社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年02月22日

社会は絶えず変化している。あなたの業界はどうだろうか。


 本日は最初に、このコラムを借りて、お詫びをさせていただきたい。私が会長を務める日本花き振興協議会では、農林水産省のコロナ対策における花き振興の為の補助金を活用し、「Okuléte gommen」キャンペーンを行っている。コロナ禍で集まることが出来ないために、つい祝いそびれてしまったことはないだろうか。そんな祝いそびれに、花を贈ろうというものだ。キャンペーンスタート時には、お笑いトリオ、ハナコさんに「Okuléte gommen応援団」に就任いただき、東京ミッドタウン日比谷の生花店で、1日店長として生活者から注文された花を提供してもらった。また、「Okuléte gommen」キャンペーンの1つに、「Try フラワー!モニターキャンペーン」がある。全国の加盟する花屋さんで使える電子クーポンが1万人に当たるというものだ。しかし、今回、この配信システムの一部が上手く作動しなかった。その所為で、加盟店に来店してくれた生活者の方に嫌な思いをさせてしまった。この不備に関し、お詫び申し上げたい。改善は進んでおり、今後も万全を期して参りたい。  

 さて、花き卸売業界では、セリをコンピューターで行う等、ICTに取り組んでいるが、社会一般の事業会社に比べると、決して進んでいるとは言えない状況にある。よく言われることだが、人間には「自惚れ」、「驕り」、「マンネリ」、「甘さ」の4つの病気がある。自惚れて「自分は一生懸命やっている」と思う。他人から「それは違う」と指摘されると、驕りから腹を立て聞く耳を持たない。同じことを繰り返してマンネリになる。甘えは言うまでもない。当社を取り巻く花き流通業界も、ややもすると、これらの病気にかかることが多いのではないか。そして、その病気にかかっているという自覚すら無い人も多い。自覚が無いから、変えること、変わることを嫌がるのだ。こう見ていくと、日本でも「あなたの業界、心の病にかかっていますよ」と言いたい業界がいくつもある。花き業界もこの心の病の4つの病気にかかっているという意識をもって、それぞれ農業経営、卸売市場経営、仲卸の経営、小売店の経営を、時代とともに行っていくことが必要だ。花の場合、小規模・中規模の事業体がサプライチェーンを構築して生活者に花を届けている。サプライチェーン上の縦の繋がりはもちろん非常に大切だが、併せて、横の同業者同士の繋がりも欠かせない。同業者間で、いつも時代に合わせた価値観を共有していく必要がある。

 花き業界は縦横の繋がりで連携を取りつつ、生活者にどうすればもっと素晴らしい生活をしてもらえるか、その時に「花は必要だ」と思ってもらえるかに注力しなければならない。生活者への働きかけの活動を、日ごろの社業でも、各種事業でも、今後もやっていきたいと思う。年齢は関係無い。時代とともに柔軟に歩んでいく。併せて、「花で人生を豊かに、生活の質を上げる」を一念に、人に尽くす、筋の通った業界でなければならないと思っている。


投稿者 磯村信夫 15:47