えて警鐘を鳴らしているように、気候は異常を極めつつある。今後、この「ことわざ」ですら改訂が必要な時期がやって来るのではないか?と感じており、もう暫く夏の象徴でもある積乱雲とのお付き合いが必要になりそうである。
さて、昨日プレスリリースにて発表した通り、2025年9月2日、株式会社大田花きと株式会社東日本板橋花きは、株式譲渡に向けた協議を開始するため、基本合意書を締結した。
現在、花き業界を取り巻く環境は、気象変動や資材・物流コストの高騰、少子高齢化による生産者減少、消費構造の変化など、依然として厳しい環境が続いている。こうした中でも、当社は業界の持続的成長と生活者への価値提供を両立させるべく、日々課題解決と市場の活性化に取り組んでいる。
これらの取り組みを更に実直に推進するにあたり、東日本板橋花きと連携して推進してゆく事を決断した。同社とは、業界に対する想いや企業理念において高い親和性があり、「業界関係者の利益拡大」と「生活者に花のある暮らしを楽しんでいただきたい」という共通の価値観を持っている。互いの強みを活かし合い、補完し合うことで、業界の持続的な成長に貢献できると確信している。また、当社が開発した基幹システムが、東日本板橋花きにも導入された実績もある。ライバルでありながら、多くの面で親和性を感じつつ、それぞれの道を歩んできた両社であるが、今後は連携を深め、シナジーを最大限に高めながら、ともに業界の未来を切り拓いていきたいと考えている。
最後に、確かな成果へとつなげるためには、何よりも、明るく元気に、社内外の顧客と向き合い、主体的に課題解決に取り組む従業員の存在が欠かせない。今後、より具体的な方策の協議が始まっていく段階に入るが、適切なコミュニケーションを通じて従業員一人ひとりのやりがいを創出し、その成長が両社の成長へとつながるよう、共に努力を続けていく。
当社は、「世界を花で笑顔にする」というパーパスのもと、生産者から生花店、そして生活者に至るまで、花き流通のサプライチェーン全体の価値向上を目指してきた。お取引先各位をはじめとする関係者の皆様にはより一層の貢献を果たし、そして生活者の皆様に、これまで以上に潤い豊かな「花のある暮らし」をお届けできるよう、今後とも精進していきたい。
引き続き、大田花き並びに東日本板橋花きへ、変わらぬご厚情を賜るようお願いする次第である。

Canon EOS 6D MarkⅡ/SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A09)/ISO12800/63mm/-0.3ev/f8/1/80s
萩原 正臣 9:00