社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年12月20日

本年の話題はコロナ+2つの重点取組み


 本年一番の話題は、やはりコロナと、そして、「GREEN IS GOOD(グリーンイズグッド)」、「グリーン」な取組みであろう。地球温暖化と共にいかにグリーンなエネルギーを手に入れるか。いかにグリーンに生産し、いかにグリーンに生活をするかだ。身近に植物を置くこともそうだが、環境に負荷を与えないよう、あらゆるものをサステイナブルなものにしようとする総称を「グリーン」と呼ぶ。グリーン農業もそうだ。窒素、水、農薬を余分に使わない。スマート農業もグリーン農業の一つだ。

 大田市場花き部でも、グリーンな取組みを模索している。例えば土の回収だ。販売した鉢物・苗物の売れ残りの土や、あるいは、消費者が購入した後、枯れてしまった鉢物の土を回収をする取組みを始めている。また、コチョウランの鉢を産業廃棄物ではなく、一般ごみとして出せる材質のものでお願いしている。更には、水揚げしてバケツで流通させるのではなく、荷姿は段ボールで出荷出来ないかお願いしている。段ボールは殆どリサイクルされるからだ。問題は、段ボール出荷でも保水をしようとすると、中にプラスティック容器を入れて、水につけることになる。この容器が産業廃棄物になってしまうことだ。これも、定温トラックで運ぶのであればやらなくても良いのではないか等、出来うることを検討している。

 本年、もう一つ日本で話題だったのが、働き方改革、中でも女性の活躍について強く叫ばれるようになってきたことだ。女性活躍の外国の例で言えば、アングロサクソンよりラテン気質が残るフランスでは今月16日、従業員1,000人以上の企業で、2030年までに経営層幹部に占める女性の割合を40%以上にすることを義務付ける法案が可決された。10年前の2011年には、大企業の女性役員の比率を40%以上にするよう義務付けている。いわゆるクオータ制(割り当て制)で女性の役員の比率を高めようとしている。フランス企業のほとんどが、今後目指すことになりそうだ。大田市場でも、現鈴木場長の前任の髙橋場長は女性場長で、清潔・安全を一義に、お手洗いやエレベーターの落書き、床や照明等、大田市場を改装する設備投資を行った。女性の視点は、政治においても、企業経営においても、もちろん、家庭においても欠かせないものだ。女性がいかに活躍できる職場にしていくか。この問題を卸や仲卸は真剣になって取り組まなければならない。

 以上、グリーンな取組みと働き方改革・女性活躍改革、これらを各企業が真剣になって取組む必要がある。特に、女性活躍については、優秀な女性に活躍してもらわなければ、日本は質の高い労働力確保が出来ず、発展出来なくなる。花の場合、女性が購入することが圧倒的だ。男性よりも女性が活躍できる職場の筈だ。女性が出産後も働きやすい職場づくりを行い、その後も活躍してもらう。そして、フランスやEUのように、女性の経営層を増やし、ワークライフバランスを整えていく。このことが、生鮮食料品花き業界の発展に繋がると思うのだ。

 

投稿者 磯村信夫 10:57