なぜ生きていくことが良いことか、8月が私たちに教えてくれる
花き業界
戦中、戦後の団塊世代で首都圏に出てきた人たちは、千葉・埼玉・神奈川・東京に住んだ。コロナ中の3年で、その子供たちである団塊ジュニアが花のお客様の中心になっている。年配の方も勿論、統計的にはしっかり買っていただいているのだが、購買力が衰えた分を、団塊ジュニアやその子供のZ世代が需要を補っている。好みも流行りも、団塊ジュニアの子供たちであるZ世代の影響を団塊ジュニアが受け、それが消費の核になって、花き業界でも「今のもの」、「過去のもの」と価値基準の判断材料になっている。その団塊ジュニアの人たちの消費によって、首都圏でも、そして東京・神奈川という7月盆の地域でも、8月のお盆の動きが目立ち始めたのだ。多分、お寺はそれについていっていないのではないか。家に仏壇の無い人が多くいて、お墓参りでお盆の行事を済ませてしまう人たちもいる。いずれにしても、お盆のあるこの8月というのは、両親やおじいちゃん、おばあちゃん、そして、その上のご先祖様の「有為の奥山」まで含めて、感謝の気持ちを感じる月だ。そして自分のやるべきこと、それは男女問わず日本社会で役立つこと、直接には安定した幸せな家庭生活を努力して送ること、仕事に邁進することが殆どであろうとも、そのことに自分の生きがいを、生きている証を求めようとする心が湧いてくる。心の目がそこに向くのが、このお盆やお彼岸の時なのであろう。この時、花が決して主人公ではないが、わき役としてそのドラマにいつも出演させてくれていることは、我々花き業界の存在意義を表すもので、本当にやっていてよかったと思うところである。
8月の前半が終わり、花き業界では需要期を終え、新たな閑散期の夏のドラマが始まる。それぞれ花き業界の人たちが、自分の仕事の社会的意義や、それに携わっていることの喜びをもう一度深く噛みしめて、ドラマに出演してもらいたいと思っている。まだまだ今年は何があるか分からない、面白い展開になりそうだ。
投稿者 磯村信夫 11:56