社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年08月16日

花や緑も、迷わずZ世代・20~35歳くらいの女性の好みと価値観に合わせてください


 本年のお盆は8月13日に迎え火、そして本日16日が送り火だ。迎え火であった13日金曜日の市は、8月盆の中でも最も活況な取引となった。金曜市は一週間の中でも活況なのだが、本年は14日~17日の間で休市となる。その分を購入しておかなければと思う生花店も多かったためだ。昨年から、全国の花市場は働き方改革もあり、お盆の期間に連休を取ろうとしている。そのため、生産者もいつもより前倒しで作付けをしていた。それが今年は梅雨明け後、東北・北海道まで急に暑くなったので更に前進し、リンドウを筆頭に7月月末は安値になってしまっていた。その結果、13日の金曜の市は出荷量が足りず、日本中が梅雨の末期みたいに大雨の予報が出ていても、相場がはねたのである。

 コロナ禍で冠婚葬祭が取りやめになったり、小さくなったりしたが、家庭需要はしっかりしている。これがコロナ禍の様相である。これをズームして需要動向をみると、切り花類では菊が久しぶりに堅調だ。たしかに家族葬等、規模は小さくなったものの、8月は葬儀件数が増え、スプレーギク等の需要が堅調になっているのだ。一番人気はディスバッド菊で、量的にまだまだ足りない。また、鉢物ではコチョウラン、ミディ共に堅調だ。アンス、アナナス類、観葉植物も同様である。この傾向は今後とも続くと思われる。  

 実際に花や緑を多く購入しているのは団塊ジュニアから60歳代の、高い年代層が中心ではあるが、その好みや価値観に大きな影響を及ぼしているのが、まだまだお客様としては多数ではないが、Z世代、そして、20~35歳くらいの若い女性たちである。団塊世代のおばあちゃまがこれまで生きてきた中で流行った花々で、スタイルを今風にちょっと変えたようなものが、この暑い夏でも売れ筋なのである。


投稿者 磯村信夫 10:00