夢を実現するには「覚悟」しかない

大田花き
 昨日の10日(日)、大田花きでは松大市が開催された。松大市では筋もの(若松、門松)を中心に取扱い、苔松は(本年は17日の)千両市と一緒に行うのが、大田花きの大市の組み方だ。大きな料理屋やホテルのロビーに飾る大ぶりの苔松・苔梅は、筋もの等と一緒に扱うことが、スペース的にも手間的にも難しいからである。

 さて、本日私が申し上げたいことは、セリ人には「覚悟」が必要だということだ。覚悟が決まっているセリ人は、どんなに口数が多くても、最初から最後まで殆ど同じ価格でセリ通す。以前よりも需要は減ったが、松はこの時期に欠かせない。今年の天候異変の中での生産者さんのご苦労と選別の大変さを想い、一年に一度しかないセリの機会にどう販売したら良いかを考え、買い手が損しない上限で売り通していた。「このセリ人は覚悟が出来ている」と、セリ前の態度や発言から感じた通りの成果である。

 一方、「大舞台に立ってセリ人として良いパフォーマンスをしよう」という決心レベルのセリ人のセリは、売れにくいものがあると「そこまで安くなっては生産者が立ちいかなくなる」ところまで値段が下がる。成り行きとはこういうことであろうか。値段が下がるから買い手が何人もがなだれ込んでくるかというと、決してそうではない。様子を見られてまた一段と下がるのだ。そして最初に買った人は嫌になる。このようなセリになってしまう。

 当社は卸売市場の会社であるから、セリ人だけでなく役割ごとに社員がいる。そして伸びる社員と、知識や社会的な経験を積んでも生かしきれていない社員がいる。これは「覚悟」の問題だと睨んでいる。覚悟が出来れば、「自分はこの会社でこうなりたい」「これをしたい」と覚悟が固まってくるので、当然、自分の足りないところや、ライバルの方が優れているので、それを上回る能力をつける努力や、自分の技や身のこなしの磨き方の訓練等を、期限に合わせてPDCA※を回していく。覚悟を決めればここまで出来る。一方、決心だけでは行動だけになってしまう。ここが、成功するものとそうでないものの違いではないだろうか。

 この「覚悟」が物事の成否を成す上で欠かせないと、昨日のセリを見て痛感した。自分も含め社員は仕事に、そして自分の人生に覚悟して臨むべきだと思った次第である。  
 
 ※PDCA・・・Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)。PDCAを回すことで効率的に生産性向上を目指す。

 
 投稿者 磯村信夫  11:06