選挙結果をみて、我が身を改めて正す

大田花き
 今度の衆院選は投票率こそ低かったが、日本国民の健全な判断が選挙結果に表れていたと思う。勿論「何でこんな素晴らしい人が落ちたのか」や、「なぜこの人が再当選しているのだろうか」と思う人もいる。後者はきっと、政策通で、ネゴシエーターとして、そして地元に貢献してきた人たちなのだろうが、それでも何かすっきりしないものが私の中に残る。

 さて、皆さんの会社では「コンプライアンス・テスト」をやっているだろうか。大田花きは花の卸売市場=花のプラットフォームであり、花をお金に換える役割を担っている。そのためにはフェアで透明感のある取引を行わなければならない。国の法律やルールで、中央卸売市場は「差別的取り扱いの禁止」「受託拒否の禁止」が決められており、社会的インフラとしての公共性を担保している。そこで大田花きでは、期待される行動を取るべく、自らの行動をチェックする「コンプライアンス・テスト」を各チームの朝礼の場等で読み合わせを行い、潜在意識にまで落とし込もうとしている。
 大田花きのコンプライアンス・テストは6つあるが、特にポイントとなる3つをご紹介したい。「法律・ルールに触れませんか」「家族や大切な人を悲しませることになりませんか」「社会に迷惑をかけませんか」の3つだ。
 人間は自分を規定する動物だ。自分がどういう人間であるかを規定することによって、行動や判断が変わってくる。大田花きが最も大切にするのは「フェアプレイ」で、花の卸売会社の社員として判断、行動することが必要だ。少なくとも「大田花き」という、社会から認知された信頼を傷つけてはならない。そのためのコンプライアンス・テストであり、これを肝に銘じて行動している。しかし残念ながら、中には傲慢な態度を取ってしまう社員もいる。例えば、ある産地で行われる会議に、同業他社は社長が出席されているのに、大田花きはまだ役職がついていない若い社員が出席することがある。その産地でたまたま大田花きの取扱い数量・金額が一番だと、大田花きから先に挨拶や発言をする機会がある。その時に、自分が認められていると錯覚してしまう社員がいるのだが、これは「大田花き社員」としての一面だ。人格が他社の出席者よりも優れている訳ではない。ここで謙虚な気持ちで礼儀を持って接するのが当たり前の態度だ。このように現実を顧みて、「決して『虎の威を借るキツネ』になってはいけない」と思える人間になるべきなのだ。そのために、コンプライアンス・テストを毎日実施している訳だが、これがなかなか難しい。人には108つの煩悩があり、誰しも人は恨みや妬みの気持ちが心のそこにあることを知りながら、自分の行動を律していかなければならない。

 アメリカの大統領選挙を見ていて、何と価値観が違うものだろうかと驚く。それぞれのグループの価値観であったり、個人の価値観であったり様々だ。しかし、これらの過半をまとめて国やそれぞれの法人、あるいは個人を良い方向に導いていくための選挙が行われる。選出された国会議員たちは、実際に国を良い方向に導こうとしている。その政策の下で、我々は事業を行ったり、生活していく。今回の選挙結果では、良識ある判断が日本国民として出来たと思う。しかしこれからだ。進むべき道が良い方向にしっかり向いているかを見て、国づくりの新しい1ページに参加し、花き業界を発展していくよう努力したい。具体的には、花き農家をはじめ、花き業界のすべての分野が商売繁盛していくように毎日努力していこう。

 PS:早稲田大学に”政経学部”があるように、暮らし(経済や社会)は政治と密接に関わっている。従って、今後日本をよくするために、もっと投票率を上げていく必要がある。政治に無関心でいて、政治家に任せておけば良いという時代は終わっている。投票をすることで日本を良くしていこう。

 
投稿者 磯村信夫 12:30