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JICA民間技術普及促進事業を受託

　東京都中央卸売市場大田市場花き部の卸売会社で、花き卸売国内最大手の株式会社大田花き（本社：東京都大田区　社長：磯村信夫）では、このほど、独立行政法人国際協力機構（JICA）による公募「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業　第2回公示（2014年2月26日公示分）」において、「ベトナムにおける花きせり市場開設および花き流通技術普及促進事業」を受託致しました。[参考1]　当事業は、提案代表者である当社と、当社の子会社である株式会社大田花き花の生活研究所（本社：東京都大田区　所長：桐生進）との共同提案事業となっています。まずは2014年11月（予定）より、ベトナムの一大花き生産地であるラムドン省ダラット地域において、日本式の花き市場流通システムの導入に向けた調査業務を開始します。

　日本政府は、2014年6月に日本再興戦略・インフラシステム輸出戦略を改訂し、今後一層の市場拡大が見込まれる開発途上国に対し、「国際標準」を獲得すべく、日本の優れた製品やシステム－ 「日本方式」 －を普及させ、これにより途上国の開発と日本経済の活性化を両立させる目標をたてています。当社は、世界第3位の花き卸売事業者として、また日本のリーディングカンパニーとして、これまで培ってきた「花きの市場流通システム」というノウハウおよびインフラシステムを「輸出」し、継続的にベトナムの花き産業発展に貢献しながら、花きの国際的流通に関わる新しいビジネスモデルを構築していきたいと考えています。

　ベトナム・ラムドン省ダラット地域は、海抜1,500mの温暖な熱帯高冷地気候で、花きの一大生産地となっています。同地域の切り花は品質が良好であり、その一部が日本にも輸出されています。花き栽培は、ベトナムの伝統的な米栽培よりも収益性が高く、果樹栽培とともに米作からの転換が進んでいます。地方自治体も、雇用の増加と農民の収入増を目的として、花きや果樹生産の拡大による経済構造改革を推進しています。

　一方、ベトナム国内の花き流通をみると、産地＝消費地間の花き流通は産地仲買人が中継していますが、需給バランスを正しく反映する機能が確立しておらず、価格形成も不透明です。そのような状況下、生産者はより良い品質の花きを生産しようというモチベーションを失ってしまっており、出荷に伴う品質管理も疎かになっています。

　当社は、これまで日本で培ってきたせり市場の運営スキル、および、花きサプライチェーンの中で生・販を繋ぐコーディネーターとしての役割を果たしてきたノウハウを活かして、現地地方自治体および現地花き協会の要請に基づき、同地域での花きせり市場開設をサポートし、新たなサプライチェーンの構築を図るべく調査・コンサルティング業務を実施します。需給バランスを正しく反映したせり市場の存在は、小売業者、ひいては消費者の目利き能力と、生産者の品種開発意欲を高めることにつながります。日本の花き産業も、せり市場がうまく機能することにより、世界をリードするほどに発展してきました。ベトナムでの市場流通制度の導入は、透明で公正な価格決定プロセスを通じ、花き生産者が、「努力すれば報われる。」と信じられるものでなくてはなりません。その信頼の礎を築くことにより、ベトナム花き産業の活性化に貢献していきたいと考えています。