若者にスーパーで花を買ってもらえるようにするには
花き業界
いつの間にか各家庭でも、冷凍食品が多くなってきた。お惣菜を買うことまで含めて、家で料理をすることが少なくなってくると、スーパー等でも、生鮮食料品の売り場が当然狭くなる。今後の人口動態も考慮し、卸売市場で一次加工、二次加工を行ったり、場合によっては調理してから冷凍食品化したり出来るよう、そういった施設も卸売市場内に必要になってくるだろう。そうしなければ、安定した食の供給が出来なくなるというものだ。卸売市場や、産地においては農協の集出荷所もそうだが、施設の建て替え時期に来ている。面積を確保し、新機能を織り込むことが大切だと思う。冷凍食品は、私のような高齢者の家にも入り込んできているから、簡便に食事を用意したい人に、今後ますます広がっていくものと思われる。
スーパーの売り場を見ていると、秋の果物が並んでいていずれも美味しそうだ。値段を見ると、花の消費をもっと拡大したいと思っている私には思ったより高く感じた。ここのところの経費増や出荷量の減少もあり、確実に価格が上がっている。卸売価格上がっているのだから、小売価格が上がるのは当然だ。また、そうしなければ生産者の手取りが増えない。ただ、食べてすぐ終わりではなく、一週間は楽しめる花束の方が、価格上昇を受け入れられるように思えた。あとは品揃えだ。デザイン性のある可愛い花を飾りたいのが、消費者の希望だ。ところが、スーパーの花売り場は可愛くないデザインが多い。従って、特に十代から三十代の人たちは、殆どスーパーマーケットで花を買わないのではないだろうか。ただし、普通は花束加工業者が納品しているが、そのスーパーで花束を制作しているところもある(仲卸等から原体は納品してもらっている場合もある)。自社で制作する中で、可愛らしいデザインを決めて作っているのだ。そのようなスーパーの花束は例外なく伸びている。
果物がお洒落で、食べるときに面倒くさくないというのが重要なように、花も可愛くて、咲いても「花粉が落ちずテーブルが汚れない」だったり、実が落ちない等の手間の無さも重要だ。スーパーの存在意義は、家庭生活での健康、喜びを消費者へ提供することだ。果物を買って食べる日、花を買って精神的に充足する日、このようなお金の使い分けが出来てくる。そのためにも、スーパーマーケットで販売する花束がどんな花束か、咲いてテーブルが汚れないか、水替えの面倒はなくていいか等、より一層、簡便だがお洒落にしてく必要がある。そして、財布の紐が緩められるような単価設定も重要だ。こういった要素が、専門店でないところにも、花を求める若いお客さんが来てくれることに必要になると思う次第である。
投稿者 磯村信夫 11:41