(株)大田花き花の生活研究所が持つ各種データを元に、産地別品種をノミネートした上で花業界でご活躍されている方々を審査員としてお迎えし、より客観的な選考を行っております。また、(株)大田花き花の生活研究所では、この結果を元に、花の流行分析を行っています。
●FLOWER OF THE YEAR OTA2017最優秀賞
品目: シャクヤク 品種: エッチドサーモン
産地名: 野島 茂一郎 様(静岡県)
■生産者様のコメント
【所感】
ピンポン玉のようなツボミで出荷されるシャクヤク’エッチドサーモン‘は、時とともにそのツボミの様子からはまるで想像できない大きく豪華な花を咲かせます。花弁の色のグラデーションが魅力のひとつ。エッチドサーモンは長年にわたりバイヤーのみなさまに愛用されて続けてきたことが受賞に繋がりました。偶然にもフラワー・オブ・ザ・イヤーOTA最優秀賞は2年連続静岡県浜松市の生産者様がご受賞されました。最優秀賞の生産地が2年連続同じ地域というのは史上初です。
●FLOWER OF THE YEAR OTA2017 優秀賞
品目: オキシペタラム 品種: マーブルハピネス
産地名: (有)笹岡花卉農園 様(高知県)
■生産者様のコメント
【所感】
高知が世界に誇る育種生産技術を持つオキシペタラム。笹岡花卉農園様はオキシペタラムには珍しい白や八重のタイプを育種・生産しています。またその花の価値は世界に認められ輸出もされています。マーブルハピネス(白・半八重)と並び、マーブルホワイト(白・シングル)、マーブルキャンディ(白・八重)はマーブル三姉妹としてトップフローリストのみなさまに親しまれています。花付き、花持ちが良いのが特長で、優しい空気感を作るのに重宝します。
●FLOWER OF THE YEAR OTA2017 特別賞
品目: チューリップ 品種: ミステリアスパーロット
産地名: JA新津さつき 様(新潟県)
■産地様のコメント
【所感】
当社が取扱うチューリップのうち6割を占める新潟県産チューリップは、量も品質も定評があります。中でもJA新津さつき様は大正時代、日本で最初に営農栽培を始めた「チューリップのご本家」。歴史は古くても意識は新しく、常にトレンドに合った品種を導入されています。このミステリアスパーロットも、生産が難しく敬遠されがちな中、あえてユニークなものが受け入れられるだろうと踏んだ生産者さまから出荷されています。最初は品行方正な姿をしていますが、開花が始まると妖艶なまでに変化し、“咲き乱れる”さまはまさにミステリアス。その変化は少女から女性に変化する様子に似ているかもしれません。パーロット(parrot)とは英語で「オウム」のこと。花弁がオウムの羽根のようであることからこの名前に付けられたのでしょう。
●FLOWER OF THE YEAR OTA2017 新商品奨励賞
品目: アスター 品種: マカロンシリーズ
産地名: JAたがわ 様(福岡県)
■産地様のコメント
【所感】
全国第3位の花産出高(農林水産省データ)を誇る福岡から満を持して誇る初受賞。当社には年間200品目以上1,700品種にも及ぶ花が出荷されます。菓子のマカロンのような愛らしい色・形のこの花は、アスターの新境地を開拓したアイテムと言っても過言ではないでしょう。サイズも大変使いやすく、様々なシーンに調和することから広くプロのみなさまに活用されました。
●FLOWER OF THE YEAR OTA2017 新商品奨励賞
品目: バラ 品種: クリスタルドレス+
産地名: 浜田バラ園 様(神奈川県)
■産地様のコメント
【所感】
国内でも屈指のバラ生産技術を有する浜田バラ園様。独自の生産技術を究め、花を使うプロたちに愛される花を作ります。締まりがありながらもしなやかな茎、肉厚な葉、エレガントな花姿と花色の美しさは「さすが!」と思わず声が出てしまいます。クリスタルドレス+は何色ともつかぬニュアンスカラーで、花弁の展開とともに花色と表情が変化するのが特徴です。
※品種名の「+」はこのバラを開発した会社のトレードマークです。読みませんが記述では省略はできません。
【トレンド分析】キーワードは“TIME”と“調和”
今年のフラワートレンドのキーワードは“TIME”と“調和”。
シャクヤクのエッチドサーモンは時(TIME)とともに豪華な花に展開しつつも、時代を超越して(TIMELESS)愛され続けています。優しいサーモンピンクでどのような色調とも調和しやすいのも魅力です。オキシペタラムのマーブルハピネスは多種多様な花と合わせやすいアイテムといえるでしょう。チューリップのミステリアスパーロットやバラのクリスタルドレス+も、時間とともに別の花のように表情を変えるのが特長。アスターのマカロンシリーズはどのようなシーンでも使える調和しやすい花型と色が重宝されました。
いずれもTIMEに関するキーワード、あるいは調和、もしくはその両方が当てはまる花が受賞しました。
<文責>株式会社 大田花き花の生活研究所