2018年04月30日
vol.123 阿部一夫様:福島県 花木類
ウンチク探検隊は、ついにやってきました!
美しい春の福島!
今回の生産者さまは福島駅から東へおよそ3kmのところに位置する・・・(え?そんな駅近??・・・はい、そんな駅近です)花見山(はなみやま)公園と呼ばれる場所で、花木を中心にご出荷されている方を訪ねました。
こ、公園??!w(゚o゚*)w??
公園で花を作っているのでしょうか。
公園で花を作って出荷していいのでしたっけ?・・・と思われたみなさま、今回のウン探はいつもとちょっと違います。
(ホントは“いつもちょっと違います”)
本日のナビゲーター兼花木生産者さまの阿部一夫(あべ・かずお)さん。
「うちの山が圃場であり、一般の方どなたでも花をご覧いただけるように解放している公園でもあるんだよ」
「公園」と呼んでいますが、実はここは大田花きに花木・枝物をご出荷くださる阿部さんの私有地。
↑阿部さんのご自宅前のお庭。写真左側にたくさん人がいらっしゃいますが、みーんな阿部さんの知らない人(^▽^;)
んまあしかし、なんとも広いお庭ですw|;゚ロ゚|w !!
↑黄色のジャンパーを着ているのは、ボランティアのガイドさん。
公園(阿部さんのお庭ですが、あえて公園と呼ばせていただきます)が約5ha、そのほかに出荷専用の圃場が合計約3ha。ここで花木を生産出荷されています。
その品種はサクラだけでヨシノ、八重、ケイオウ、ヒガンなど20種にも及びます。そのほかモモ、梅、レンギョウ、ボケ、ベニバスモモ、利休梅、コデマリ、ユキヤナギ、チョウセンマキ、クジャクヒバ、ヒメミズキ、藤の花、ツバキ、サザンカ、コウヨウマツ、大王松、モミジ類、南天などなど、多品目にわたる花木をお持ちです。
一夫さんは3代目、こちらがご子息の晃治(こうじ)さん、4代目です。
【花見山公園の発祥】
阿部一夫さんのお祖父さまで初代にあたる伊勢次郎(いせじろう)さんまでは養蚕をしていました。
この辺り一帯は養蚕業を営む家ばかりだったといいますが、時代の流れとともに養蚕をやめて花木の生産に切り替えました。
阿部さんのお庭を含む福島市渡利周辺の地域を全体で「花見山」と呼び、とりわけ阿部さんのお庭を「花見山公園」としています。あえて「公園」とつけることで、ここはお散歩してOK、そのほかのおうちには勝手に入らないでね、としているのです。
「もともとこの山は雑木林。60年くらい前までは、栗やキノコを採ったりていたんだけど、開墾して、畑を作って、花を植えて、花見山公園を作ったんだよ」
それが写真家の秋山庄太郎氏(1920-2003)に撮られるようになってから広く知られるようになりました。
「桑畑といわれたところが桃源郷になったんぞい」
と書いてあるこちらのポスターは、有名な某鉄道会社の広告。
阿部さんのお庭、スケールが違います。
こちらは、阿部さんのお庭にいらした安倍さん。
んわッ!安倍さんもいらしたことがあるのですね!先代の阿部一郎さんが安倍さんをご案内されています。
↓右の方が花見山を作られた初代の伊勢次郎さん。雑木林を開墾し、花見山公園を構想から実現した方。お隣は奥様のキンさん。戦前から花を出荷販売されていました。
それにしても、山に花を植えるところまでは決まっても、「何を植えるか」はどのように決めたのでしょうか。
「キンさんが生け花をしていたということが大きかったんだよ。
枝物のようなアイテムが必要だということに気付き、キンさんのアドバイスがあって伊勢次郎さんが埼玉などにいって買い求めて徐々に枝物の品種が集まっていったんだ」
なんと、花見山公園の誕生にはキンさまのご功績が大きかったのです!
戦後は、福島にいた米軍進駐軍に、花の引き売りもしていたというキンさま。 モノ不足で食糧を作っていた方が有利に働いていただろうと想像される中、「いや、花だ」と昼は花を作り、夕方には進駐軍の奥様方に売りに行きました。県庁や有名人・著名人が多く集まりそうな飲み屋街に自ら足を向けて、販売にいったのもキンさま。
阿部家の繁栄の陰にキンさまあり!
伊勢次郎さまとキンさまの共同作業の結果、現在の花見山公園が出来上がっていったのです。
「つまり生け花の需要に合うように花を見つけては植えていったら、サクラだけではなく、いろいろ品種が集まって、山は色鮮やかになり、開花時期も少しずつずれて、長い間彩りの豊かな山を楽しめるようになったんですよ!」
という頼もしい4代目晃治さん。
生け花需要に合わせて集めたアイテムですから、30年くらい前まではボタン、シャクヤク、アヤメ、カキツバタなどの花ものもありましたが、徐々に花木に集中するようになりなした。移り変わる山の色。それぞれに細やかな季節の移ろいを象徴しています。
花見山の美しいシーズンを撮影した写真↓
一夫さん
「ロウバイ(黄色)に始まりウメ(白・赤)、マンサク(黄色~オレンジ)→サクラ(ピンク)→サンシュユ(レモンに近い黄色色)→モミジの出猩々(でしょうじょう※)(赤)などと変化し、一つの春の中でも流れるように変わりゆく山の色合いが何とも言えないよ。
特に4月になると開花する花が増え、目の前の景色が立体的になるのを見ると嬉しくなるね」
※猩々(しょうじょう)というのは、宮崎駿さんの「もののけ姫」にも登場しますが、顔の赤い伝説上の動物です。その赤さから、赤い花の名前に使われることがあります。例えば、ポインセチアの和名を猩々木(ショウジョウボク)といいます。
花を植えてからというもの、山を無料で一般開放しました。いまでは、シーズン中30万人にも及ぶ観光客が阿部さんのお庭にいらっしゃいます。花見山周辺はこんな感じに。これでも伺った日は少ない方なのだとか。
花見山の散策に訪れる観光客用の大型バス↑ナンバーを見れば、川崎、品川、練馬など。
たくさんのお客さんがいらっしゃいますが、観賞用の花と出荷用の花はどのようにすみ分けていらっしゃるのですか。出荷のために切ってしまっては花がなくなってしまいますし、取っておいては出荷できません・・・
「分けていないなー・・・
元々は出荷のために育てているからね。
出荷で全てを切り落としてしまうわけではないから、“咲いている花でよかったら見ていってください”ということなんだよ」
出荷用に栽培を始めたというのが花見山の原点。観光してもらうほどの美しい山になったのは、あくまでも結果論で副次的なものだそう。
「でも、見てもらうにしてもやはり切らないといけないし、切ることで森を管理することができる。切ったものは出荷する。剪定することで森の管理と花木の出荷をしていることになるんだよ」
その上、皆さんもきれいな山を見ることができて、一石何鳥にもなるのですね!
「伸びてきた枝は切らないと老化する。切ることで病気を防ぐこともできるし、樹木を若返らせるんだよ。
山は手入れと再生の繰り返し。そうしているうちに山は刻々と姿を変えていくんだよ」
再生のために整理した跡(例)。
毎年、同じように見えても、実は変化していく。それを日々ご覧になる阿部さんは、まさに“山は生きている”と感じることでしょう。
そんな思いで山を開放していますが、お客さんがいつの間にか阿部さん宅の軒下に腰を掛けたりするのは日常茶飯事ですし、過去には玄関から入って2階まで上がって行ってしまった方もいらしたとか・・・笑笑!!!
30万人もいらっしゃれば、そんなこともありますかね・・・(゚ー゚;Aアセアセ
不特定多数の観光客を私有地に開放して、大切な枝物などを勝手に切られたりしませんか?
「皆さん大事に見てくださるよ。
枝を切るどころか、観光客同士で注意してくれるくらい。先代の父が枯れ枝を取り除こうと切り取ったら、“切っちゃだめですよ”と観光客に言われたこともあった。
そう言われて父は“すみません”って謝ったんだ」・・・笑笑!!
一郎さんはそのような観光客のみなさんの気持ちが嬉しかったと語っていらしたそうです。心温まるストーリーですね。植物を大切にする公園の主のところには、植物を大切にする観光客が集まるのでしょうか。植物をキーワードに類は友たちを呼んでいるようにも思えます。
【いざ、山へ!】
それでは、本日は阿部さんの「山」をいざ探検です!
今回に限っては「山地ウンチク探検隊!」ですな。
山に入ると、本当にすべてがキラキラして見えます。
あ、太陽が当たっていたからか?・・・「(゚~゚o)
この時期のランドマーク、ベニシダレ。
ヤグチモモ
マンサク
写真がわかりにくくてすみません。
キクモモ
品種名はさておき、とりあえず満開のモモ。
花桃畑
・・・花桃は一般的に20年くらいが経済寿命(枝を切って出荷できる期間)と言われています。
大王松
・・・と歩いているうちに神社発見。
って、えーーーーーw( ̄△ ̄;)w!?
じ、神社???
w( ̄△ ̄;)w お庭に神社?
神社だけでなく、お茶室のような風情あるスポットも。
「先代が作ったんだよ」
と阿部さん。
アンギョウサクラ
ヤマアジサイ
正式名ではないかもしれませんが、阿部さんが言うところのミヤコタイサンという桜。
・・・と拝見しているうちに
ホーホケキョッ!
な、な、なんと、生ウグイス・・・の鳴き声!
清爽な響きに春を感じます~。
トーキョーの駅じゃあ、ウグイスの鳴き声もCDか何かで流してんだもの。それもいいけど、ホンモノはやはり違いますよ。癒されます~(´∀`)
サクラの天の川
花は終わりましたがカワヅザクラ
オカメザクラ
カンヒザクラ(寒緋桜)
自力で運び作り上げた石積みの壁
ご苦労のほどが偲ばれます。
ツバキの大神楽。伊勢次郎さんがツバキがお好きだったのだとか。
ボケ(ヒノミハタ=日の御旗)
サンシュユ
と拝見している間に、ホーホケキョッ
ヒュウガミズキ
お!緑色の桜です。
「ギョイコウっていうんだよ!」
「御衣黄」と書いてギョイコウ。濃い緑の絞りが入った八重の桜です。
ウコンザクラも緑がかった桜です。
モクレン
モミジ
下の方から赤くなるので、上の方はまだ黄味が強いですね。
下から上に変化する色のグラデーションが美しい。
ベニスモモ
ホーホケキョッ・・・さわやか~
ナツツバキ(シャラ)
樹姿、枝姿が美しいですね。
樹皮は明細柄。木登りをして、枝を切って出荷します。
イノシシが掘り返した跡。
テレビ番組で、(今、メディアで超話題の)某有名タレントさんが植えた吉野桜もあったりします。
十月桜
ドライと化したアナベル。
オオデマリ
サカキ!本榊です。
ヒサカキもあります。
ナンテン
オオバベニガシワ
ユキヤナギの小道
品種が違うのか、ユキヤナギの小花が一回り大きいように思います。
マホニア(西洋南天)はクリスマス需要に。
フジヅル
「フジもそろそろツボミができたころだよ」
歩みを進めていると・・・
・・・突然こんな絶景が眼前に現れる!
レンギョウと菜の花と空のコラボショット!
めっちゃインスタ映えするんですけどー!
「タイや台湾など、国内ばかりでなく海外からもインスタ目当てに来る人いるんだよ」
朴(ホオ)の木
なーんてうっとりしながら上ばかりに気を取られていたら、足元にも可愛い花がたくさん咲いていました。
クリスマスローズ
その写真を撮る観光客
スミレ
イカリソウ
ヤマツツジ
ユキワリソウ
ほぼ葉のみですが・・・
こちらはサンシュユの実生から育てている苗。
枝物を実生で(播種から)栽培されていたとは・・・!
ハート型の菜の花畑を眼下に広がるスポットも。
こちらはコデマリ。
花の白色がチョコーッと見えたら出荷の合図。見えなくても、見えすぎてもいけません。
この場合は?
「これは出荷までもう2-3日というところだね。
そうすると、一気に開花が始まるから、すべて2週間のうちに出荷しきらないといけないんだ」
枝物は、このように瞬間風速的に出荷が集中するのが特徴ですね。それだけに季節を演出できる指数が高いですね。
こんな風に歩きながら、阿部さんは開花の進み具合を確認し、出荷のタイミングを計ります。
よく見ると、ところどこに木の切り跡が見られます。
「これは道の邪魔になるから切ったんだよ。切ったものは大田花きへ出荷したよ!」
切り跡はあちこちにたくさん。
こちらのカンヒザクラは切り口が新しいですね。最近の切り跡ではないかと思いますが・・・
「あ、それはボクが昨日切りました。大田花き向けに」
と晃治さん。
ぬぁんと、取材前日に切ったばかり!ご出荷、ありがとうございますm(_ _)m
「山」となると、水遣りは不要なのでしょうか。例えば全然雨が降らなかったらどうするのですか?o(´^`)o
「水遣りはしないよ。雨が降らなければ、根が水を求めてどんどん下に張っていくんだ」
と伺いながら歩いていると、バチーンと切られた直径12cmほどの伐採の切り口を発見。
なんだか太陽光に照らされてツヤツヤキラキラしているではありませんか。
「それが、根から十分水分を吸い上げている証拠だよ。だから水遣りは必要ないんだ」
ワックスか何かを塗っているのかと思うくらいツヤツヤとしていましたが、これが水を吸い上げている証拠だったのですね。
花木の病気などの心配はないのでしょうか?
「同じ地域で花木を生産しながらも、畑によって条件は異なるので、花木の性質と土壌や空気の流れをよく見ながら植えているよ。その植物の特性に適したところに植えるというのが基本。
例えば、アメリカシロヒトリがどうしても発生する場所があるとする。そのようなところには、アメリカシロヒトリが好きなサクラ類は避けてレンギョウを植える。するとアメリカシロヒトリもつかないし、消毒は最低限で済むようになる。 あるいは、乾燥する場所はカイガラムシに注意だけど、乾燥する場所でも山手の方ならカイガラムシは少ないので、付きにくいという性質がある。 適地適作を心がけ、湿度、風通し、日照、土壌性質、害虫の発生しやすさなどを見て花木を選んでいくんだ。 でも適地適作も5-10年単位でやっと結果が出てわかること。伊勢次郎さんと一郎さんがある程度結果に基づいてやってくれたけど、畑の環境は建設物が1棟建つだけで水はけの条件は変わってくる。その点、山は環境を維持しやすいのがいいところだよ」 花木も生産環境を整えるというのは一大仕事なのですね。 主な出荷期は10月から4月中旬くらいまで。この間、観光客を受け入れつつも、山から枝を切り出して、出荷準備もしなければなりません。
昼間はお客さんがたくさんいらっしゃるので、阿部家のみなさまは早朝5時くらいからと日没直前に山に入って枝を切ってきて、昼は作業場で水揚げと出荷作業。 急な注文の時、どうしても山に入らないといけないときは、バイクで行くこともあり、
「すみません、すみません」
と頭を下げながら山に登るのだとか・・・ヽ(´・`)ノ
出荷期間以外のときには何をされるのですか?
「管理作業だよ。
草刈りが一番ボリュームとしては大きいけど、そのほか肥料をやったりね。
管理作業なくして花咲かず!だよ。
むしろこちらの仕事の方が大変だと感じることもある。日々、草との戦いだよ」
草との戦い!まさに草試合!
この美しい山は、阿部さんの地道な管理作業があってこそのことだったのですね。
【先代から受け継いだもの】
見上げんばかりの石塔。
初代の伊勢次郎さんと2代目の一郎さんは、このように素晴らしい花見山を作り上げていきました。
伊勢次郎さんは書道を嗜まれたそうで、おうちの中や作業場に多くの作品がきれいに表具され、掲げられています。
「雲」
「無心」
伊勢次郎さんは「無心」や「夢」、あるいは“自然”に関係する言葉がお好きだったようです。このような言葉とお父様、お祖父様の後ろ姿を見てお仕事を継いだ一夫さんは、特に何を言われたわけでもなく自ずと仕事に対する姿勢を引き継いでいきました。
伊勢次郎さんは花見山を作り始め、一郎さんはこの素晴らしい花見山を作り上げ、一夫さんはそれを維持することが仕事とおっしゃいます。
「先代が築き上げてきたものを継承していくことも阿部家の姿と思ってね」
晃治さんも夢がありますか?
「私は夢を語るのはまだ早い!」
とさらり。
やっと60歳くらいで認められる世界とおっしゃいます。
「父(一郎さん)は90歳くらいまで現役で仕事をしていたんですよ。
先代が現役のうちは、私たちはあくまでもバックアップに回るんです」
と一夫さん。
晃治さんも
「そう、私はまだまだ下っ端なんです」
先を歩む親を敬う気持ち、親を師と仰ぐ気持ち、誰よりも枝物生産のプロフェッショナルではありながら、親には敵わないという謙虚な気持ちが花見山公園の秩序と美しさを作り上げているのかもしれません。
高く青い空の元、花が咲き、緑が溢れ、小鳥のさえずりが耳を癒し、観光客のみなさまの笑顔をすれ違い、また温厚な阿部さん親子に触れあい、花見山で人間性を取り戻してきたウンチク探検隊なのでした。(人間だったのか?)
★花見山公園 阿部一夫さまの格言★
・山づくりは手入れと再生の繰り返し。切ることによって新しい芽吹きが生まれ、樹木は元気に保たれると心得よ!
・管理作業なくして花咲かず!
出荷期以外のときこそ、草刈りなどの管理作業に専念。草との戦いはまさに草試合。これに克つからこそ花が咲く!
・同じ福島市の花見山の地域で栽培するにも、花木の性質と環境との相性を見極めよ!
適地適作で農薬を最小限に抑え、良いものを作るべし。
・来年の花見シーズンには、ぜひ花見山公園を訪れるべし!人間性を取り戻せます^^
★晃治さんが教えてくれる「花見山公園 ココだけの話」★
晃治さんは、実は大学卒業後、大田花きで1年半ほど研修していました。もう10年ほど前になるでしょうか。
そんな晃治さんにこっそり教えてもらいました。晃治さんの幼児体験記。
その1★かくれんぼ、機能不全
阿部さん宅に庭山でかくれんぼをするとまず見つからない。鬼になった方も不利だし、隠れる方も見つけてもらえず飽きてしまう。 一緒にかくれんぼしている友達は途中で帰っちゃうなんてこともよくありました。かくれんぼ、広すぎてできません。かくれんぼというシステムが機能不全です。
その2★遠足先、「じぶんち」
幼稚園や小学校の遠足の行先が「花見山公園」ということもしばしば。ほかのみんなにとっては遠足だけど、私にとっては「帰宅」だった。“遠足先、じぶんち”。
【花見山公園公式ウェブサイトより抜粋・引用】
以下は花見山公園のウェブサイトで紹介されている一郎さんのお言葉です。
「花を植えたら目の前にきれいな花の山ができるんだ。非常に大きい楽しみができる。しかもそれは農家でなかったらできない喜びなんだよ。
(中略)
花は春夏秋冬、暑さ寒さに耐えて花を咲かせる。花の命は短い。しかもその花はすばらしい、きれいだ。自分らだけで見ていいのだろうか。ならば皆で見よう。皆さんどうぞ見てください。花を育て眺めることは、我が家の楽しみであり、皆さんと分かち合ったなかに眺めるならば、一層楽しいだろうという考えが花見山公園の原点なわけです。
花を見て“きれいだなあ”と、それだけでいいと思っています。
花が人の心に与える力というものは非常に大きいなあと、花と暮らした中において私はしみじみ感じております。こんなにきれいな花が何を求めるでもなく咲いてくれる。そして私たちの心をいやしてくれる。私も人生の潤いを感じるし、皆さんが喜んでくださる。
するとそこに力も出てくる。その思いに沿って、延々とやってきているのが花見山公園というわけです。」
花見山公園の公式HPはこちら
写真・文責:ikuko naito@大田花き花の生活研究所