時代に合った花を提案、フェア販売を強化する。

花き業界
先週の木曜日から、夏風邪らしく喉がおかしい。とにかく眠くて、本を読んでもすぐ目を瞑ってしまう。このような状態が木曜から4日間も続いているが、その間も予定していたことを何とかこなしている。こんな時にいつも思い出されるのが、俳人の心構えである。「七夕の日があいにくの雨であっても、現実を受け入れて句を詠む」のだ。正岡子規は病床にありながら句を詠んで、輝かしい作品を作り上げた。自分の体調もそうだが、お天気や諸々の自分にとって不都合なこと、何か気が重いことも、現実としてまず素直に受け入れる。そしてそれを「感情を伴った経験」として記憶しておく。この気持ちを大切にしている。逃げないで前に向かって生きていけるのだ。

2024年も折り返し、1年の半分が過ぎた。1月から6月まで半年、花き消費は前年を下回った。様々な要因が挙げられるだろうが、普段の家庭需要を喚起し、「買いたい」と思わせるようなフェアが足りなかったことも、原因の一つだと考えている。また、年配者も若い気持ちをお持ちだから、コロナ禍から「花のある生活が素敵だ」と思い始め、花を買ってくれるようになった十代から三十代前半の人たちへ向けた花を、もっと沢山、店頭に並べるべきだった。生産してもらうべきだった。これは団塊ジュニアが消費者の中心であるスーパーマーケットの花売り場においても同様だ。そして切り花も鉢物・苗物も、マンネリ化していないかチェックし、時代にあった品目を取捨選択する必要があった。しかし、コロナ禍で花が売れたので、そのまま2024年に入ってしまっていた。従ってミスマッチが起こった。特に苗物においてミスマッチが著しい。

花き業界も、もっとデータドリブンを使った戦略を行っていかなければならない。勿論、データドリブンと言っても、データで全てが語られるわけではない。データは見方よって、あるいはどこを取るかによって変わってくる。従って、データによる現象を論理的に考えて、積み重ねて解を想像しなければならない。例えば、北海道から進出した家具のニトリは、提案するライフスタイルが若く、あるいは、西洋や北欧風のインテリアが受け、イケアと同様、日本中の若い人たちを虜にし、そして徐々に年配者にも浸透してきた。花き業界も、どんな鉢物や苗物、また切り花が望まれているかが分かる筈だ。そして、日本の高温多湿な夏に作りやすい花を育てて、長持ちする品目・品種を取捨選択する。需要に合わせて丈を短くすることで無駄をなくす「スマートフラワー」を拡大することも必要だ。更に、店頭で産地フェアや物日フェア、いろいろなフェア販売を行う。これを繰り返していくことだろう。

4日間、上半期を振り返り、下半期でやるべきことを見出した。会社では第二四半期だ。その努力をしていこうと思う。


投稿者 磯村信夫 16:15