産地ウンチク探検隊 生産者が語る花に対する熱き思いをご紹介します。

2019年04月15日

vol.127 君津市小糸花卉園芸組合様:千葉県 カラー


今度こそ、本当の平成最後のウンチク探検隊は、13年ぶりの君津に上陸いたしました!

このたび取材させていただきましたその品目こそ、ウン探発足以来15年目vol.127にして3回目のカラーです!
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えー、カラーってまだウン探で2度しか特集したことないですと!?(; ゚ ロ゚)ナン!( ; ロ゚)゚ デス!!( ; ロ)゚ ゚トー!!
そうなんです。
2006年 君津市ブルームネットさま(千葉県)、2011年 JA会津みなみさま(福島県)のみ。
うーん、なんだかカラーという花の知名度の割に少なーい!
しかもカラー生産には知られざる真実がたくさん隠されているのに。


ということで、満を持して平成最後にカラーを取材させていただきました!
大田市場からアタクシの安全運転でも車で1時間弱の君津市小糸花卉園芸組合さまを訪問いたしました。
(アクアラインよ、ありがとう^^)

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【君津市農協小糸花卉園芸組合さま基本情報】
● 設立 昭和35(1960)年 前回の東京オリンピックよりさらに前じゃありませんか!
 めちゃくちゃ老舗産地!2020年で60周年を迎えます。

う~ん、1960年といえば現在の皇太子さま、来月には日本国の第126代天皇に即位する徳仁親王がお生まれになった年でもあり、ダッコちゃん大流行し、日本で初のインスタントコーヒーが発売になった年。
しかも、カラーテレビが発売になった年でもあります。カラーテレビ発売の年に、カラーを生産する花卉園芸組合が小糸に誕生したわけですね!d(^-^*)
実際には、この君津の地(清和地区というところ)で昭和20年代にはカラー生産が始まっており、君津はまさに昭和、平成と日本のカラー生産を支えてきた生産地なのです! 

● カラー生産者 約50軒
● 生産品目 湿地性カラー(主にウェディングマーチ、アクアホワイト)
● 主な出荷期間10-5月(ピークは3-4月)
● カラーのほか、組合全体ではカキツバタやアネモネ、キキョウ、バラなどを生産


本日のキャストご紹介。
君津市小糸花卉園芸組合の副組合長の勝美雄(かつ・よしお)さん。
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今回は勝さんの圃場にお邪魔しました!

小糸花卉園芸組合、組合長の榎本雅夫(えのもと・まさお)さん。
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主な生産品目はバラやミモザ、ミントなど。この度は「組合長としての責務がある!」と取材に同行してくださいました。「市場やお客様がリクエストしたものを必要な規格で出荷できる何でも屋になりたい」と常に消費に耳を傾けてくださいます。

副組合長の長田英二(おさだ・えいじ)さん。
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なんだか俳優さんで似ている人がいるような・・・

カラー部、部長の朝生茂方(あそう・しげまさ)さん。頼もしい若手です。
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そして、JAきみつ小糸経済センターの鈴木健一朗(すずき・けんいちろう)さん。
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君津の花はこのお方抜きには語れません!
確か前回お会いしたのは10年くらい前なのですが、驚くほど変わっていらっしゃらなくて、腰が抜けそうです。

名優が揃ったところで、早速圃場に潜入です!
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★湿地性カラーの秘密
カラーには、大きく分けて湿地性カラー畑地性カラーの2つの種類があります。小糸では、湿地性カラーを中心に生産していますが、それには大きな理由があるのです。

その理由は後程説明するとして、その湿地性カラーは湿地というか“ほぼ池”のようなところで栽培しているってご存知ですか?
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ウン探もいろいろ生産地にお邪魔しましたが、こんなに水浸し(←表現が悪い)のところで栽培される花きを他に知りません。

小糸で美しい湿地性カラーが生産できる秘密・・・それは、ほかの地域にはまねできないある秘密兵器があるからなのですが、その秘密兵器こそ・・・!

湧水です!

ご覧ください!水がキレ~
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飲めるのでは?と思わせるこの水。飲んでいませんが、多分飲めます。飲めばよかった~´ 3`)

実は、小糸・小櫃(おびつ)地域では、伝統の井戸掘り技術「上総掘り(かずさぼり)」発祥の地
上総掘りとは機械を使わずに、地元の丘陵に生える竹など地域にあるものを使い、簡単な道具と人力のみで50メートル以上の井戸を掘ることができる日本独自のスッペシャルな技術です。そんなスッペシャルな技術は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

今でこその技術は既に使っていませんが、上総掘りで作った井戸は存在します。
それがこちら↓
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2011年の東日本大震災で断層がずれたのか、水が出てこなくなったのだとか。しかし、ほかにまだまだ上総掘りでできた現役井戸は活躍しています。
しかし、技術の習得が容易で、地元にある道具でできることなどから、現在では東南アジアやアフリカなどの開発途上国にこの技術が伝えられ、現地できれいな水源の確保に役立っています。
スゴシ!

んで、そんな上総掘りが生まれたこの地域は、湧水の名所
「うちなんか、年間水道代を払ったことないよ~」と勝さん。
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うぎょーΣ(゚ロ゚;)そ、そ、そ、そんなことって!!
「あるんだよ」
※払ったことがないというのは、つまり水道を使ったことがないということです、もちろん。使っているのに支払っていないということではありません。念のため。

「うちだって大した金額払ってねぇよ」
と今度は榎本さん。
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えー、でもそんなに水道代がかからないことを言ったら、日本全国の人たちが君津に大挙して移住してしまうのでは?

「もちろんウェルカムだよ。ぜひみなさん、君津に移住してくださいm(*_ _)m」

そんな地だからこそ、湿地性のカラー生産の名所も誕生するというわけです。

取材当日は晴天に恵まれ、ハウスの中が温かかったこともあり、その水を触ってみると気持ちいい程度に冷たく感じました・・・

でも、ずっとこの中に足を浸けていると、冷えてしまうのでは?
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「この水温は年間を通してだいたい15度くらい。
長靴を履いて、冬場に入れば温かく、夏場に入れば涼しく感じるんだよ

しかも、カラーの球根は夏場圃場の中で休眠するので、この湧水で冷やされることで球根の腐敗を防ぐことができる。球根はゆっくり休むことができるんだ」
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なるほどー、よくできていますね。

「通常、井戸水は地下からポンプなどで引いてくるよね。
ここはほら、見てごらん。
小糸の水は自噴(じふん)といって、自ら水が地上まで湧き出てくるんだ」
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自噴水?
すごい。ポンプで引き上げる必要がなければ、電気代も節約できますね。
自噴の様子はこんな感じ↓(動画3秒)


実は、こういうのって珍しいのですが、君津の地層に理由があるそうです。

説明が長くなりますので、端的に申し上げますと・・・
傾斜がついた土地に水を通しにくい地層によって挟まれている部分があり、山から流れてきた地下水に圧力がかかり自噴する・・・ということのようです。(←合っていますか?専門家の方や君津のみなさま)
※さらに詳しく知りたい方は「日本地下水学会」の君津のレポートをご覧ください。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、これ以上はなかなか奥が深くて難しそうなので割愛(≡人≡;)スィマセン…
自噴のしくみはさておき、ともあれ地下水が豊富な君津だからこそ、よい湿地性カラーが生産できるというわけです。(←これ結論)

ちょっとちょっと、こちらをご覧ください。
地面をよく見ると、貝殻があちこちに・・・?
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しかも、貝殻の形を残したまま、結構な量がありますが、この貝殻は何ですか?

「貝殻ってどれ?(o._.)o ドレドレ・・・
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あー、これね。そうそう貝殻」

って、えええええ???ёё≡ Σ(ω |||) エェェェッ!
榎本さん?「どれどれ?」て、貝殻があることに気付いていらっしゃらなかったのですか?

「もちろん知っているけど、わたしたち地元の人からしたら日常風景だから、馴染んじゃってね。
何も不思議なことではないから」

なるほど。既に目に入らないくらい当たり前の地元の光景として馴染んでいるのですね。
いやでも、え?貝殻?なんで??(-ω- ?)
おかしーなー、この辺りは最も近い海でも直線距離で4-5kmあるはずなのですが・・・。

「この辺りは昔は海だったんだよ。海底が隆起してこの地ができたんだ。
そして今では、小糸に山砂採取場があって、その土砂が羽田空港の埋め立てなどに使われるんだよ」

な~んてお話ししていたら、ちょうど目の前に切り崩した山がそびえているではあーりませんか。
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なるほど、海底が隆起してできただけに、小糸の地は砂地なのですね。
これもカラー生産には好都合です。
「でも、カラーを作っていると水を流すでしょ。
その水と一緒に年間6トンもの砂がこの圃場から流れ出ていってしまうんだ
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ロ、ロ、ろ、ろ、ろ、ろ、6トンッ!!( ✧Д✧) !!
6トンを、およそ出荷期間の8カ月で割ると1カ月、750kg。
いやでも、出荷期間ではない夏でも球根を冷やすためにここに水を張っているから、12か月で割ると1か月500kgも勝さんちの圃場から砂が流出している計算になります。
えーーーー、そんなに??毎月500kg流出だなんて?
500kgを30日で割ると1日あたり約16.7kgの計算になります。
「もちろん、出荷シーズン終了後には地元の土を使って補充するけどね。」


もともと田んぼだったところなので、このように道路から一段下がったところに水を張ってカラー圃場を設営しています。
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勝さんのところではハウスが大きいこともあり、作業性の問題から、このように中央に通路を作っています。
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両脇の湿地の深さはどのくらいなのでしょうか・・・

「このくらい」
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15-20cmくらいでしょうか。
では、この網は?虫採りですか??
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「浮き草除去のためだよ。
水を張っているとこのように浮き草がどんどん増えてくる。これを取り除くんだ。
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カラー生産は水の流れをよくして、常に淀みなくキレイな水を確保するのが命!
浮き草が溜まってくると、流れが悪くなってしまうんだ」

小糸でのカラー生産は何より水の流れを良くしておくことが大事。
カラーはとりわけ重労働があるわけではありませんが、常に環境を衛星的に保つために、黄色くなった葉を取り除いたり、水質をきれいに保つために藻や浮き草を取り除いたりすることが重要であり、栽培の中で大きなウェイトを占めているのです。


★スペシャルカラーバージョン 2つ

スペシャルバージョン その1「スウィート」

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苞に縞模様の入った個性的なカラー。これは、生産している中で、1割もないくらいの割合で出てくるのですが、これをスペシャルバージョンの「スウィート」という品種で出荷しています。
※「スイート」ではなく「スウィート」であることがポイントです(^^)b

小糸のカラーを「恋人(こいと)のカラー」とした際の英語のキャッチが、
“Callas Lilies(カラー) of Sweetheart(恋人)”
そのsweetheartから「スウィート」としたそうです。ちょっと大人な雰囲気があって素敵だと思いませんか。
時間が経過しても、通常のカラーと異なり、苞が反り返りにくいのが特長です。

スペシャルバージョン その2「草丈130cmのカラー」
皆さん、小糸のカラーは長さ130cmのこ~んなに長いカラーも注文対応可能です。
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大きな生け込みなどの際は、ジャンジャカご注文くださいませ。

他にもスプレーカラーがあったり、苞がダブルで生まれて右と左に分かれたり・・・
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規格外ができた時点で、生産目線でははじいて処分してしまうのだそうです。

「ところが販売に携わる皆さんに見ていただくと、”コレ、いいじゃない“って言われるんだよ。
でも、まさかそれに商品価値があるとは思わず、廃棄するケースが多くてね」
と長田さん。
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中にはそのユニークさが、嗜好性の高い花マーケットで評価されるものもあると思いますので、
「みなさん、どうぞ小糸のカラー生産を見に来てください!」by本日のキャスト全員
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そして、水道代が安く済むので、なんならそのまま移住しちゃってください!(゚∀゚≡イイネ!


★カラーを採花してみよう!
カラーの場合、明確にどこで「開花」という判断が難しいと思うのですが、切り前のタイミングはどのように図っていらっしゃるのですか?

「昔は、中を覗いて肉穂花序(にくすいかじょ;黄色い部分)と仏炎苞(ぶつえんほう)の間に小豆が入るくらいになったら採花OKって教わったんだよ。小豆にそんなに意味はないんだけど、目安ということなんだ」
↓上からのぞいて、肉穂花序と苞の間に小豆が1つ入るくらいならOK。こちらの写真であれば、まあOKということですね。
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でも、こうして拝見していると、同じ品種でも開花の仕方が違うように見えるのですが・・・
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上の方から開くものから、下の方から膨らんでくるものなど、個体差があるというか。

「そうなんだ。
だからそういう時は吹くんだよ!」

え、吹く?

「そ!フッと息をかけると下の苞が膨らむからちょうど良くなるんだ」
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このように苞の開きを見ながら、OKなものを見極め、根元を持って一気に引き上げるのですが、勝さんたちがあまりにも簡単にやっていらっしゃるので・・・
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もう出荷しないカラーを使ってウン探も探検させていただきました。

根元に近いところを持って・・・

膝を曲げ・・・

んにゃらーーーーッ!!!

と、大根を引き抜くように引き抜いてみると・・・!

なかなか抜けませんヾ(´ε`;)ゝ…ありゃりゃ。慣れないこともあり、意外と力が要ります。

何回か、んにゃらーーーーー!と力を入れて引き揚げてみると、やっとポコーンという球根から引き抜けるととも引き抜くことができました。
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しかし、それを見ていた勝さんたちはなぜか失笑。
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し、失笑??なんで?(・ω・;

「カラーは一気にポン!と抜かなければいけないんだよ。
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今みたいになかなか抜けなくて引っ張りすぎてしまうと、中の導管が切れて水揚げが悪くなる。
水を吸い上げにくくなるから、結局は日持ちがすこぶる悪くなるんだ」
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ありゃー。

「これを見てごらん」

と束ねたのは三本の矢ならぬ、三本のカラー
こちらの動画で(4秒)違いをお確かめください↓


3本のうち、1本だけピロピロと揺れ幅が大きいものがありますね、 これはウン探が抜かせていただいたもの。ほかの2つは勝さんが抜いたもの。
ピロピロ幅が大きいのは、もう中の導管が切れて、茎も柔らかくなってしまっています。

ありゃー、やってもーたぁ!!・゚・(。✖д✖。)・゚チーン。

この違いが大きすぎるほど大きいのです。
「びにょーんと伸ばして引き抜いたカラーは、筋肉が弱くなって断裂したイメージだよ」
と榎本さん。
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ほー、なるほど、言い得て妙ですな。(そこを褒めている場合ではない!)
勝さんが抜いたカラーは芯があり、きちんと水揚げします。
しかし、ウン探が抜いたカラーは、もう長いままでは寿命はそう長くありません。
そんな時は、カラーの特徴的な美しいフォルムを生かすことはできず、茎を短くて楽しむしかなくなってしまうのです。せっかく良いカラーを育てても、採花で失敗してしまっては元も子もありません。

元の方からキュッと一気に引き上げるのが日持ちするカラーのコツなんです。



★カラーの香り
みなさん、カラーに香りがあるのをご存知でしたか?
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圃場で花に顔を近づけてみると、
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うんわッ、すごい!!(*’v`!艸)カラーってこんなに香りがあったのかーーーー∑(゚□゚*川!!

ッと思うほど、しっかりとした香りがあります。
どんな香りかって??

むむむ。。。(・へ・;;)・・・
分析をしていないので表現が難しいのですが、全体としてはエレガントで大人っぽい香り・・・ですが、甘酸っぱくもあり、また、どこか青くグリーンの香りがして、春らしい印象です。(個人的な印象)

ん?青く春らしい??
つまり・・・カラーの香りは「青春の香り」ってことかな?

どうでしょうか、私の青春はこんなにエレガントではなかったので、この表現が適切かどうかわかりませんが、是非みなさまカラーをお手に取ったときは、香りを嗅いでみてください!


★「令和」に向けた小糸のカラーの方向性は?
知られざるカラー生産のノウハウを伺った老舗大産地の小糸園芸組合のカラー部会のみなさんですが、これまでの歴史をざっとまとめると、次のようになります。

■ 戦後-昭和20年代まで
戦後館山方面でカラー栽培が盛んに。
君津市では、28年頃からカラーの栽培スタート。

■ 昭和30-40年代
30年代に小糸地区でもカラー栽培スタート。
35年に小糸花卉生産組合発足。
40年代千葉県よりカラーの花卉指定産地となり、栽培技術の向上と市場開拓スタート。

■ 昭和50-60年代
カラーの一大産地としてマスコミの注目を浴びるように。
結婚式でカラーが使われるようになったのも50年代から。
60年代、小糸のカラーが東京市場のうち70%+シェアを確保。
昭和末期、カラーの病気が全国的に発生。品種を変える(チルドシアナからウェディングマーチへ)ことで危機を克服。

■ 平成元年以降
メディアに注目される機会がさらに増え、ウェディングマーチに加え、千葉県が育種したアクアホワイトの出荷開始。カラーの知名度アップ。
平成20年以降、「ホワイトデーにはカラーの花を」のキャンペーン開始。生産のみならずPRに積極的に取り組む。

これがざっくりとした小糸のカラーの歩みです。

では、気たるべく令和時代に向けて、どのようなことを目指していらっしゃるのでしょうか。
JAきみつの鈴木さんに伺うと、大きく2つのことが挙げられました。
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1.需要期に出荷できるカラーを目指す
現在は10月に出荷スタートですが、実際にはウェディング本格シーズンである9月からカラーの需要はあります。 そこで、9月から出荷できるカラーを目指すということです。
そのためには、県の力を借りて早咲きのカラーの品種を育成、栽培することが必須です。

ただ、小糸のみなさんは稲作とカラーの二毛作パターンが多いので、稲作は片付けまで含めると9月まで手を取られます。そこをどうクリアするかも同時に課題となってきます。

【小糸のカラー出荷量 月別イメージ】
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2.新施設「カラーの里」稼働で教育とプロモーション
「カラーの里」とはJAきみつさまとカラー生産者のみなさまが作ったカラーの栽培施設。
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JAきみつ小糸経済センターの事務所のすぐ目の前にあります。


設立の目的は
1. 新規生産者さんの研修圃場、及び呼び込みのため
2. 新品種の試験栽培のため
3. 生産現場を一般のみなさまにご覧いただくため

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中央にウッドデッキを作って、生産現場を公開する展示用に設営しました。球根の植え付けはこれから。なんだか尾瀬の雰囲気がありますね。球根を植えたら尚更雰囲気が似てくることでしょう。
「尾瀬もちょっと意識して作ったよ」

という鈴木さん。次回、君津にお出かけの際は、是非お立ち寄りください。


★小糸のカラーは圧倒的SDGsに適った農産物

小糸のカラー生産は将来を見据えたSDGs実践型の農産物といえます。
どんなところがって?

例えば、
● 地元の湧水を活用しているため、水道代はほぼゼロといっていい。
● 小糸のカラー生産に暖房・冷房不要。これも湧水が果たしている役割が大きい。
● 農薬の使用量が圧倒的に少なーい。
● 虫は、できるだけ手で取る。
● 水草は網で取る。
● 球根はハウスの中で分球しながら増えていく。(海外から購入をしない)
● 球根の廃棄などがないため、ゴミが極めて少ない。
● 土壌洗浄などの必要がない。
● 水の中には無害の水生生物と共生
(どじょっこだのふなっこだの・・・いや、ふなっこ(フナ)はさすがにいないらしいが、ドジョウやザリガニ、カエルなど。圃場外の田んぼでオタマジャクシに遭遇。お久しぶりです!)
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省エネ、循環型農業を実現し、生物多様性を保護しながら、地元の環境を生かした持続性の高い農業生産を行っている素晴らしい生産地なのです。


★カラーの選び方3箇条
● 苞(ほう)がシワシワしていないこと
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● 苞に包まれた黄色い棒状の部分(花)が開花していないこと。
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もしくは開花が少ないもの。
開花すると、粉をふいたようにもさもさしてきます。↓
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● なにより小糸のカラーを選べば、まず間違ナシです。
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★カラーの日持ちを良くするコツ 5箇条
1.温かいところよりは涼しいところがベターでございます⇒気温が高いと足が速い。つまり早死に!チーン( ;-д-)

2.エアコンや扇風機などの風が直接当たらないところに飾る⇒直撃を受けると、乾燥して早死に!チーン( ;-д-)

3.直射日光に当たらないところに飾る⇒ジリジリと照りつくす太陽に苞や茎が焼けて早死に!チーン( ;-д-)

4.3-4日で生け水を交換⇒水の中のバクテリアが繁殖すると、導管が詰まり水を吸い上げなくなってしまうので、早死にチーン( ;-д-)

5.その際茎下が赤茶色になっていると思うので、その部分を3-4cm切り落とすといいでしょう。⇒切り口が赤茶けてきたら導管が目詰まりし始めた印。放置すると早死に!チーン( ;-д-)
完全にふさがる前に切り戻しましょう。


★君津市小糸花卉園芸組合さまのカラー生産格言

● 小糸のカラー生産はまさにSDGsに向けた農業の実現。
地域の利点である自噴する湧水を花き生産に生かし、高品質の花を生産すべし!

● 湧水に恵まれた小糸地域では、生活水道代がほぼかからないか、かかってもそれに等しいくらい。
小糸いいとこ、小糸においで!!ついでに移住すべし。
「ぜひいらっしゃ~い!」(←おねえ風に)by小糸花卉園芸組合 組合長榎本さん
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● 良いカラーを育てたら、採花にも注意すべし。
 日持ちするカラーのためには、根元から一気にキュッと!引き抜きましょう。
 ビロローン茎は絶対NGです。

● 小糸のカラーは「恋人(こいと)のカラー」
 ウェディングマーチ、アクアホワイトに加え「スウィート」もよろしくね!
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小糸花卉園芸組合さまのホームページはこちら

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写真・文責:ikuko naito@大田花き花の生活研究所