さて、本年のゴールデンウィークは前半・後半の飛び石連休であったが、企業によって少し融通が利くと、4/26(土)から5/6(火)の振替休日まで、実に最長11連休を取得することが出来たようだ。インフラの観点では、国内外向け航空便や全国各地を行き来する鉄道路線も活況を呈し、予約状況は軒並み昨対10%UPと好調だった模様。コロナ禍で忘れていたあの満席や幹線道路の大渋滞を久方ぶりに思い出したのではないだろうか?
非日常を味わえる海外渡航への決断は、この大型連休を利用して、やや円高に振れた為替が心理的ハードルを抑え、背中を押してくれたことだろう。国内旅行では4/13(日)開幕した大阪・関西万博から「ミャクミャク」が手招きしたこともあり、例年以上に関西圏への人流増加が顕著となった模様。また、数年前から傾向の変化を皆さんも実感しておられるだろうが、インバウンド需要含め、いわゆる観光スポット周遊・グルメ旅も根強い人気だが、体験型消費・コト消費へのニーズが年々高まりを見せ、実績を高めている観光先進地は、地域一体となって感動や喜びをお持ち帰り頂こう!是非リピートしてもらおう!と準備に余念がない。需給バランスがマッチし、ゴールデンウィークも一定の成果を収めている。 調査会社の調べによると、ゴールデンウィークにおけるレジャー予算は約3万円で前年比5%増のアンケート結果であり、過半数を占めた増加理由は「円安・物価高」対策費であった。 加えて、多様性の時代を迎えているわけだが「海外旅行」が例年並みをキープしつつも「自宅でゆっくり過ごす」と答えた回答者が37.3%と最多であった。
筆者もコラム書きながら深く反省しているが、取り巻く環境や消費ニーズの変遷を観察・察知し、仮説を立て、花き業界の活性化にどれほど向き合えただろうか?正直例年通りの営業体制で、例年通りの経営手法に終始し、時代の波に乗り遅れたのではないか?と猛省している。 ニュースを見ていると、一年前より宿泊費が高騰している。宿泊先のランクやサービスが低下していると、為替の影響や、受け入れ側の対策遅れで興ざめした来日外国人のコメントが耳から離れない。海外ならもっと割高なサービスを受けているのだから、少々高くても来日観光客には割安に映るだろう?!といった安易な判断が致命傷になりかねない。来日外国人の期待感は日本のホスピタリティー(深い思いやり・優しさ・オモテナシ)とのふれあいではないだろうか? 成功事例をたまに見聞きするが、「これなら値段も気にせず、またリピートするよな~!」と舌を巻く。それでいて出過ぎない日本らしい的確なサービスが展開されているのを感心しながら拝見したものだ。 今一度自戒の念をもって「準備八割本番二割」で引き続き頑張って参りたい。
さて、先週に続き気候変動の話題を取り上げたいと思う。 生物多様性の危機には、気候変動など地球環境の変化も起因していると、先週のコラムでお伝えさせていただいた。 人の手による護岸工事や、湿地の埋め立て他、生物が生息できなくなるケースも沢山見受けられるが、敢えて今回は 気候変動 や プラスチック汚染 が原因となり絶滅の危機に瀕している、我々が良く知る動植物を先ず共有しておこう。
◇スズメ
田畑の減少で巣作りに向く環境が減少し、農薬の使用や水田の乾田化で餌となる昆虫や植物が減少。気候変動により季節の変化早まり、繁殖や餌の確保に影響出ており、1990年代と比べて個体数は20~50%程度にまで減少している。
◇ホッキョクグマ
北極の海氷が減少し、狩りや繁殖が困難になっており、餓死や繁殖率の低下が深刻化している。21世紀半ばには多くの個体群が消滅する可能性も出てきている。
◇ジャイアントパンダ
主食である竹が気候変動により開花周期や生育に影響を受け、生息地が縮小しており、食料と生息地の両方を同時に失うリスクが高まっている。
◇アデリーペンギン
南極の氷の減少により、繁殖地や餌場が失われつつあり、一部のコロニーでは個体数が激減している。
◇ウミガメ類
ビニール袋などをクラゲと誤食し、消化不良や窒息死。世界中で個体数が減少しており、特に産卵地の汚染が深刻化している。
◇アホウドリ類
親鳥が海洋プラスチックを餌と間違えてヒナに与え、ヒナの死亡率高く、繁殖成功率が低下している。
その他、日本ウナギや奄美の黒兎、西表山猫や大山椒魚なども予断を許さない状態となっている。
では、何故このような展開に陥っているのだろうか?である。 18世紀後半にイギリスで産業革命が始まり、農業が鉄鋼業などに代わり、石炭や化石燃料が大量に消費されるようになった。19世紀後半からは車の開発や需要が増加し、石油の消費が増え、CO2の増加が顕著となってきた。 排出されるCO2は地球の温度を保つ温室効果ガスの一種であり、温室効果ガスが全くないと平均気温は氷点下になると言われているが、勿論多すぎてはいけない。多すぎれば温度が下がらず、現在のような地球温暖化と言われる状況に陥っていく。人間の営みにより、メタンやCO2などの温室効果ガス濃度は増加し、世界各地で気候変動による影響が表れ、分り易い例でいうと、高温・大雨・干ばつなどの被害が日増しに散見されるようになって来た。
もう一つは、プラスチックである。 プラスチックは生物多様性の問題でも触れたが、同時に気候変動にも影響を及ぼしている。 プラスチック製品の多くは石油から得られるナフサ等を原料として出来ている。植物由来のバイオマスプラスチック(原料:トウモロコシ・サトウキビ・ジャガイモ等の植物由来の糖分を利用する素材)や、生分解性プラスチック(微生物によって自然に分解されるプラスチック)も増えているが1%にも満たず、その殆どをナフサ由来のプラスチックが占めている。
世界規模で自然エネルギーを利用する機運が高まっており、脱石油や脱化石燃料の流れが広がりつつあるが、産油国は減少分をプラスチック製品の生産で賄おうといった狙いもあるようだ。
また我々はごみの排出を分別し、地球環境に優しい形で地域の方針に沿って営んでいるわけだが、分別しているプラスチックが燃やされているという事実を筆者は知らなかった・・・。お恥ずかしい。燃やすと有害物質が発生することから、てっきり埋め立てているものと認識していた。 実は埋め立てた場合、紫外線に長時間当たるとメタンガスやエチレンガスが発生して、温室効果ガスの増加に繋がるという事実を皆さんはご存じだろうか? 行政の指示に沿って不燃物を分別・排出させていただいているわけだが、国内で約62%がサーマルリサイクル(燃焼熱で発電や、濡れた可燃物の燃料代わりにも利用)として燃やされて利用しており、約8%は普通に焼却されている。5%は埋め立てられ、21%はマテリアルリサイクル・4%はケミカルリサイクルとして再利用されている。 燃焼中にプラスチックからはダイオキシンが発生し易く、技術の進化で抑制出来てはいるが皆無ではないようだ。また二酸化炭素も少なからず排出され温室効果ガスの増加にも繋がっている。 5%ある埋め立てについては、長時間紫外線に当たると前述の通り温室効果ガスが発生している事は言うまでもない。
技術の進化と共に環境に与える影響は軽微と唱える専門家も居る一方、諸悪の根源はプラスチック製品だと考える専門家も居て、複雑に絡み合う条件の中では明確な良し悪しが現時点では統一されていない。 ましてや専門家でもない筆者が良し悪しを語る事は憚れるわけだが、道端においてあるプランターが長い年月をかけて風雨にさらされ、劣化し、風化して朽ち果てていくのを見かけたことがある。これも雨水と共に微粒子となったプラスチックが風に乗り、川や海に到達して、誤って食べた魚が絶滅の危機に瀕しているかもしれない。
各所に改善すべき事柄が山積されている事は言うまでもない。 同時に、良く分からないし、生きている内は大して変わらないだろう。「だったら今のままで良い」では不味い事をおぼろげに理解頂き、今回のブログを終えたいと思う。
次週は脱プラについてもう少し深堀して情報共有を進めて参りたいと思う次第である。

Canon EOS 6D MarkⅡ/70mm F2.8 DG MACRO|Art 018/ISO800/70mm/0ev/f20/1/25s
萩原 正臣 14:59