すばらしすぎるモッコウバラの株が満開を迎えた2024年4月某日、
浮羽稲荷神社の朱塗りの連続鳥居に満開のオオデマリが生えて美しすぎる同日、
母の日を目前にウンチク探検隊!が訪れたのは、国内花き生産額全国第3位の福岡県!
のッ!
福岡空港から直線距離で約25kmのところにあるうきは市!
のッ!
吉井町(よしいまち)!
のッ!
標高600-800メートル級の小高い山に囲まれた筑後平野でカーネーションを生産出荷されているJAにじ様です。
ここ福岡県うきは市は、四方を小高い山に囲まれた風景が特徴的。
筑後平野↓
筑後川↓
周辺は久留米市や八女市、大分県の日田市に囲まれていることからわかる通り、うきは市においても農業生産が盛ん。
とりわけナシ、ブドウ、カキ、イチジク、キウイ、モモ、イチゴなどの果物が名産品。
しかーし、見落とすこと勿れ!ここにカーネーションのイラストがきちんと描かれているではありませんか!
福岡県うきは市を訪れた理由は、JAにじ様のカーネーション生産がずーーーーーっと全国でもトップクラスの品質でご出荷されているから。どうしてそんなに高品質を維持してご出荷されているか、ウンチク探検隊としてはじっとしていられなくなってしまいました。
さらにさらに、カーネーションといってもメインに据えているのはスプレーカーネーション。全国でもまた世界的に見ても珍しいスプレーカーネーションメインの生産地であることから、JAにじ様の秘密に迫りたくなってしまったのです~。
今回の水先案内人はJAにじ営農部園芸指導販売課の上村享(うえむら・すすむ)さん。
JAにじ様で花きの担当をして11年。すでにベテランさんとしてご活躍されています。
■JAにじカーネーション部会様 基本情報
・場所 福岡県うきは市
・カーネーション部会 部会員数 総勢5軒(花き部会としては全28軒)
・生産品目 スプレーカーネーション、及びスタンダードカーネーション(スプレー:スタンダード=およそ8:2)
・出荷箱↓こんな感じ
※この明るい色目がJAにじ様のアイコンです。多くの生産地様がコストダウンのために茶箱や白箱に統一する中、JAにじ様は粘って粘って最後までこの鮮やかで素敵な虹色デザインを貫いています。その甲斐あって、どうですか!市場でもこの通りよく目立ちます。
バイヤーのみなさまはこの箱を目印にして購入されるのです。文字よりも色目や全体的な印象で覚えていらしたりするのです。
っていうか、「にじ」って2時?二字?二児?と思われた読者のみなさま、それらのどれでもありません。rainbowの虹です。
「虹」にした理由は、後ほどご紹介いたします。いずれにしても、イントネーションは「2時」↘ではなく、「虹」↗でお願い致します~(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
そして今回登場されるのは、5軒の精鋭生産者さんたち。前部会長の永松さん、現部会長の倉富さん、部会員の山下さん、権藤さん、出利葉(いでりは)さんです。
★前部会長の永松和行(ながまつ・かずゆき)さん。
カーネーション生産一筋46年。生産面積1200坪くらい。
一筋46年ていいますけど、46年前といえば昭和53年・・・調べてみますと、現成田国際空港開港、池袋にサンシャイン60竣工、農林水産省発足(!)、原宿に竹の子族登場など、いやこれまた相当前ですよ。半世紀近い。この時から現在に至るまで、ずっと来る日も来る日も朝から晩までカーネーションを作り続けてご出荷くださっていると思っただけで、うきは市に足を向けて寝られません!
で、どんな方かというと、こんな方。
もうなんて素敵すぎる笑顔((*´∀`))
お会いしたとたんにどなたでも永松さんのファンになってしまいますて。
すると、こうしてカーネーションを胸いっぱいに抱えて、“ウン探さんこれ見て~”と満面の笑みで、冷蔵庫から花を持ち出してくださった永松さん。
これはどうされたのですか?
「実はね、昨年の7月10日にこの辺りで起きた大洪水で、うちの苗がほぼ全滅。そのあとに定植したカーネーションを見てもらおうと思って」
2023年7月10日に起こった豪雨。新聞記事に載ったこの地域、浸水状況はこんな感じ。
って、えーーーー
こッ、これは・・・
上村さん「これがつい昨年の7月10日にうきは市やお隣の朝倉市一帯を襲った大雨と洪水です。この辺りを上空から撮ったものだよ」
町全体が湖と化して、もう何がどこにあるのか水に浸ってわからない状態です。
いまでこそ一般的に使われている「線状降水帯」という言葉が最初に使われた地域こそ福岡県朝倉市なのだそう。朝倉市はJAにじ様がある吉井町のすぐ川向こう。
ここで起きた集中豪雨をきっかけに、ゲリラ豪雨よりさらに警戒すべき豪雨を表す言葉として全国で定着したのです。
上村さん
「この豪雨をきっかけに、吉井町ばかりでなく、八女市の生産者さんも含めて、農業生産の再建を断念された生産者さんは何十人もいるんだよ」
これは本当にひどい豪雨でしたね。永松さんの圃場の被害はいかがでしたか。
「定植したばかりのカーネーションはほぼ全滅。ハウスはここまで浸水したし、
燃料タンクもここまで浸水↓」
それはかなりの恐怖だったと思います。どこまで水没したか、そのマークの一つがこちら。
ペットボトルの蓋です。水流の勢いでここにハマったものの、洪水からの教訓を忘れないためにもそのままにしています。
いや水位、高すぎません?
その時の大変さを思うと、言葉も出ません。
ご自宅前はこのきれいに刈られた左側の植木が丸まる水没するくらいまで。
↓↓↓
ご自宅は、昭和28年の洪水経験から、少し高くしてあったのでギリギリ床上浸水は免れたのだとか。
永松さん「この地域では土砂崩れもあったし、残念なことに犠牲者も出てしまった。
植えたばかりの苗がほぼ全滅しただけでなく、ボイラーもヒートポンプもすべて浸水してダメになってしまったよ。排水溝から水も逆流してくるし、大変やったよ」
そのような状況では生産どころではなく、命の危険すら感じていらしたのではないかと想像します。
それでもなお、水が引いてからは、何とか定植し直してカーネーション生産を続けてくださいました。
それが十分に育って、収穫できるようになったのは、通常の1か月半遅れの今年1月下旬から。遅れても終了(改植)の時期は変わらないので、必然的に収穫量は減ることになります。
でも新しく定植した苗はどうされたのですか?恐らく1回定植するのに苗代は何百万単位でかかると思うのですが・・・
永松さん
「種苗会社さんのご厚意でご提供いただいた苗を定植してね。だからもちろん品種は選べない。種苗会社さんもご提供いただける品種をご提供してくれたんちゃ」
品種は選べないとはいえ、このニュアンスカラーの花弁から放たれるメタリックの輝きをご覧ください!
んて、えー、写らん(>_<。)💦
“写るんです”ではなく、写らないんです。素人撮影ではこの得も言われぬキラキラを皆様にお伝えすることができずすみません((´;ω;`))
上村さん
「きれいですよね。キラッキラしちょる」
永松さん
「メタリックよ、メタリック!」はははは~!笑!!
通常生産では決して選ばなかった品種ですが、こんな品種があるのかと驚きを隠せない永松さんと上村さん。
「みなさんに見てもらいたいですね」
So cool!でございますよ。めちゃくちゃカッコいいですね。
キラキラスプレーをかけたかのようにキラッキラしています。
みなさま、この度はJAにじ様から災害の事情でイレギュラーな品種が届くことがあるかもしれませんが、今年限りの限定品の可能性もありますので、ぜひチャンスと思ってご利用くださいませ。
ところで、永松さんのおうちは、このとても立派な庭木からも想像できるように、代々植木屋さんだったそう。そう、このうきは市周辺の田主丸(たぬしまる)や久留米は昔から現在においても植木の生産が盛ん。
永松さんの代から花生産にしたのは、ここ吉井町が花き生産の老舗ブランドだったから。地形や天候などのメリットもあったのでしょうか。
「ないよ」
お返事早ッ!
「ここの生産で気候でメリットを感じるところはない。福岡はどちらかというと日本海側の気候に近い。日照量が少ない。ばってんしゃーない。自分なりの作型や作り方をきめちゃらないけん!」
あははは~と陽気に笑う永松さん。これはまた福岡気質とでも言いましょうか、身の危険を感じるほどの記録的な豪雨に見舞われても尚、ラテン系のようなとてもポジティブで陽気な語り口に、ウン探は救われるのでした。やはり東西南北あちこちから集まる人との交流によって育まれた県民性もあるのでしょうか。お話ししていて永松さんの度量の大きさを感じます。
でも天候や地形に大きなアドバンテージがあるわけでもなく、ここでスプレーカーネーションを生産される理由は?
上村さん
「スタンダードではなくてスプレーを中心に生産していることがポイントだよ。日照量なら愛知、千葉、静岡など太平洋岸の産地にはかなわない。スタンダードカーネ―ションでは生産性が落ちてしまう。スプレーなら多少日照量が太平洋側ほどでなくても何とかなる」
永松さん
「通常カーネーションは1週間も曇天が続くと、花が咲かなくなったり花飛びしたりするでしょ。3番目や4番目のツボミがないとかね。花芽は上がるけど花が付かない。芽が小さすぎて花が付かない。だから日照量が多い産地はスタンダードにするし、太平洋側の産地にスタンダードをお任せして、私たちはスプレーに舵を切ったんだ」
品質が良いのはどうやって?
永松さん
「疎植がポイントだよ」
疎植(そしょく)とは、株と株を離して定植、栽培管理する方法です。スプレータイプでボリュームを出すために疎植にすると、その分日照量も確保できます。
ですからこのようにフラワーネットを1マスおきに定植。
フラワーネットの1株の前後両隣のご近所はどの株とも接していないわけです。
そうしてできるのが
「これがウチの秀品です」
にじ様の秀品の定義は?
上村さん
「その1:花が4輪以上ついていること」
↓おもむろに上村さんが手に取ったスプレーカーネーションは7輪付いていました。
「その2:ガクが割れていないこと」
ガクが割れているとこんなことになって商品価値は著しく低下してしまいます。
「その3:茎下を持って水平にしたときに、茎がたわまず直線になること(茎が堅い)」
この通り、7輪付いた1本を水平に持っても、茎が全然たわみませんナンダッテー!=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)!そのくらい茎がしっかり堅いということです。
「収穫したカーネーションはこうやって“きびって”長さを揃えて切って、STS剤を飲ませる」」
なるほど、きびるのがポイントですね、ってえッ??( •̀ω•́ ; ) 💦
きびるってナニ??どういう意味ですか?
「“結束する”っていう意味だよ。福岡の方言なのかな」
そうでしたかー。そういわれるとウン探もきびるって使いたくなってきました。みなさんきびるって使いこなしたら福岡県民の仲間入りかもしれません。
切って、きびって切りそろえて、しかも収穫もすべて手作業・・・こんなふうに、圃場から収穫するときも、選別してきびって足元を切りそろえるときも、常に手作業です。
「カーネーション生産で機械化されているところは、水やりくらいで、それをのぞいてはほとんどない!」
カーネーション生産はまさに重労働!収穫もハサミで手作業、きびって切りそろえるのもハサミで手作業。
来る日も来る日も朝から晩まで46年間手でハサミでチョキチョキやりすぎて、腱鞘炎とかになりませんか?
「もうなっちょるよ。ほら。もうまっすぐにならんよ、この指」
と見せてくださった永松さんの右手。
あれま(´◕◞◟◕`) 永松さんの中指をご覧ください。
永松さんの右手の中指は、ハサミでチョキチョキやりすぎて、もう内側に曲がったまま。左手の中指を比べてみるとこの通り✵(๑◊๑)✸
右手の中指は左手の中指と比べると、反っていないのがわかります。
「これで精いっぱい。左手の指はこう反り返るばってんさ、右手の指はこれ以上は反り返らん。こらもうしゃーないさ」
人生をカーネーション生産に尽くしていらした方だけの勲章のようなものでしょうか。
いずれにしても46年間カーネーション生産に尽くしてきた証に違いありません。
永松さんにとってカーネーションとは何ですか。
「すべてだね。私の人生のすべて。
ほかにもいろいろあるけど、カーネーション生産が生活軸となって、これがあるからほかがあるちゅうこと」
カーネーションを作っていてよかったと思う瞬間は?
「毎年一番花が咲いたときが一番うれしいな。
毎年、最初に咲いた花は、報告と感謝の意味を込めて仏様にお供えするんだよ」
永松さんのお人柄を表すようなお話ではありませんか。
「46年も生産しているばってん、今が一番大変かな。洪水ばかりではなくて、燃料代も上がったし、輸送代も上がったし」
47年目にして一番大変と思う今でも尚、永松さんの人生をかけたカーネーション生産に対するする意気込みは別格です。
「私は絶対次こそは今までに一番いいものを作るからね!」
この強くて前向きな気持ち・・・とはいえ、「強い」というほど肩に力の入った感じはせず、とても自然に明るくてポジティブでずっと笑顔なのです。このお気持ちはどこからくるのでしょうか。
「だってさー、46年積み上げてきたんだよ。それを一瞬で崩されたんだよ。今年こそはこれまでで一番いいものを作ろう!っていう一心だよ」
大洪水の災害を乗り越えようとしている1年目、それでも尚「これまでで一番いいものを作ろう」という意気込みを伺い、ただただ頭が下がります。46年やってきた中で、毎年「今年が一番」を目指して生産を続ける。これがJAにじ様の品質がトップクラスである秘訣なのかもしれません。
“カーネーションという花を知っている”という前に、ぜひ人生のすべてをかけて作られている生産者さんのカーネーションをお手に取ってみてください。
きっと並々ならぬスピリットを感じることができるでしょう。
★山下恵介さん
2軒目は山下恵介(やました・けいすけ)さん。
お父上からのカーネーション2代目。
お気に入りの品種はウエストダイヤモンド。
↓こちらの優しいピンク色の品種です。
「ウエストダイヤモンドは花色がかわいいから好き。20代のころからずっと作っちょる」
カーネーション生産で一番心砕くことは水の管理といいます。
「自動潅水だけど、潅水機の調子が悪かったり、やりすぎのこととか少なかったりすることもたまにあるけん、ちょこちょこ確認しに行きます。自動やけん、これを忘れているといつの間にか(潅水機が)止まっちょったやら、えらく水やっちょったとか・・・」
自動とはいえ、機械の不調やその時の天候もありますから、常に気を配っていらっしゃるわけですね。その山下さんの細やかなお心配りがにじみ出たかのようにハウス内はきれいです。
フラワーネットはこの精密さですよ、これ。山下さんのお仕事の丁寧さを物語っていますね。
そして、ウン探は見つけてしまいました。選花場で山下さんの秘密兵器を!それはこちら!じゃじゃん!
カーネーション・ジドウセンベツキー(←ドラえもん風に読んでください)。「カーネーション自動選別機」です。
キクとバラで自動選別機を拝見したことがありますが、カーネーションは初めて拝見いたしました。永松さんが大変とおっしゃっていた“きびって切る”作業を、機械で行っているのです。
こうして1本1本アタッチメントに頭を揃えながらカーネーションを置いていくと、
(暗いからわかりにくいのですが)大きくて鋭いカッターが足元の長さを揃えて切ってくれて、
計測器(↓黄色で囲んだ部分)も付いていて、重さが満たないものは規格外として除外されつつ、
合格したものは、下の箱に収められ、箱内が25本になったら次の箱に収めて4箱が終了したらちょうど100本になるというしくみ。スリーブに入れて出荷箱に収納して準備完了というわけです。
山下さんはアタッチメント1つにカーネーションを1本ずつ置いていくだけ!
きゃー!画期的~!
動画でご覧になる方はこちら↓
「20年くらい前に生産者仲間で使うからと特別注文で作ってもらって、当時100万円くらいしたかな。今でも使っているのはウチだけだよ」
出荷までの工程数が多くて重労働のカーネーション生産において、その一部でも機械化したいというのは全国のカーネーション生産者さんが願うところでしょう。このように少しでも生産労働の負担を軽減して、多くの人に花生産に参入してもらいたいですね。
ハイ、皆様お待たせいたしました。ここで部会長の倉富さんのご登場です。
☆現部会長の倉富和茂(くらとみ・かずしげ)さん。生産面積1,000坪ちょっと。
お気に入りの品種はイエローカスタード。
JAにじ様のカーネーション生産部会は設立60年ほどを迎える老舗です。その老舗ブランドを牽引される現部会長の倉富さん。倉富さんはバラを生産するつもりで勉強していたものの、カーネーションの方が広くお客様に使っていただけるだろうと、カーネーションを選んだのだそうです。その読み通り、輸入が増えても尚、カーネーション生産はバラより国内流通が多く、より多くのシーンにおいて愛用されていることを物語っています。
倉富さん曰く、カーネーション生産では長い間ネズミの害に心を砕かれるのだとか。
「根元からガリガリってやられるんだよ。ここ20年くらい毎年やられた。
ネズミも団体ご一行で来るのか、苗を定植した翌朝にハウスに来たら何百本かなくなっていたということもあったよ」
ネズミが嫌がるとされる超音波を出してみたり、殺鼠剤をサバ缶に混ぜて置いてみたり、サバよりサンマがいいんじゃないかとか、ネズミペタペタ粘着シートも試したり、毎年ネズミとの闘いが何年も続き、対策の甲斐あり今年初めてネズミにかじられずに済んだのだとか。
最も効果があったのは殺鼠剤と倉富さんの結論。
「それ以外はなんも特別なことはしていないっちゃん。
カーネーション生産は車の運転と同じ。急ブレーキ急ハンドルはよくないでしょ。カーネーション生産でも急に水をやったり、極端に水を切ったりするのはよくない。穏やかな安全運転がいいと思うよ」
その豪快な(と思しき)キャラとは違って、穏やか安全運転で生産を行う倉富さん。部会員5人の品質の差はどのように埋めているのでしょうか。部会内の品質の統一は?ブランド産地だけにプレッシャーがかかることでしょう。それに、同じうきは市内でも、倉富さんのところは筑後川に近いほかの方と異なり、山肌に近く、朝晩もよく冷えるそうです。つまり、ほかの方と同じようにしていたからといって、同じ品質になるとは限りません。
「毎月1回くらいみんなで打ち合わせを行ったり、圃場に行って話し合いをしたり、みんなで見ながら生育状況の情報交換したりね。肥料が効いちょるな、うちももうちょっと効かせようかなとか、何はどうしているか、あれはどうやっているかなんていう情報交換会をするんだよ。うまくいかないことはお互いにアドバイスしあって助け合い。切り前も今はこうだけど、そろそろ気温が高くなるからこうしようかなど、細かいところまで打ち合わせるっちゃん」
5人のみなさんの品質のブレを最小限にして、ブランド化を実現。加えて、最後に品質を鋭い審美眼でチェックするのがJAにじの農協担当上村さん。
「嫌われ役ですから・・・」
と謙虚におっしゃいますが、いんやもうすごい眼力の持ち主ですよ。生産者さんの商品を手に取った瞬間に、
「あ、〇〇〇〇ミッケ」
※〇〇〇〇は、生活者の方がショックを受けるとよくないので、あえて隠しちゃいます。
どこにおったん?というような虫やらなにやらを秒で見つけますから、神業ですよ、これ。こうして「上村チェック」があるからこそ、にじさんのカーネーションには〇〇〇〇は(い)ないんですけどね(•́∀•̀ฅ)💧
生産者さんからの信頼も厚く、上村さんの厳しいチェックがあるからこそ、JAにじ様のブランドがあるというわけです。
倉富さん
「見つけるのがうまいっちゃん。
この前ね、上村さんが、別の生産者さんの出荷物の検品をしていて、“これダニがおるやん”て上村さんが言うんだけど、生産者さんは“どこにおるん?”ていうくらい上村さんにはよく見えるみたい」
「虫や病気以外にはにも、輪飛び(リントビ)していないかとか、マゴメをきちんと整理しているかとかも見る。全体のフォーメーションに大きく影響してくるからね」
“輪飛び”とは、付くべき花が付いていない、スプレーの枝が出ていないという現象。“花飛び”ともいいます。日照量が少なかったりすると、分化した花芽が発育不全を起こすことが原因。あるはずの位置に花がないので、1本のフォーメーションも崩れてしまいます。
上村さんには普通の人には見えないものが見えるみたいです。え?どこどこ?ってくらいの小さな虫や黒ポチをコンマ何秒ではじき出すスーパーAI搭載のすごい眼の持ち主です。まさに超人的チェック力。JAにじさんのブランドは、生産者さんの不屈のご努力に加え、画竜点睛的な上村さんの鋭い検品力の賜物かもしれません。
倉富さん「信頼しちょる」
☆4軒目 権藤和彦(ごんどう・かずひこ)さん
愛称:ゴンちゃん
圃場面積:1,300坪くらい
カーネーション生産キャリア46年
お父様が昭和39年頃にカーネーション生産を始め、権藤和彦さんで2代目です。穏やか~な安全運転系のお方とお見受けしました。いつもご出荷ありがとうございます。
「カーネーション生産は飽きないね。毎年気象条件や管理方法が異なるから。ハウスで作っていても毎年違う」
という権藤さんは、テマリソウも生産されています。
“毎年違う”と感じるのは、それだけ観察力・洞察力があり、安全運転といえども毎年気象条件によって微細な点に至るまで管理を変えて試行錯誤されているからでしょう。
今年の生産はいかがでしょうか。
「昨年の豪雨に、今年の春先の寒さが相まって、いつもより1.5か月くらい出荷が遅れている感じです。でも品質には問題ありません」
お陰様で、ありがとうございます。
★出利葉忠春(いでりは・ただはる)さんにはお会いできず残念でしたが、こんな感じの素敵なお方。もうこのワンショットでほかの4人の方と同じく出利葉さんの穏やかな人となりが伝わってきます(*•᎑<*)ー☆
出利葉忠春(いでりは・ただはる)さんはどうしてもお会いできずの圃場のみお邪魔しました。
このびしーーーーっときれいな生産圃場から、出利葉さんの人となりを想像できます。母の日に向けて、確実な品質で生産してくださっています。
★2024年問題は?
上村さん
「なんとかクリアして出荷できていますよ。
うちは糸島に一回集めてほかの地域の荷物と一緒に運んでもらうんだけど、その待ち合わせ時間に合わせるため、生産者さんにはこれまでより半日ほど早くご出荷いただくようお願いしています」
出荷時間も早くなったし、運賃も上がりました。
それでも、出荷と物流に携わる皆様のお力添えと生産者さんのご協力のお陰で、にじ様のカーネーションもこれまでと変わらずご出荷いただけているというわけです。
上村さん
「本数は十分に切れていないこともありますが、毎年これまでよりさらに良い品質を目指して生産していますので、ぜひ使ってください」
「です!」by倉富部会長
【JAにじ カーネーション部会様の格言】
・生産管理は毎年異なる。同じうきは市吉井町内でありながらも、カーネーションにとっての環境は異なるもの。時間と空間を異にしても尚、統一ブランドで期待通りの最高の品質でご出荷くださるのは積年に及ぶ洞察力と探求心、そして諦めない不屈の精神の賜物なり!
・点睛にこだわるJA上村さんの鋭いチェック力でブランド完成!はたして上村さんは生産者さんにとって敵か味方か?
もちろん強力な「味方」です!
・「諦めない」そんな言葉はどなたもおっしゃっていませんでしたが、よく目立つカラフルな出荷箱を貫き通す、災害に遭っても生産を辞めないことなど、JAにじ様の諦めない精神を感じました。
・カーネーションは人生なり!人生をかけてカーネーションを作っていらっしゃる皆様のスピリットを商品から感じよう!
・“カーネーション”という花を知っていても、JAにじ様のカーネーションを知らずして、知り尽くしたと思うことなかれ!人生のすべてをかけて生産されているカーネーションから、46年のキャリアと災害にも負けない不撓不屈のスピリットを感じてください!
・JA「にじ」(=虹)様のお名前には農業と人の架け橋になるという思いが込められているそうです。
笑顔が印象的なJAにじカーネーション部会の絶対に諦めない5人の精鋭のみなさまでした。
(写真順不同です)
人生のすべてをかけて生産されたカーネーションを使わせていただけることを、大変有難く思います。
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