今までで最も暑い10月。花の品質クレーム多発
花き業界
※大田臨海部まちづくり協議会
イベント当日はあいにくの雨で、時間によっては土砂降りだった。そのため、屋外で実施する予定だった近隣の公園でゴミ拾いをする「クリーンアップ作戦」、臨海部を通るコース「おおたそらみち※」を巡る自転車ツアーが残念ながら中止となってしまった。他3つのプログラムについては、屋内に場所を移して実施された。実施されたのは、廃プラスチックを利用したワークショップ、鉢物の寄せ植え教室、切り花のアレンジメント教室の3つであった。その中で一番人気だったのは、なんと廃プラスチックを使ったワークショップだ。廃プラスチックを無害の液剤を使って粘土のようにして、それを鉢の形に成形し、その中に多肉植物を植えるワークショップである。ご家族もお子さんを中心に、廃プラスチックをどう減らしていくかに高い関心をお持ちなのだなと思った。そして花を扱っている我々は、鉢物の寄せ植えや切り花のアレンジを大切にするのは言うまでもないが、もっとプラスチック削減等の環境問題に関心を持って取り組まなければ、消費者の気持ちが離れて行ってしまうと感じた。少なくとも、花き関連事業でプラスチックの処理をしっかり行い、目の前のものが将来魚の体内に入り、それが人の体内に入ることがないようにしなければならない。
※おおたそらみち
イベント当日の天気は、この夏の異常気象を思い起こさせた。そういえば、10月の一か月における花の品質クレームは、前年を大きく上回ってしまった。高温多湿の天候が一番の要因だ。しかし、産地や運送店での保管状況、卸売市場(卸・仲卸)での鮮度保持・保管状況がもう一度、科学的に花もちがよいように気を付けられているのか、振り返らなければならない。例えば縦箱湿式(水をつけて)輸送のものは、小売店にいくまで水がきれいに保っておけるような薬剤処理が出来ているだろうか。せっかく素晴らしい花を生産者は作っているのに、しっかりと前処理、鮮度保持、水揚げが出来ているだろうか。集出荷所の鮮度保持管理、運送店の鮮度保持輸送、仲卸まで含めた卸売市場の鮮度保持対策は万全だろうか。病虫害の各所での知識と予防対策は万全だろうか。花束加工場では不要になった葉を足元に散らばって踏んづけている所はないだろうか。20年以上前からアメリカのマイアミやオランダのウエストランドの花束加工場では、生ごみは床に散らばさないで、きれいに管理していた。ボトリチス対策のためだ。病虫害や温度、湿度管理にはセオリーがある。このセオリー通りに各所がチェックし、小売店、ひいては消費者に迷惑がかからないように、喜んでもらえるように流通させていく必要があると、前年を大幅に上回った10月の品質クレームが我々に教えてくれている。花の病虫害に関する勉強や鮮度保持をする空間、機器の設備投資が不足していると感じる方は、これからの荷が少ない時期に勉強し、そして大きなお金が掛かることだが保冷施設等の投資をお願いしたい。
投稿者 磯村信夫 12:00