もっと、若い人たちの価値観とニーズを基に作りかえる
花き業界
11月に入ってからここ大森でも、菊類が咲くようになってきた。市場では10月下旬から菊類、特に白菊の相場が下がっている。かなり多くの市場では、仕事花や仏花が需要の中心になって相場を形成している。そのため、これらの花が潤沢に出回ると、全体の相場が落ち着く。本日は11月6日、「いいマムの日」だ。ディスバッド菊やスプレー菊のニュアンスカラーのものは人気となっていた。
さて、少子高齢化、人手不足の日本において、①付加価値をつけること、②生産性を上げること。この2つで、生産者も生花店も今の物価高を乗り切っていかなければならない。そして更に、本年の冬は2015年のような記録的な暖冬になる可能性があるとの予報もある。このことを考慮に入れて、今から花の栽培、販売の作戦を練って取組むことが必要だ。また、コロナ中から年配者の花き需要が減り、ミレニアル世代・Z世代の若い人たちの需要の割合が多くなった。都市部で相場を引っ張っているのは、若い人たちが好きな花、買いたいと思う花である。それ以外の花は、コロナ以前より需要が減っている。その為、今までと同じ量が出回れば相場が下がる。このように市場の相場はなっている。価値観は多様化しているが、花飾りだけでなく、食文化、SDGsに関わること等も、まさにこの世代の価値観が中心になっていることを考慮して、生産者は品種選定を、生花店は販売する花やデザインを検討しなければならない。
今年のアメリカの西海岸は、あまり暑くなかったそうだ。天候異変で作柄が悪く、収穫量が少ないと生産者の方々、消費者は嘆いている。そして日本人で西海岸に住んでいて、仕事で日本を行き来している知人たちが、異口同音に次のように話していた。「日本でも天候異変が起きているのに、日本の生産者さんの技術が高いため、今の程度の品質劣化や収穫量減少で済んでいる。スーパーで購入する野菜や果物、花もとてもみずみずしい。技術だけでなく、日本の生産者さんの良いものを作ろうとする意欲や気配りは本当に素晴らしい」と。この技術や意欲で、若い人たちの価値観とニーズを基につくりかえていって欲しい。
投稿者 磯村信夫 15:45