来る年に向けて
その他
2025年1月初旬に大田花きの取締役会がある。そこでの承認を受けるべく、2025年度の目標・予算を作っている最中である。単年度だけではなく、向こう三ヵ年計画の1年目としての位置付けだ。農水省の食料・農業・農村基本法が施行されたが今後どのような影響があるか。団塊世代が75歳以上になり、花の生産をやめてしまう生産者がどのくらいいるか。ドル円相場が150円近辺の中、輸入商社は輸入を続けることが出来るか。2027年国際園芸博覧会でどのくらい消費は活発化するか等々、向こう3年間の見通しを考慮に入れて需要予測を行い、検討している。また、来期の計画作成を履行するためには、どのような人事配置が会社にとってベストか改めて振り返っている。社員の長所ややりたい職種に合った適材適所が出来ているかを検証し、変える必要がある部分を今書き出している。スポーツのチームと同じだ。これは1月の取締役会で承認された後に、執行役が実際に考え実行していくべきことになる。
この暮れがそうだが、需要よりも供給が少なく高値になっている。このままでは花き業界全体がシュリンクしてしまう。そして大田花きの本来の目的である沢山の人々に花のある生活をして、笑顔になってもらうことも出来なくなってしまう。大切なことは、笑顔で生きることだ。「笑う門には福来る」で、どんな時にも笑顔を忘れてはいけない。苦しみを笑い飛ばすだけのふてぶてしい生き方や勇気もある時には欠かせない。国内の花き産業がすぐに大きく発展することは出来ないが、しかし「必ず大きくさせてみせる」と、一企業として出来る範囲での生産振興を図り、消費拡大を図っていく手だてを計画する。実際にやることは、大田花きと一緒にサプライチェーンを組んでくれているお取引のある産地、運送店、そして仲卸や地方市場、その先の小売店、さらにその先の顧客まで、ここまでのコミュニケーションを頻繁に行い、良い関係を築く。商売上もwinwinとなるよう努力していく。その計画を作り実行する。そして消費者に花で笑顔になってもらう。
個人が目標設定をする時は、仕事もプライベートもウェルビーイング(Well-being)であることを前提に考えなければならない。well(よい)being(状態)であること、つまり健康で楽しく人生を送るということだ。まずプライベート、次に仕事人生もウェルビーイングでなければならないのだ。それは自分が役に立っているという実感だ。社会的にも役立っているという実感だ。この実感があればこそ、組織の中のコミュニケーションが上手くいいき、お互いに認め合える。「一隅を照らす」人間になり、その場に欠かせない人物となるよう努力すべく目標設定を行うのだ。「仕事は自分を成長させてくれるもの」であり、家族や休暇と同様、自分の人生において今の仕事上の役割も組織の為、社会の為に大切なものだと自身が実感することが必要だ。
会社や上司からすると、適材適所でその人が能力を生かせているかをチェックし、個人がやりがいを持って仕事が出来るようにしなければならない。マンネリ化してはいけないので、当然人事異動もあるだろう。仕事は教材だ。一度しかない人生を、その人が自分をもっと磨いて成長するために仕事があると認識してもらう。本人と上司がしっかりコミュニケーションを取りながら、組織でのメンバー配置を行っていかなければならない。
生産減、可処分所得減で花き消費もしぼみがちな現在、生産者に商売繁盛してもらい「花を作っていてよかった」と思ってもらうこと。同様に小売店にも商売繁盛をしてもらい「花を売っていてよかった」と思ってもらうこと。そのために生産者と小売店をサポートすること、一緒になって商売繁盛を考えて実行することが卸売会社の仕事だ。このように大田花きは考えている。どんな状況でも、まずは努力して幸運を勝ち取る。そこに向けて目標設定しなければならない。そしてその目標が、花き業界の繁栄と、花で日本社会が(文化的な生活をして)豊かになる、笑顔になることに繋がっていく。計画作成の途中でまだ具体的になっていないが、このような想いで計画を立てているところである。
投稿者 磯村信夫 15:07