社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2020年12月14日

生産者の皆様、市場と連携して来年以降の作付けを決めていきましょう


12月12日(土)は「ダズンローズデー」だったので、数寄屋橋の東急プラザで開催されている花展を見に行きがてら、新橋・銀座・日本橋の生花店を覗いてみた。銀座に出てまず驚いたのは、人出の多さだ。当たりが多く出ることで有名な数寄屋橋の年末ジャンボの店舗も、例年より少ないものの長蛇の列だった。銀座は年齢層が高い繁華街だが、その銀座でこれだけの人がいるのなら、新宿や渋谷、原宿等、若い人たちが多いところではかなり密になって、コロナ危機に鈍感になっているのではいだろうか。コロナの第三波で「GO TO トラベル」をどうするか内閣で話し合われている今、1月~3月の需要動向について考えていかなければならない。  

 コロナ禍でも、10月まで花き業界はかなり好調で、“元に戻ろう”としていた感があった。経産省の調べによると、10月の葬儀の売上は前年比で90%、結婚式は50%まで戻ってきていた(因みに葬儀における生花売り上げ割合は12~13%、挙式における生花売り上げ割合は8~9%だ)。また、(公社)日本ブライダル文化振興協会から来年1~3月の見通しが発表されていたが、1月の売上高は前年比72%、2月が54%、3月は、前年がコロナにより大打撃であったので、前年比で181%だった。しかしながら、コロナの第三波で、今後とうなるかまた見通せなくなった。既に、忘年会・新年会が無いだけでも、上位等級の丈の長いものや、大きな鉢は、相場が出にくくなっている。

 このような状況下において、花き業界では生産者が最も被害を受けている。次に小売店、そして、サービス業のJA系統の組織、卸・仲卸まで含む流通業者・物流業者の順番だ。団塊世代が70歳を超える今、これは小売店もそうだが、「もうやめた」とならないように、卸売会社として、生産者としっかりコミュニケーションを取っていきたい。消費地情報を伝え、今後5年を見据えて何をすべきか、ステイホームで自然や花きの必要性を感じてくれた消費者に買ってもらえるものを生産したり、消費の呼びかけ運動を一緒にやっていこうと呼び掛けていく必要がある。花をお金に換える役割の花市場は、生産者と連絡を今まで以上に密に撮り、共にこのコロナ危機を乗り切っていく行動をとって欲しい。

 
投稿者 磯村信夫 15:45