社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年10月11日

理想との差異を見極め、誰に活躍してもらうかを見極める。


 10月なのに暑い日が続き、山形のストックは前進が止まらない。トルコギキョウもバラも、色々な花が前進してしまっている。

 今まで入荷が少なかったので、例年より10%ほど高値が続いている。しかし、10月からの食品の値上げ等で、ここで花も割高感を感じさせてしまうと、せっかく伸びてきた家庭需要が凹んでしまう可能性があるため、小売の皆様方は苦労されている。 秋の彼岸後、暑くて家庭での花もちが心配だが、フラワーフードを用いたり等のお手入れ方法を、切り花、苗もの、鉢物も的確にお伝えし、割安感を感じてもらうよう販売していただきたいと思う。ただ難しいのは、日中を半そでで過ごすようなこの陽気で、例えば寒い季節のイメージのあるストックを、飾りたいと思うだろうか。そうなると、葬儀需要の生花店にストックを積極的に使ってもらえるよう、働きかけなければならない。個人消費の方は、もう少し季節が進んでからだ。このように、「売るに天候、作るに天候」の花まで含めた園芸産品は、市場がその都度調整し、卸・仲卸の本格的な出番となっている。

 さて、選挙の季節だ。選挙時につくづく気を付けたいと思うのは、SNSまで含めてだが、不平等や格差、不満や不安を煽るような言動をする人の意見に耳を傾ける時、冷静に判断をしなければならないことだ。現実と理想の差、政治の場合には「他国差異」だ。他国で同じような事象が起きている時、他国は実際どのようにこの課題に取り組んでいるだろうか。そしてその他国と比較して、選挙の立候補者は具体的に策を示し、解決しようとしているか。この他国との差異を埋めようとしているのか。不安や不満を煽られると、ストレスのはけ口として同調してしまいがちになるが、ここに耳を傾けるべきである。

 生花店の経営にしても、個人の生き方にしても、広くは国にしても、夢や志を語り、現状を理性でふまえて、あるべき姿との差異を、優先順位を付けながら解決していくことが必要だ。そう、目標差異を埋めることだ。急には良くならない。私たちの振舞いは、「昨日の続きは今日」だからだ。しかし、そのままズルズルと行ってしまってはゆでガエルだ。ゆだる前に少しでも上に行こうとする、良くなろうとすることだ。選挙の投票も、会社や個人の目標管理も、もう一度実態をよく知り、こうありたい・こうあってほしいという理想や目標との差異を知り、一段一段自分の足で登ってゆく。この意識が必要だ。

  


投稿者 磯村信夫 15:37