9月の花 ススキ~移り行く自然を実感~

片桐義子の花セラピー


9月の花 ススキ
花言葉 勢い
移り行く自然を実感

今年の夏の猛暑は異常で、クーラーを一日中つけて過ごしていませんでしたか。冷気にあたり過ぎて、いまだ体調が崩れている方もいらっしゃるかもしれません。涼しさを感じるようになってきたら、数日の休みを取り、自然の中へ足を踏み入れてみませんか。秋の草花に触れたり、鳥のさえずりを聴いたり、おいしい空気を吸うことにより、心が安らぎとても元気になれるでしょう。

その中でも特に目につくのがススキです。秋の七草(おみなえし、ふじばかま、くず、なでしこ、はぎ、ききょう、すすき)のひとつで風に揺れて動く姿は風情があり、穂の変化が秋の移ろいを教えてくれます。
花穂の姿が獣の尾に似ていることから、尾花とも呼ばれています。ススキの花穂の移ろいや、澄んだ空気を吸うことにより、夏の疲れが一掃し、精神的な緊張がほぐれていくでしょう。ススキの地下茎は強く、どんな荒れ地でも育つ強い生命力をもっています。その強さは原生林を焼くと、まずススキが生えてくることが植物の事典に記されているほど。強いパワーがそのまま伝わってきますね。

ススキと言えば昔から日本人の生活に密着しています。屋根葺きのカヤとして、燃料、すだれ、ほうきなどの材料として利用されてきましたが、時代の流れと共に少なくなってきました。ただ生け花としては多く利用され、他の七草と一緒に生けると秋のだいご味を味わうことが出来、欠かせない存在です。