社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2018年11月05日

“苦戦の米卸”論説に学ぶ


 10/29(月)の日本農業新聞論説に、苦戦する米卸の再編が取り上げられていた。他の卸売業態が平均2%とされる営業利益率において、主要米卸は0.5%しかない。加えて数の調整問題(合併の問題)や、買取り価格の上昇が小売価格へ上手く転嫁出来ていない等の問題が挙げられていた。これは卸売市場のことまで含めて指摘されている。そう痛感しながら読んだ。

 卸売市場業界の営業利益率は、まるでNPO法人のようだ。これは何故なのか。実は卸売会社が合併分析、つまり、流通合理化という効果を追求せず合併をしなかった為である。米卸の営業利益率0.5%やそれ以下では、再度の設備投資も出来なくなる。少なくとも1%以上に上げていかなければならない。食品卸も薬の卸も、両取引先が大きくなれば数を調整し、自身がそれなりの規模になっている。数の調整を経て、特に買い手に対し、適切利益を各段階が持てるよう小売価格のUPを依頼し、値上げをしてもらう必要があるのだ。その為にも食品流通構造改善促進法の改正があり、卸売市場法とセットで国会を通り施行された。

 米卸への警告の社説に学び、花の場合も、中間流通業者は生産者と消費者、また、小売店の持続的な発展の為に、小売価格の値上げをしてもらいながら、また、合併をしながら、営業利益率を1%以上に上げるべく努力していく必要がある。このままでは明日が無い。自社が無くなれば、どのくらい沢山の生産者や消費者、小売店が困るのか考え、流通合理化を前向きに実行、対処すべき時である。

 
投稿者 磯村信夫 15:38