社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2018年02月26日

花桃、主たるお客様は団塊ジュニア等の方々


 スーパーに行っても、食用の菜の花が、例年の半分くらいしか出ていない。花も同様で、花桃が出荷のピークを迎えているというのに、菜の花が足りない。

 花き業界では、3月3日のひなまつり、特に、3月8日の国際婦人デーまで、長くは、イースターまで、黄色の花を中心に展開しようとしている。そして、今年の流行色はウルトラバイオレットだから、この黄色やオレンジに紫を合わせて販売していく。色々な黄色をとりあわせたいところだが、2010年以降、関東であれば尾瀬地域のラッパスイセン、埼玉・茨城・千葉・静岡のフリージアの生産が少なくなってしまい、小売店は思い切った演出が難しい(「これ以上生産を減らしてはならない」と、フリージアの全国的な生産組織を結成すると聞いている。これは大変喜ばしいことだ)。黄色の絶対量が不足しているから、ミモザアカシアは、生産が増えているにも関わらず、毎年値段が上がっている。球根切花を急に増やすというわけにはいかないから、来年もこの時期に黄色の品目が不足すると予測される。

 そしてこの時期、肝心の花桃の取引だが、伝統的な枝折りものの、神奈川県・馬絹地区や、埼玉県・川口市安行地区等のものは、品質は良いのだが、価値に見合った相場が出ていない。活け花や老舗の花店のような、業界で伝統と言われる花桃を取り扱う場所では、60歳代以上のお客様が多い。その年代の方々は、お雛様を飾らない人もいるだろう。だから、嘗てのような相場が出ない。一方、フラワーアレンジやホームユース用、量販店で販売する花束用の花桃は、花がしっかりついた枝を中心に販売され好調だ。更に、スリーブに入った荷姿のものは、絶対量が足りないので引く手あまただ。何故なら、団塊ジュニアと、それより下の年代の人達のお買い場が、駅ナカ・駅周辺のチェーン店や、スーパー等の量販店の花売り場だからだ。この世代は、どのくらいの大きさかは分からないが、お雛様を出しているだろうし、少なくとも、ひな祭りを意識しているからだろう。

 ウィークエンドフラワー、或いは、フラワーフライデー、「オフィスに花を」のフラワービズ。この視点でも、花桃やそれに添える黄色、紫の花をセットにすることを意識し、プロモーション活動を行おう。長かった冬も終わり、健やかな春に向け、新しい人生が始まること、そして、ひなまつりの花が、これに対する期待と不安と喜びを表現していることを感じ取ってもらえるよう、花を買って頂こう。

 


投稿者 磯村信夫 14:38