選挙の年、生活に政治は密着していることを認識して投票しよう

花き業界
 七月お盆らしい相場になってきた。と言ってもこの時期の普通の相場だ。六月は2度以上も平均気温が高かったので前進してしまった植物も多い。この夏の高温による出荷期と出荷量の変動が心配される。今年の七月お盆の特徴は、当然といえば当然だが、新盆の人が前年より多いということだ。平常日に行われる七月お盆が、サラリーマン世代にとって、特別にお盆の行事をする心の余裕というか時間が取れなくなって久しい。だから、その家でお父さんかお母さんが迎え火・送り火をし、真菰、牛馬、鬼灯の飾りつけや、ある人は盆提灯を出して普段とは少し違った設えをする。昔のようにお坊さんに来ていただくとかは、ほとんどなくなった。新盆のときだけお施餓鬼をちゃんとするだとか、特別のことをしていると思うが、街の気配からは普通の経済活動をしてみんな忙しそうにしているので、お花屋さんやスーパーで盆用品や花、とりわけ鬼灯やハスを見たときにお盆だと気づく人たちがいる。そんな東京の風景だ。

 先週、イギリスで総選挙があって労働党が政権を取った。日本では、この七夕のところで東京都知事選があり、56人の候補者がそれぞれ票を集めた。そこから、世相を自分なりに理解して、会社の運営、花き業界の運営に参考にしたい。選挙の時に出て来る諦めや、くすぶった怒り、平均年齢が高くなり60歳に近づいている日本は、ややもすると覇気が無くなっていく危険がある。若者よ今の日本で良いのか、立ち上がれ。もっと成長に向け、あるいは自分の生活を良くすることに向け、自分自身の努力ももちろんだが、社会や政治に対しても欲を持つべきだ。年をとっても生きているかぎりそう思う、という声が聞こえてくる。今世紀に入って今までとは違う下り坂を止めようとするネバーギブアップの声だ。

 私は、東京で生活しているが、地方の同業者の花市場のことや園芸農村地帯の花き生産者のことを思えば思うほど、それぞれの生活を良くするためには、政治の力は大きいと思うようになってきた。商売、経済を乗り越えたところ、違ったところに農業がある。何か病院の経営と同じように農場経営も農協経営もあるように思えるのだ。地域の花き流通のインフラである花市場も同じように感じられるのである。その人達が一生懸命働いて食べていける、良い生活ができるような職業であってほしい。そのためには、繁盛することも必要だが、それよりもサスティナブルであること、存続して新たに前進していけるようにすることこそが必要なのである。選挙の年である今年、それぞれの生産生活、消費生活のことを思い投票をしてほしいと思っている。




投稿者 磯村信夫 9:39